新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

ナルトサワギク:鳴門沢菊(本場に咲く)

2007-06-30 08:23:38 | 植物観察1日1題

鳴門海峡に近い淡路島南部の道端のあちこちにナルトサワギク:鳴門沢菊(キク科)が咲いていました。
アフリカ原産で、各国に帰化し、日本では1976年徳島県鳴門市で発見されました。茎は根元で横臥して株状になり、よく分岐して高さは50cmくらいになります。葉は先の尖った披針形でふちに不ぞろいの鋸歯があります。アルカロイドを含み有毒です。
茎の頂に鮮黄色の頭状花を上向きに多数つけ、舌状花は通常13枚、筒状花は舌状花と同色です。
別名もコウベギクで、名のとおり兵庫県や大阪府南部に広がっています。
本場?で見かけたナルトサワギクですので、写りがいまひとつですが敢て取り上げました。

ヒメイワダレソウ:姫岩垂草(雑草ではなかった)

2007-06-29 06:27:31 | 植物観察1日1題
このごろ公園の広場や田畑の法面などによく見かける草にヒメイワダレソウ:姫岩垂草(クマツヅラ科イワダレソウ属)があります。
夏、小型のランタナのような形のピンク色の花を多数つけます。
花がきれいなので庭に植えられるほか、性質が強く、乾燥や踏み付けにも耐えて地を這うように広がって繁殖するので、雑草除けのグランドカバーとしても植えられています。種子はできず栄養繁殖で増えます。

ノハラナデシコ:野原撫子(やはり撫子)

2007-06-28 07:04:13 | 植物観察1日1題

淡路島南部で見かけた小さい撫子はノハラナデシコ:野原撫子(ナデシコ科ナデシコ属)です。
ヨーロッパ原産の1~2年草で、日本には砂防植物にまじって渡来し、1967年に報告されいまでは本州や九州に帰化しています。
高さ40~70cmで全体に毛があります。花は直径約1cm、淡紅色の花弁に白い斑点があるのが特徴で、ふちは不規則に切れ込みます。
純国産のカワラナデシコにあやかってノハラナデシコの名をもらったのでしょうか、とかく悪者視される外来種の中では可愛い花です。

アレチハナガサ:荒地花笠(荒地にも花笠)

2007-06-27 07:15:08 | 植物観察1日1題

南アメリカ原産の多年生草本で、戦後比較的最近に流入し、今では広く道端や河川敷に群落を作るようになっています。
茎の上部につく葉は無柄で、ほぼ半分より上に鋭い鋸歯があり対生します。
夏から秋にかけて茎の頂で盛んに分岐し長さ2~3mmの穂状花穂を多数つけます。花冠は直径約3mm、淡青紫色で5裂します。
昨日のヤナギハナガサに比べて花筒が短いことで区別できます。
アレチとハナガサがつくこの名前、損しているのか得をしているのか…

ヤナギハナガサ:柳花笠(野生には惜しい)

2007-06-26 06:12:30 | 植物観察1日1題

道端や河原などによく見かけるようになっているのがヤナギハナガサ:柳花笠(クマツヅラ科クマツヅラ属)です。
南アメリカ原産で観賞用に栽培されるほか、北米、豪州などに帰化している多年性草本です。わが国でも戦後に帰化が知られ、今では全国的に野外でも見られるようになっています。
7~9月、枝先に紅紫色の小さい花を穂状につけます。花は高杯形で筒部が長く、萼の長さの3倍以上もあります。近縁のアレチハナガサは、本種に比べ花筒部が短く、萼が深く切れこんでいることで区別されます。
サンジャクバーベナとも呼ばれ、庭に植えられていてもおかしくない花の姿です。

ヤマハタザオ:山旗竿(竿先の旗)

2007-06-25 05:54:30 | 植物観察1日1題

高槻川久保渓谷で見かけたヤマハタザオ:山旗竿(アブラナ科ヤマハタザオ属)です。
山野の道端や乾いた草地などに生える2年草で、高さは30~90cm、根生葉は長さ3~10cmの箆形長楕円形で、両面に毛があります。
5~7月、長い茎の頂に総状の花序を出し、4弁の白い花をつけます。
和名は山に生えて、直立する旗竿状の草姿に由来します。ここで見たヤマハタザオ、同道した友人が何回も通っているのに初めて見たといいます。細長い花茎の上に小さい花をつけるこの草はそれほど目立たない存在です。

ニガイチゴ:苦苺(実だけなら苦くない)

2007-06-24 08:02:13 | 植物観察1日1題

今の時期道端でよく見かける赤い実をつけている木苺はニガイチゴ:苦苺(バラ科キイチゴ属)です。
果肉は甘いが、つぶつぶの種子にある核が苦いのでこの名があります。
山野の崩れたようなところに生える落葉低木で、よく枝分かれして高さ70~90cmになります。
茎は無毛で白い蝋質の粉がつき多数の棘があります。
4~月、直径2~2.5cmの白い5弁の花を上向けにつけ、6~7月直径約1cmの赤い果実を熟します。
名前で敬遠せず、沢山生っている赤い実、核まで噛まずにそっと味わえば結構食べられはずです。

エビガライチゴ:蝦殻苺(蝦の皮を被る?)

