宇治植物公園でほのかな芳香が流れていました。
メラノキシロンアカシア:acacia melanoxylon (マメ科アカシア属)です。
オーストラリア原産、高さ30mほどになる常緑高木で、春咲く淡黄色の花には芳香がります。
この木の特徴は葉の形に変化があることです。
幼苗やひこばえなどの枝には、マメ科植物でよく見られる羽状複葉が出ますが、やがて一枚の被針形の葉を形成するようになります。このナギの葉に似た単葉に見えるものは、実は葉柄で、複葉の部分が消えて、葉柄の幅が広くなり葉の形になったものと考えられています。このことによってこの木は、乾燥に耐える体になったものと思われます。
黒褐色を帯びた良材が得られ、建築材などに利用されるので、ブラックウッドとも呼ばれます。
本種によく似た木に相思樹:タイワンアカシア(Acacia confusa)があります。名前がよいので各地の公園などで人気がありますが、相思樹ではなくてこのメラノキシロンアカシアであることが多いという話もあります。葉の形の変化は両者共通ですが、花色はメラノキシロンアカシアは淡い黄白色なのに対して相思樹は黄色が勝つところが異なります