新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

アリッサム:(小柄で人気)

2009-01-30 06:53:35 | 植物観察1日1題

庭や花壇でおなじみのアリッサム(アブラナ科)は、花は小さいですが、株を覆うほど密に咲き、低い草丈で横に広がり、花期が長く育てやすいので人気の品種です。
花は4弁の小花で、白が基本ですが、赤や紫などもあります。
あまり知られていませんが、香りがよいところからスイートアリッサムとも呼ばれ、ニワナズナの別名もあります。
ポット苗を購入するときは、根元をよく見て、複数の株が入っているの選ぶのがお得のようです。

アブチロン(吊り下がる花) 

2009-01-28 11:28:29 | 植物観察1日1題

何かないかと探しながら散歩をしていると、結構目に付くのが、よそのお宅の庭から垂れ下がるアブチロン(アオイ科アブイチロン属)です。ブラジル南部原産ですが、比較的耐寒性が強く、冬の時期にも花が咲いています。
花の長さは4~5センチメートル、黄色の花弁と赤色の萼がきれいです。
ふつうアブチロンというときは、別名ウキツリボク(浮き吊り木)またはチロリアンランプともいわれるこの花を指すことが多いのですが、別にフヨウ(芙蓉)を小さくしたような、花びらが平開する種類のもあります。

カランコエ(花つきのよい)

2009-01-25 17:06:25 | 植物観察1日1題

地球温暖化はどうなったのか寒い日が続きます。外へでかけるのも億劫になり、室内で日向ぼこが多くなります。
窓際に咲いているのが、カランコエ(ベンケイソウ科カランコエ属)です。
単にカランコエというときは、小さ美しい花をたくさん茎頭につけるブロッスフェルディナ(別名ベニベンケイ)指します。
非耐寒性の多肉多年草で、もともと初夏に花を咲かせる植物ですが、短日処理されて春先に開花するものが多く売られており、ほぼ周年で花を見ることができます。
比較的強靭であまり手入れをしなくても、冬場さえ屋内に入れれば毎年花をつけてくれます。

ヤブサンザシ:藪山櫨子(早いお目覚め)

2009-01-22 07:05:39 | 植物観察1日1題

地球温暖化はどうなったのか今年の冬は厳しい寒さが続きます。
少し山に入ると日陰にはいつまでも雪が残っていたりします。
そんななかで、社の境内でヤブサンザシ:藪山櫨子(ユキノシタ科スグリ属)の新芽が出ていました。
赤褐色の芽鱗から開き出た新芽は、すでにしっかりと特徴ある葉の形を見せています。
花が咲くのは4~5月と先なのに(08年5月12日記事)、寒空になぜそんなに急いで芽を出すのか不思議です。

サンシュユ:山茱萸(冬珊瑚?)

2009-01-20 06:51:22 | 植物観察1日1題

家の前の土手に植えたサンシュユ:山茱萸(ミズキ科ミズキ属)の赤い実が今も残っています。
この木は、中国、朝鮮の原産で、享保年間に薬用として日本に渡来したといわれます。グミ(茱萸)に似た紅色楕円形の果実は、山茱萸と呼ばれて生薬の強精薬にされたそうですが、いまではこの木はもっぱら庭木として植栽されています。
早春3月葉に先立って黄色い花をつけるので春黄金花、秋は赤い実で秋珊瑚と季節によって呼び名が変わります。果実は鮮やかな赤色でよく目立ちますが、あまり美味しくないのか、年を越えてもよく残っています。
夜来の雨の雫が赤い実の下で白く光っています。大きく膨らんだ花芽が春の近いことを教えてくれます。

コクサギ:小臭木(2段ロケットで種子を飛ばす)

2009-01-18 08:14:30 | 植物観察1日1題

クサギと同じく葉に臭気があるが木が小さいことから名が付いたコクサギ:小臭木 (ミカン科コクサギ属)は、本洲、四国、九州および朝鮮、中国に分布し山野の林下に生える高さ1~2mの落葉低木です。雌雄異株で、初夏に雄花は小さな総状花序、雌花は単生して開きます。
長い枝の葉が、同じ側に2枚ずつ交互につく互生で、コクサギ型といわれ珍しいものです。
この種子の散布方法も変わっていて、外果皮と内果皮の2層があり、外果皮は心皮の合わせ目で2つに裂けて、内果皮に包まれた種子を飛ばし、続いて内果皮もはじけてさらに種子を飛ばすという2段がまえになっています。内果皮は外側に膨れていたものが乾燥で反転するときの力を利用しているそうです。
1月の半ばというのに、外果皮だけ裂けて種子が顔を出した果実がいくつも残っていました。ためしにいくつか採集してポッケットに入れておいたら、中で内果皮が見事にねじれはじけて、黒い種子が離れていました。