2007-06-23 07:01:31 | 植物観察1日1題

茎、葉柄、花柄、萼などに赤くて長い繊毛が密生する様子からこの名があるエビガライチゴ:蝦殻苺(バラ科キイチゴ属)は、葉の裏が白いのでウラジロイチゴの別名もあります。
山地のがけなどに生える落葉低木で、互生する葉は3出複葉、頂葉がもっとも大きくなります。
6~7月咲く花は5弁で白色~淡紅色ですが、花より茶色の毛のある萼片のほうが目立ちます。
8月に赤く熟す果実は直径1.5cmの球形で、やはり毛のある萼片が目立ちます。
毛の生えた蝦はないそうですので、名をつけた人は毛蟹と取り違えたのか、あるいは形ではなく色だけのことかもしれません。

ヤマイバラ:山薔薇(あるところにはある)

2007-06-22 05:55:49 | 植物観察1日1題

高槻川久保渓谷を遡るに道すがら、高い木を覆うように咲いている白い花を見かけました。
距離が遠くはよくわからなかったのですが、今の時期よく見るツルアジサイ、イワガラミ、マタタビなどとはどう見ても様子が違います。
帰って、望遠で撮った何枚かの写真をよく見ると、バラ科特有の萼がある、大きい葉、枝先に白い花を10~20個集まってつける、花の直径は4~5cmと大きい、枝に棘があるなどでヤマイバラ:山薔薇(バラ科バラ属)とみたて、念のため詳しい友人にも確かめました。
図鑑に本州中部地方以西、四国、九州にまれに生えるつる性の落葉低木とあったのが少し気になったのですが、ある人から、見つけようと探してもなかなか見つからないものでも、あるところには結構あるものだと聞かされて納得しました。

コヒロハハナヤスリ:小広葉花鑢(変わったシダ)

2007-06-21 06:31:34 | 植物観察1日1題

水無瀬川の程近い若宮神社で見かけたコヒロハハナヤスリ:小広葉花鑢(ハナヤスリ科ハナヤスリ属)です。見かけ上だけでなく、菌類と共生しているなど、ふつうのシダ類とは、かけ離れた系統とされています。胞子穂が棒やすりに似ているので、花鑢の名前があります。
ある本では、村落近辺、なぜか墓地によく生えるとありました。ここは墓地ではありませんが、不思議なことに、石灯篭などの石造物の側にだけ生えていました。

アメリカキササゲ:亜米利加楸(ササゲには似ない花)

2007-06-20 06:58:10 | 植物観察1日1題

神戸市森林植物園に咲いていたアメリカキササゲ:亜米利加楸(ノウゼンカズラ科キササゲ属)です。
大きい葉に、大きい円錐花序をだし、漏斗状の花を多数つけている姿は、色こそ違え遠目には桐の花のようにも見えます。
北アメリカ原産で日本には明治時代に渡来した落葉高木です。6~7月、枝先に30cmほどの長い円錐花序をだし、長さ3cmほどの白い漏斗状に花を多数つけます。花冠の上部は5裂し、裂片のふちは縮れます。
秋、長さ30~40cm、幅5mmほどの線形の果をつけ、これがササゲに似ているということでキササゲの名があります。

アリマウマノスズクサ:有馬馬の鈴草(六甲の奇花)

2007-06-19 06:25:37 | 植物観察1日1題

神戸市森林植物園に自生するアリマウマノスズクサ:有馬馬の鈴草(ウマノスズクサ科ウマノスズクサ属)です。ウマノスズクサの名は、果実が馬の首にかける鈴のような形ということからきており、本種は六甲山地域にだけみられるので、牧野富太郎博士によりアリマの名がつけられたといいます。
サキソフォンに似た形の花が特徴的で、花弁がなく、萼片は筒状に合着したものです。筒状の花はウツボカズラに似ていて、中に落ち込んだ虫を逃がさない構造になっています。
ジャコウアゲハの食草としても知られています。

ヒョウタンボク:瓢箪木(赤い瓢箪)

2007-06-18 07:04:40 | 植物観察1日1題

庭のヒョウタンボク:瓢箪木(スイカズラ科スイカズラ属)が、赤い実をつけました。
果実が2個並んでヒョウタン形になるのでこの名があります。4~5月に、枝先の葉脇に長さ5~15mmの花柄をだし、2個ずつ花をつけます。この花がはじめ白色、のちに黄色になるので、金銀木ともいいます。この時季赤く熟す液果は、2個並んでつき、基部で合着します。2個の大きさは違いますがどちらも果実には違いなく、つぶしてみると大きいほうには多数の種子、小さいほうには僅かな種子が入っていました。きれい色ですがこの実は有毒で食べられません。


シロバナニガナ:白花苦菜(ニガナ③)

2007-06-17 07:14:51 | 植物観察1日1題

シロバナニガナは舌状花が白色のニガナの変種です。
ふつう舌状花が8~10個と、ニガナより多く、昨日のオオバナニガナに近いとされていますが、長野県で見かけた写真の花は、5弁でした。
シロバナニガナというよりは、単なるニガナの色変わりかもしれません。
おととい書いたように、この仲間は種類が多く、図鑑には、他にもノニガナやタカネニガナなどが載っています。