新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

ハナセンナ(アンデスの乙女)

2008-09-29 07:12:10 | 植物観察1日1題

夏の花木もあらかた花が終わって少し寂しくなった隣家のお庭に、黄色い花をいっぱいにつけた木が目立っています。
図鑑にもあまり載っていない花で、情報が少ないのですが、ハナセンナもしくはカッシアコリムボーサといわれるマメ科センナ属またはカワラケツメイ属の落葉低木ではないかと思われます。
ブラジル、アルゼンチン原産で、園芸種として「アンデスの乙女」という綺麗な名で流通しています。
花期は9月~10月、花が終わると長い莢果ができます。
(明日から4~5日間お休みします)

トウゴマ:唐胡麻(下剤だけではない)

2008-09-28 07:22:44 | 植物観察1日1題

戦時中の軍事用燃料不足を補うために、空き地でヒマを栽培することが奨励されました。
そのヒマが、花をつけているのに出会い、図鑑でヒマを調べましたがどの図鑑にも載っていません。
さてと、広辞苑でヒマシ油を引くと、トウゴマの種子とありました。ヒマという草とばかり思っていたのは、トウゴマ:唐胡麻(トウダイグサ科トウゴマ属)という名だったのです。
インド、小アジア、北アフリカの原産といわれ、油脂植物として栽培される1年草で、茎は直立し、高さは2mくらいになります。
秋に咲く花は、下に黄緑色の雄花序、上部に赤い雌花序をつけます。
種からヒマシ油をとります。ヒマシ油は下剤としてよく知られていますが、脂肪油としては粘度、比重ともに最大で、低温下でも高い流動性を持つため、工業用や民生用の原料として広い用途があります。
和名の唐胡麻は、中国から来たので唐で示し、種子から油をとるゴマにたとえたものですが、ゴマとはまったく異なる植物です。

ハブソウ:蝮草(ハブ茶に名義貸し)

2008-09-27 07:44:50 | 植物観察1日1題

ハブソウ:蝮草(マメ科カワラケツメイ属)が、黄色い花をつけています。薬用にも飲用にもされるのでおなじみのハブ茶は、一般にこのハブソウを使っていると思われていますが、実際には入手の容易な仲間のエビスクサ:夷草の種子を使っています。
ハブソウの方は、北アメリカ南部、メキシコ原産で、江戸時代に渡来し、薬用として栽培されるほか、琉球などでは野生化もしている1年草です。
夏、エビスグサよりやや大きい黄色の花をつけます。豆果は長さ10cmくらいで、エビスクサより太短い形です。
葉は虫刺されに効くといい、和名ハブソウはハミ草、つまり蝮草で、蝮にかまれたときにこの草汁をつければよいということから来ているといいます。

ウコン:鬱金(力の源は?)

2008-09-26 07:26:30 | 植物観察1日1題

最近テレビCMで“ウコンの力!”というのが流れています。
どんなものかと思っていたところ、植物園で花をつけているウコン:鬱金(ショウガ科ウコン属)に出会いました。
熱帯アジア、インド原産で暖地に栽培される多年草で、カンナのような葉には長い柄があり、長さ1mくらい、厚くて無毛、平滑です。
夏から秋にかけて葉間から高さ20cmほどの花序を直立し、卵形白色の苞葉の間に淡黄色の唇形花を3~4個ずつ開花し、雄蕊4個も花弁化します。
根茎は止血など薬用や香料になり、また黄色の色素は、カレー粉などの黄色染料になります。
大きな葉の間に隠れるように咲く花を見ていると、CMどおり、なにやらこの草に力が潜んでいるような気がしてきました。


イヌガヤ:犬榧(役立たずとはいえ)

2008-09-25 06:30:33 | 植物観察1日1題

山道でふと頭上を見上げると、赤茶色の丸い実が目につきました。イヌガヤ:犬榧(イヌガヤ科イヌガヤ属)です。
カヤに似るが、硬くて食べられないからとも、材の利用価値が低いからともいわれ、イヌの名がついています。ヘボガヤの別名もあります。
山地に生える常緑低木で、高さは6~9m、葉は長さ2~5cmでの線形で、先端はとがりますが、カヤと違って触っても痛くはありません。雌雄別株で、果実は長さ2cmほどの倒卵形で、翌年の秋に赤褐色に熟します。この点でも緑色のまま熟して落下するカヤの果実とは異なります。
熟した皮汁はあまく、昔は胚乳から油をとり燈火用にしたそうですから、必ずしも役立たずではなかったはずです。