ススキ:薄 (厳しい清少納言の目)

2009-01-16 06:52:04 | 植物観察1日1題

尾花といわれるススキ:薄(イネ科ススキ属)の穂が冬の陽を浴びて白く光っています。
冷たい北風に揺れながらも、まだ白い毛をつけた小穂が残っているのが見えます。
小穂は柄の長いのと短いのが節につき、小穂の基部には小穂よりやや長い毛がつき、長くて折れ曲がった芒(ぼう)が外花頴から出ています。
枕草子では、薄の穂の出はじめを美しいといいながら、今の時期の薄を、「冬の末まで頭の白くおほどけたるも知らず、むかし思ひ出顔に風になびきてかぎろひ立てる、人にこそいみじう似たれ。よそおふる心ありて、それをしもこそ、あはれと思ふべけれ。」
老いさらばえているのにも気づかず、現役時代にはひとかどの者であったというような顔をして、ふらつきながらも格好をつけている人間に似ている、というのです。今時こんなことをいったら、たちまち差別用語で袋叩きにあうことまちがいなしでしょう。

ヤマガキ:山柿  (フランスでもカキ) 

2009-01-14 07:10:43 | 植物観察1日1題

山道を歩いていると、たくさん残ったセンダンの黄色い実の向こうに、これもたくさん残ったカキたぶんヤマガキの赤い実が枝もたわわに実っていました。
カキ:柿(カキノキ科カキノキ属)は、中国原産ともいわれ、日本全国で栽培されるなじみの深い果樹です。たくさんある栽培品種はヤマガキを原種にしています。
黒檀の仲間といわれて、材は硬く家具や楽器などの用材として珍重されます。かつては高級ゴルフクラブのヘッドにされていました(パーシモンヘッド)。
和名は紅葉と果実の色の赤黄(あかき)から来たといわれ、フランスで柿は異国風の果物として人気があるという話を聞いたことがあります。フランス語の辞書にもずばりkaki=日本の柿、として載っています。  

メネシア(多彩な花色)

2009-01-12 07:27:26 | 植物観察1日1題


花の少ない今の季節、何かないかと歩いていると、ご近所のお宅のハンギンギングに紫紅色の花が咲いているのに出会いました。
ネメシア(ゴマノハグサ科ネメシア属)です。南アフリカ原産の一年草または多年草で、高さは15cm位になります。
花期が長く、花色が非常に多彩で、しかも一つの花のなかに、白とピンク、紫とピンクなど複数の色を持つ花が多く、見た目のバラエティに富み、好みの色を見つけやすいので、花好きに人気があります。

カンツバキ:寒椿(所変われば名も変わる)

2009-01-10 08:24:42 | 植物観察1日1題

色彩の少ない冬の庭にカンツバキ:寒椿(ツバキ科ツバキ属)が、赤い花を咲かせています。
関西ではシシガシラ:獅子頭とも呼ばれる起源のはっきりしない植物で、かなり古くから知られていますが、中国から入ってきたとか、ツバキとサザンカとの雑種とか色々説があります。
このごろシシガシラの形質を受け継いだ品種群をまとめてカンツバキと呼ぶことが多いようです。樹はあまり立たず、葉や果実に毛があります。花はサザンカより遅く12~3月にかけて咲き、小さい八重の花弁で、花弁は1個ずつ散ります。
近年多く見られるようになったタチカンツバキは、ハルサザンカの一品種で樹形が立ち上がり3mほどになります。

ハハコグサ:母子草(七草粥のごぎょう)

