新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

オグルマ:小車(整った花容)

2007-09-30 07:18:29 | 植物観察1日1題

田圃の畦道で見かけた花が続きます。秋というのに整ったタンポポのような黄色い花を見かけました。初めて見る花です。
いろいろ調べたり、友人に尋ねたりしましたが、どうやらオグルマ:小車(キク科オグルマ属)らしいということになりました。
放射状に整然と並んだ舌状花の形を小さな車に見立てたとあります。
湿地や田圃の畦などに生える多年草で、高さは20~60cm、茎には軟毛があり上部で枝分れします。
茎葉は長さ5~10cm、幅1~3cmの広披針形~長楕円形でなかば茎を抱きます。
枝先に直径3~4cmで黄色の頭花を1個ずつつけます。
カセンソウとよく似ていますが、葉がカセンソウより柔らかく、裏面の脈はそれほど隆起しないのが区別点とされています。

イボクサ:疣草(綺麗なイボコロリ)

2007-09-29 06:57:41 | 植物観察1日1題

水を抜いた田圃に淡紅色の3弁の花が咲いています。
この葉の汁をつけると疣がとれるというところからこの名がついたイボクサ:疣草(ツユクサ科イボクサ属)は、イボトリグサの別名もありますが、名に似合わず綺麗な花です。
湿地や水辺に生える1年草で、高さ20~30cm、茎は柔らかく赤みを帯びます。下部は横に伸び上部は立ち上がります。葉は長さ3~7cmの細い披針形で、基部は鞘状になって茎を抱きます。
花期は9~10月、花の直径は1cmほど、長くて葯が青紫色のが完全な雄蕊、短くて葯が淡紫色のは仮雄蕊で、花糸には白い毛があります。

ナンゴクヒメミソハギ:南国禊萩(いかにも帰化種らしい名づけ)

2007-09-28 06:21:38 | 植物観察1日1題

田んぼの端の水中に咲いているのはナンゴクヒメミソハギ:南国禊萩(ミソハギ科)です。
北アメリカ原産で、中近東、アジアの熱帯から温帯にかけて帰化している1年草です。
葉は細~広披針形で、四角い断面の茎に対生します。
夏期に、葉脇に花序を出し、明瞭な短い柄のある紅紫色で、通常4弁の花を数個つけます。
1968年に鹿児島で採集され、当初アメリカミソハギの名で呼ばれました。その後10年ぐらいで九州一円の水田に発生するようになり、順次広がっているようです。よく似たのにホソバヒメミソハギがあるそうですが、こちらは葉の基部が耳状になるなど相違があり、ナンゴクヒメミソハギと見立てましたが自信はありません。


ヒレタゴボウ:鰭田牛蒡(きれいな花の雑草)

2007-09-27 07:09:00 | 植物観察1日1題

ヒガンバナの写真でも撮ろうと近所の田んぼの畦を歩いていました。
どういうわけか去年畦一面に咲いていた彼岸花が今年はまばらで失望しました。それでも畦端にいろいろな草が花をつけていて結構楽しめます。
黄色い4弁の花で目立っていたのがヒレタゴボウ:鰭田牛蒡(アカバナ科チョウジタデ属)です。
北アメリカ原産の一年草で、1950年代に発見され、本州関東地方以西や四国に帰化していることが確かめられています。
葉は披針形で先は尾状にとがります。花は8~9月、黄色で直径約2.5cm、4個ある花弁の間にはすきまがあります。花柱は頭状、萼片の先は鋭くとがります。
果実は4稜のある円筒形で、先端に4個の萼片が残り、なかなか面白い形です。

ミカエリソウ:見返草(思わず振り返るというけれど)

2007-09-26 06:27:41 | 植物観察1日1題

つい振り返って見るほど美しいのでこの名があるというと”なんで?”という反応が返ってきます。
ミカエリソウ:見返草(シソ科テンニンソウ属)は、名前負けしている花の例のようです。
山野の林内に群生し、茎の下部が木質化して低木状になります。
黄色い花をつける仲間のテンニンソウ似ていますが、9~10月、枝先に直立した花穂に数個ずつ紅紫色の唇形花を順次上のほうに向かって咲きあげてゆきます。雄蕊は4個あって、花柱とともに長く花外に突き出ます。
高槻川久保渓谷では、昨日のマネキグサに隣り合って咲いていました。いずれも美しさはいまひとつですが、マネかれて入った店の女性を帰り際思わずミカエッタというストリーを思い浮かべると、草の名も結構楽しいものです。