アカバナ:赤花(やさしい棍棒)

2008-09-24 07:22:45 | 植物観察1日1題


溝のように湿った道端に咲いていたのはアカバナ:赤花(アカバナ科アカバナ属)です。
花も赤いですが、夏から秋にかけてしばしば茎や葉も赤くなるのでこの名があります。
山野の水湿地に生える高さ30~70cmの多年草で、夏から初秋、葉脇に直径約1cmの紅紫色の花をつけます。花弁は4個で先が浅く2裂します。アカバナ属は柱頭の形でいくつかのグループに分けられますが、アカバナの柱頭は白くて太い棍棒状になっています。
花のうしろに見える細長い棒状のものは果で、熟すと4裂し、中の種子には種髪といわれる毛があり、風に乗って飛ぶ仕掛けになっています。
去年秋、大山でこの果実を見かけました。(07年11月7日記事) 亜高山地帯でしたので、このときはイワアカバナと見立てましたが、アカバナだったかもしれません。

ヘラバマツバボタン:箆葉松葉牡丹(学名で売る)

2008-09-23 07:25:32 | 植物観察1日1題

秋の気配が濃くなった公園の花壇に、ヘラバマツバボタン:箆葉松葉牡丹(スベリヒユ科スベリヒユ属)が盛夏に変わりない見事な花をつけています。
ハナスベリヒユとも呼ばれ、園芸店では学名のポーチュラカで売られています。
道端に生えるスベリヒユ(05年9月19日記事)を改良して作り出された花と考えられており、1982年にアメリカで発売されました。
花の色は黄、ピンク、赤、紫、白など豊富で、暑さと乾燥にも強く、花壇や庭の花として人気があります。
ヘラバマツバボタンでは、ガーデニング好きの女性にもてそうもなく、あまりにも地味な原種のスベリヒユを連想させるハナスベリヒユもさえない名です。
ちょっと気取って学名そのままのPortyulaca で売っている園芸店の気持ちは分かる気がします。

アカソ:赤麻(雨露で粧う)

2008-09-22 06:16:53 | 植物観察1日1題

なんでもない草木が、雨や露を帯びるとはっとするほど美しいことがあります。
山道で頭上に見たアカソ:赤麻(イラクサ科カラムシ属)もそんな経験でした。
茎や葉柄が赤褐色を帯びるのでこの名があり、山地のやや湿ったところに生える多年草で、高さは50~80cm、茎はほとんど枝分かれ多くは斜めに立ち上がります。
雌雄同株で、雄花と雌花はそれぞれ別の穂につきます。雌花の花穂は赤みを帯び、茎の上部の葉の付け根につきます。雄花は淡黄白色で、茎の下部につき、かたまりが少しずつ間をあけて穂になります。

ヒメジソ:姫紫蘇(小さな花にも見られる特徴)

2008-09-21 08:29:51 | 植物観察1日1題

山道にヒメジソ:姫紫蘇(シソ科イヌコウジュ属)が小さい花をつけています。
シソを小形にしたような姿なのでこの名があり、山野の道端や林の縁などに生える1年草です。
枝先に長さ3~7cmの花穂を出し、淡紅紫色または白色の小さな唇形花をややまばらにつけます。
写真ではよくわかりませんが、雄蕊4個のうち、上唇側の2個が完全で、下唇側の2個は葯のない仮雄蕊になっています。
このようにシソ科で仮雄蕊があるのは珍しく、イヌコウジュ属に見られる特徴です。

ノゲイトウ:野鶏頭(野にも庭にも)

2008-09-20 07:13:13 | 植物観察1日1題

ノゲイトウ:野鶏頭(ヒユ科ケイトウ属)は、熱帯アメリカ原産の1年草で、熱帯、亜熱帯を中心に温帯の一部に帰化、分布します。
高さは80cmくらい、花は夏から秋、多数の淡紅色~白色の小花を長さ4~8cmの円柱状の穂になって密につけます。
花はカサカサした感じで、花穂の下から咲きあがります。花が終わると白色になります。
種子は薬用になり、血液の病気などに用いるといいます。

ヤリゲイトウ:槍鶏頭(槍の形の)