2009-01-07 09:28:28 | 植物観察1日1題

今日は七草粥の日。
子どもの頃、田舎では正月7日は、七草ではなく“なずな粥”だったので、我が家の7日はずっと自分で摘んだなずな粥でした。
妻がスーパーで七草のセットを300円で売っているといいますが、買ったのでは面白くないと今年は、薺に加え芹と御形(母子草)も摘んできて、冷蔵庫のスズナ(大根)、スズシロ(蕪)をくわえ五草粥としました。
春の七草のうち、ゴギョウまたはオギョウは、母子草(キク科ハハコグサ属)といわれています。ゴギョウがなぜ母子草かについては諸説がありますが、各地にホーコ草とする方言があり、全体に白い綿毛に覆われて、毛がほおけだつということからホウコグサ→ハハコグサに転訛したといわれています。また、昔、赤ん坊のそばに置いて、身代わりの厄除けにする腹ばい姿で白い衣装を着けた人形を這子といい、這う子→ホーコー→母子となったなどの説があります。
以前は、草餅はホウコグサで作っていたのが、這う子や母子を搗くのはよくないといって、蓬に変わったという話もあります。色はホウコグサが優れ、香りはヨモギ蓬が優るそうです。
白い綿毛に包まれた母子草は、粥の中では鮮やかな緑になっていました。

ウグイスカグラ:鶯神楽 (鶯が神楽を舞う木)

2009-01-05 08:35:44 | 植物観察1日1題

正月3ケ日、近所で初詣をしたほかは家でごろごろとし、すっかり体が怠けそうになったので、近くを散歩にでかけました。
山道で、ウグイスカグラ:鶯神楽(スイカズラ科スイカズラ属)が、1輪だけ咲いているのを見つけました。
ウグイスノキという別名があり、鶯が啼くころ花が咲くということでしょうが、ウグイスカグラの“神楽”がどこから来ているかについてははっきりせず、神楽はカクラ(狩り座)の転訛で、鶯など小鳥を捕らえる場所という意味だとする説もあります。
新年最初に山で見た花が、なにやら目出度い感じの鶯神楽という名なので、大いにうれしくなりました。この木の枝の間で鶯が飛び回るのが、神楽を演じている姿に似ているからこの名があるのだと勝手に決め込んだことでした。

ウメ:梅(天神さんは白梅それとも紅梅?)

2009-01-03 13:08:32 | 植物観察1日1題

昨日、JR高槻駅に程近い上宮天満宮に初詣に参りました。
正暦4年(993)、都に祟りをもたらす菅原道真の霊を慰めるために、左大臣正一位が追贈され、勅使いとして大宰府へ赴いた菅原幹正が、帰途この地で神輿が動かなくなります。「神輿が動かないのは、この山の上に道真の祖先の野見宿禰の祖廟があるためだ。由緒あるこの地に宮を作るがよい」という幹正のことばに従って、地元の人はこの神社を造営します。これが上宮天満宮のおこりで、全国的には知られていませんが、京都の北野、大阪の天満よりも古く、大宰府天満宮に次ぐ全国2番目の創建といわれています。
その境内の片隅に、早咲きでしょうか、何本かの白梅のつぼみが膨らんでいました。
ところで、あなたは、菅原道真の好んだのは白梅か、それとも紅梅か、どちらとお思いでしょうか。
有名な大宰府天満宮の飛び梅は白梅ですし、天神さんのご紋も簡素で白梅っぽく見えます。
答えは白梅のようにも思えますが、道真の京都の屋敷は「紅梅殿」といわれていましたし、大宰府の飛び梅も江戸時代の絵図でははっきりと紅梅になっています。道真の好んだのは実は紅梅だったのです。

明けましておめでとうございます

2009-01-01 12:01:44 | 植物観察1日1題

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。

橘は實さへ花さへその葉さへ
枝に霜降れどいや常葉の樹
(聖武天皇:巻六-1009 葛城王等に姓橘氏を賜ひし時の御製歌一首)

おめでたい植物はいろいろありますが、文化勲章のデザインにもなっているタチバナ:橘(ミカン科ミカン属)もそのひとつです。
垂仁天皇の命で不老長寿の霊薬を探しに渡海した田道間守が、艱難辛苦の上持ち帰った非時の香果(ときじくのかぐのこのみ)は、このタチバナでした。
柑橘類の原種といわれる野生種はタチバナ又はニッポンタチバナといわれ、自生は珍しいといわれています。ミカン状の果実は直径2~3cmとたいへん小さく、あまり甘くないといいます。
写真は、羽曳野市の木に選定されているタチバナで、同市の小学校に植えられていたものです。
許しを得て、ひとついただきましたが、香りも味もミカン同様案外いけるものでした。