マネキグサ:招草(花が手招きする)

2007-09-25 06:24:22 | 植物観察1日1題

高槻川久保渓谷で見かけたマネキグサ:招草(シソ科オドリコソウ属)は、花が手招きしているように見えるのでこの名があります。
本州神奈川県以西、四国、九州に分布し、山地の木陰に生える多年草で、高さは40~70cm、長さ3~8cmの葉は対生し、卵円形で縁に粗い鋸歯があります。
花は8~月ごろ、葉脇に1~3個ずつつき、暗紅紫色で縁だけがわずかに白く、長さ約2cm、下唇は3裂して開出し、萼は筒状で短く5裂し、下側の2裂片は中部以上まで合生します。
名のとおりユーモラスな形の花ですが、注意して歩かないとせっかく招いてくれているのに見落としそうです。
山着綿(やまきせわた)の別名があります。

ハシカグサ:(ハシカとは何の意?)

2007-09-24 07:21:32 | 植物観察1日1題

高槻川久保渓谷で見かけたハシカグサ(アカネ科フタバムグラ属)です。
山野や道ばたの木陰に生える1年草で、茎は柔らかく枝分かれして地に広がり長さ20~40cmになります。対生する葉は、長さ2~6cm、幅1~2cmの卵形でやわらかく、両面にまばらに白い軟毛が生えます。
8~9月、茎の先端や葉脇に小さな白い花を数個束生します。花は直径2mmほどと小さく、浅く4つに切れ込みます。
あまり目立たない花でよく見ないと見過ごします。気になるハシカグサの名前の由来ですがなぜかどの図鑑にも載っていませんでした。

マルバルコウソウ:丸葉縷紅草 (見かけによらない手ごわい雑草)

2007-09-23 06:23:18 | 植物観察1日1題

   
近くの道路端の柵に今年も絡みついたマルバルコウソウ:丸葉縷紅草(ヒルガオ科ルコウソウ属)が赤い五角形の花をつけています。昨日のルコウソウと同じく熱帯アメリカ原産のつる性の一年草で、江戸時代に観賞用として渡来したのですが、当初暖地を中心に野生化したものが、いまでは主に北陸、北関東以西に分布し雑草化しています。
茎は紫褐色で左巻きにのび、ハート形の葉が互生します。夏から秋にかけて朱紅色で5角形の小さな花が咲きます。
一見かわいい花で、1本のつるは弱いのですが、何本か絡まると少々引っ張ってもちぎれないほど強くなり、手ごわい雑草だそうです。

ルコウソウ:縷紅草(糸状の葉が美しい)

2007-09-22 06:47:43 | 植物観察1日1題

ルコウソウ:縷紅草(ヒルガオ科ルコウソウ属)は、熱帯アメリカ原産のつる性の一年草で、古くから観賞用として栽培され、今では野生化したものもあります。
寛永11年(1634)にカボチャアサガオの名で長崎に渡来したという記録があるそうです。
茎は無毛で左巻き、互生する葉は羽状全裂し、裂片は細く羽状になり中肋の両側に対生し、美しいものです。
花は7~8月、葉脇に単生し、長い花梗上に深紅色まれに白色花をつけます。花の径は2cm、筒の部分は細長く先は5裂して星形となります。
縷紅草の縷は細い糸のことで、葉が糸状で紅色の花が咲くところからこの名があります。

オオブタクサ:大豚草(こちらも花粉症の犯人)

2007-09-21 06:56:06 | 植物観察1日1題

アメリカ原産のブタクサより大形で高さ3mにもなるオオブタクサ:大豚草(キク科ブタクサ属)は見るからに異様で、花粉症の元凶と知るとなおさら敬遠されているのも頷けます。
戦後日本に入り、都市周辺の造成地や河原などに繁茂しています。
花のつき方は昨日のブタクサに似ていますが、葉はすべて対生し、掌状に大きく切れ込んでいます。
葉の形がクワの葉に似ているところから、クワモドキとも呼ばれます。
花期は8~9月、ブタクサ同様花粉症を引き起こす嫌われ者です。