2008-09-19 06:55:02 | 植物観察1日1題

ケイトウ(ヒユ科ケイトウ属)は、アジアやアフリカやアメリカの熱帯や亜熱帯に50種もあるといいます。多彩な色に加えて、花穂もさまざまな形の改良種、変種が出回っています。
スギの樹幹に似た形のヤリゲイトウ:槍鶏頭は、矮性種もあって、秋の花壇の彩りとして人気の品種です。

ハゲイトウ:葉鶏頭(深まる秋に色も深く)

2008-09-18 06:28:09 | 植物観察1日1題

ハゲイトウ:葉鶏頭(ヒユ科ヒユ属)が、色を増してきました。
東インド地方原産で、わが国の気候風土に適応し古くから栽培されている1年草です。
高さは1~2m近くになり、葉は長楕円状被針形、卵円状長楕円形、被針形、線形とさまざまで、葉柄は長くほぼ全縁です。晩夏になると葉は紅、橙、黄、紫紅色など色鮮やかに着色し、葉は2色、3色、4色などさまざまな色合いになります。
花は観賞価値はなく、葉脇に淡緑色で目立たない球状で群生します。
昭和10年、ある新聞が時の文人たちに「新秋の七草」を選定してもらいました。今では忘れられていますが当時有名だった、女流戯曲作家で、小説家でもある長谷川時雨女史の選んだのがこの葉鶏頭でした。
(ちなみに、牧野富太郎は菊、以下斉藤茂吉:彼岸花、与謝野晶子:白粉花、高浜虚子:アカマンマ、永井荷風:秋海棠、菊池寛:コスモスとなっています。万葉時代に山上憶良にいいところを先取りされた文豪たちの困った様子がうかがえるようです)
雁が飛来するころに葉色が一段とさえることから雁来紅という優雅な別名があります。

ケイトウ:鶏頭(その名もずばり)

2008-09-17 06:50:18 | 植物観察1日1題

「秋さらば写しもせむとわが蒔きし唐藍の花を誰か摘みけむ」山部赤人 (万葉集巻七-1362)
 唐藍の名で万葉集に4首出るケイトウ:鶏頭(ヒユ科ケイトウ属)は、インドの熱帯地方原産といわれますが、日本には古くから渡来して、庭に植えられていたことがうかがえます。
夏から秋にかけて、茎の頂につけるさまざまな形の花穂を、鶏のとさかに見立ててこの名があります。
花穂がとさかのように扁平な帯状に変化したトサカケイトウ、それが密に集まった玉咲きの玉ケイトウ、細かい花穂が密集した羽毛ゲイトウ、スギの樹冠に似たヤリゲイトウなど、形のバラエティがあり、色彩も赤、ピンク、黄色など多彩で秋の花壇をいろどります。
田圃の縁に植えられていた写真の鶏頭は形からみて玉ケイトウに属すると見ました。

ムラサキゴテン:紫御殿(全草これ紫色)

2008-09-16 07:06:35 | 植物観察1日1題

近所の生垣の下から垂れ下がっていたムラサキゴテン:紫御殿(ツユクサ科トラディスカンティア属)を撮らしていただきました。ツユクサの仲間と同じように、花は午前中に開き午後には閉じます。
原産地は北米テキサスからメキシコです、昔から小形の観葉植物として育てられ、釣鉢用などに植えられてきました。
半耐寒性常緑性多年草で、建物の軒下などで越冬し、暖地では周年戸外栽培が可能です。地上部全体が強い紫色を呈し、春から秋にかけて伸びた茎の頂の葉の付け根に小さな桃色の花を咲かせます。
花径は約2cm、おしべの葯は黄色で、葉や茎、がくまで鮮紫色で美しく、用途も多様で、愛好者を楽しませてくれます。同じ科で、よく似て間違えやすい花にムラサキツユクサがありますが、こちらは葉が細長く、緑色です。

クフエア:クサミソハギ(冬に葉枯れる常緑木)

2008-09-15 06:09:48 | 植物観察1日1題

秋風が吹き始めた庭ですが、暑さに痛んだ草木が哀れな夏枯れ姿になっています。
その中で、ひとり緑の葉もみずみずしく赤い花を次々につけているのがクフエア、別名クサミソハギです。
メキシコを中心としたな南北アメリカが原産地で、園芸店で売られているCuphea hyssopifoliaで、メキシコハコヤナギとも呼ばれます。
冬、寒さで枯れてしまったと思っても、春になれば不思議に芽が出て復活します。資料を見ると非耐寒性常緑低木とありました。