ブタクサ:豚草(花粉症の真犯人)

2007-09-20 06:57:38 | 植物観察1日1題

すこし前、セイタカアワダチソウが日本中を席捲しかねない勢いで繁殖しているとき花粉症の犯人ではないかと疑われた時期がありました。結局セイタカアワダチソウは虫媒花なので濡れ衣とわかり、代わりに真犯人とされたのが風媒花であるブタクサ:豚草(キク科ブタクサ属)です。
北アメリカ原産の1年草で、日本には明治の初めに入り、戦後になって急激に増えました。和名のブタクサは、北アメリカでHogweedというのに基づきます。
高さは30~150cm、葉は茎の下部で対生、上部では互生になり、羽状に細かく切れ込みます。
雌雄同株で、花期は7~10月、雄頭花は細長い穂になって多数つき、雌の頭花は穂の基部に2~3個ずつつきます。


ヌスビトハギ:盗人萩(外人盗人に押される)

2007-09-19 07:00:37 | 植物観察1日1題

ヌスギビトハギ:盗人萩(マメ科ヌスビトハギ属)は、豆果の形が泥棒が足音を立てないように歩くときの足跡に似ていることから名がついたといわれます。
草地や道端などの生える多年草で、高さは60~120cm、葉は3個の小葉がある複葉で、先端の小葉がもっとも大きくなります。
7~9月淡紅色の蝶形花を細長い穂にややまばらにつけます。果実は中央の節で大きくくびれ、熟すと2つにちぎれます。果実の表面に密生するカギ状の毛で動物などにくっつき運ばれます。気付かない間にこっそり服などにくっついているので盗人の名がついたという説もあります。
近年、紅紫の蝶形花で、丸くて大きい旗弁が目立つ北アメリカ原産のアレチヌスビトハギが多くなり、在来種は郊外に追いやられた形になっています。ヌスビトハギの豆果のくびれは1箇所であるのに対しアレチヌスビトハギのくびれは2~4個あります(枠内写真)。集団外人泥棒に、国産?盗人が追いやられるの図です。

オオフタバムグラ:大二葉葎(名に似ぬ小花)

2007-09-18 06:06:56 | 植物観察1日1題

オオフタバムグラ:大二葉葎(アカネ科オオフタバムグラ属)は、北アメリカ原産の一年草で、1920年代に東京で発見され、あまり多くはないもののほぼ全国的に分布し、やや砂地がかった道端などによく見られます。
対生する葉は長さ1~4cmの線状披針形で、縁には棘状の鋸歯があり、托葉は合着して数本の針状になります。
7~9月、葉脇に淡桃色で先端が4裂した筒形の花を数個つけます。
外来種でこの名とあれば、粗野な花を想像しがちですが、この小さい花を見るとすこし意外な感じがします。

カワラケツメイ:河原決明(お茶の代用品)

2007-09-17 06:27:38 | 植物観察1日1題
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カワラケツメイ:河原決明(マメ科カワラケツメイ属)は、日当たりのよい河原や道端に生える多年草で、高さ30~60cmになり、葉は偶数羽状複葉でネムノキ状になります。
8~10月、葉のつけ根に黄色の小さい花をつけます。マメ科のなかではジャケツイバラ亜科に属し、花は蝶形にはならず雄蕊が離生します。
ケツメイ(決明)は、薬用植物として栽培されるエビスグサ(一般にはハブソウといわれている)の中国名で、この草も茎葉を摘んで、弘法茶、合歓茶、浜茶、岸茶などの名でお茶の代用として飲料にされます。

イワアカバナ:岩赤花(初秋の伊吹山⑦)

2007-09-16 09:13:18 | 植物観察1日1題

イワアカバナ:岩赤花(アカバナ科アカバナ属)は山地~亜高山の湿り気のあるところに生える多年草で、茎は高さ15~60cmになり毛があります。対生する葉は長楕円状披針形で長さ2~8cm、鋸歯があります。7~9月、茎の上部葉脇に白色または淡い桃色で4弁花をつけます。花弁の先端は二つに切れ込み、長い子房のある柱頭(雌蕊の頭)は球形になります。花期は長く、花のそばに細長い果実が沢山見えます。
平地の湿地に咲く仲間のアカバナの花はすこし大きく色も赤みが勝っているようです。