新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

ナガバモミジイチゴ:長葉紅葉苺(郷愁の甘い味)

2011-06-30 17:56:57 | お知らせ」

山道にナガバモミジイチゴ:長葉紅葉苺(バラ科キイチゴ属)が橙黄色の実をたくさんつけていました。
甘いものに不足していた戦時中、この実をおやつ代わりによく食べたものでした。田舎ではたしかホウロクイチゴとかいっていたのが、ナガバモミジイチゴという名だと知ったのは、植物観察に興味を持った近年のことでした。
口に含むと甘い果汁がひろがります。キイチゴでは気になる種子もさほどではなく、野生としてはかなり美味しい苺に属します。
本州中部地方以西、四国、九州に分布する落葉低木で、長さ5~7㎝の長卵形の葉身は切れこみのないものと3~5裂するものがあり、中央の裂片は特に長く、先がとがります。
4月ごろ直径約3㎝の白い長楕円の五弁花を下向きにつけます。
名前の由来は葉の中央の裂片が非常に長いことにより、中部地方以北に多くて、葉の中央の裂片がそれほど長くないモミジイチゴと区別されます。


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いつもご愛読ありがとうございます。
さきに、7月より(旧)「むかごの日記」で「新・むかごの日記」へ引っ越すむねお知らせしましたが、「新・むかごの日記」にはブログ内検索機能がなく、不便だとのご指摘を受けましたので、従来通り同一内容で二つのブログの併設を続けることとします。

「むかごの日記」は、CMがない、検索機能があるなどの利点がありますが、容量が小さい、写真が小さいなどの短所もあります。
一方当「新・むかごの日記」は、写真が大きい、容量が大きく過去ログがすべて表示される、などの利点がありますが、ブログ内検索機能がなく、CMが入るなどの短所もあります。

いづれかお好みのものを選んでいただき、引き続きご愛読のほどをお願いいたします。

むかご 拝


ホンモンジゴケ:本門寺コケ(毒を好むはなぜ?)

2011-06-29 14:08:33 | お知らせ」

大阪府島本町、木津川、宇治川、桂川が合流して淀川になる三川合流点を見下ろす場所に若山神社が鎮座します。
この本殿の銅葺きの屋根から雨だれがしたたり落ちるあたりに、濃い緑色のビロードの絨毯のように広がっているのは、ホンモンジゴケ:本門寺苔(蘚類センボンゴケ科)です。
東京池上、本門寺で発見されたことからこの名があるホンモンジゴケは、神社や寺院の銅葺きの下など銅成分を含む雨水が流れる場所に生える「銅苔」として知られています。
高濃度の銅は生物にとっては極めて有害であることはよく知られていますが、不思議なことにホンモンジゴケはわざわざそんなところを選んで生えているのです。
調査によると、ふつうの雨水に含まれている銅は001.Ppmなのに対して、銅屋根に降った雨水は1.2~6.3ppmと、ほとんどの動植物は生きていけない濃度であったといいます。
ホンモンジゴケがなぜ銅と結びついて生きているのかはまだ解明されていませんが、このほかにも高濃度重金属などを体内に蓄積する植物が知られています。
カナヤマソウ(金山草)とも呼ばれているシダのヘビノネゴザ、菱刈金鉱発見時話題になったヤブムラサキ(6月3日記事)、カドミウムを高濃度に蓄積するといわれるハクサンハタザオなど、世の中には不思議な生き方をする植物もおおいようです。


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イチョウウキゴケ:銀杏浮苔(水面に銀杏の模様)

2011-06-28 05:10:38 | お知らせ」

敦賀中池見湿原の田んぼにイチョウウキゴケ:銀杏浮苔(苔類ウキゴケ科)が浮いていました。
全国の田んぼ、池、沼、などにウキクサなどと一緒に浮遊します。近年非常に少なくなったといます。
名の通り銀杏の葉の形をしていて、体が半分以上に成長すると二つに分かれ増殖します。
普段は緑色だが、秋には赤紫色をおびます。雌雄同株で、胞子は夏から晩秋にかけて成熟しますが、胞子体を作ることはまれです。
同じように水上に浮遊する絶滅危惧種のアカウキクサや、外来種の進出が問題になっているオオアカウキクサはシダ類なのにウキクサの名がついていて紛らわしいのですが、イチョウウキゴケは、一見苔には見えないのにちゃんとコケの名がついています。


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新・旧「むかごの日記」併設のお知らせ

2011-06-27 16:35:18 | お知らせ」
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むかご 拝

アオウキクサ:青浮草(ちびでもよく増える)

2011-06-27 06:18:33 | 植物観察1日1題

昨日記事のウキクサより小さい葉状体を持つのがアオウキクサ:青浮草(ウキクサ科ウキクサ属)です。
葉状体の長さは3~6㎜の倒卵状楕円形で裏面は淡緑色、体の基部の左右から各1個の幼体をつぎつぎに側出、母体と連結して水平に群生します。根は1本です。
夏から初秋、葉状体の縁に雄蕊2、雌蕊1の花を一つつけます。ウキクサとちがいよく開花し、種子で越冬します。
体が小さいことからチビウキクサの別名があります。

ウキクサ:浮草(したたかな浮き草稼業)

2011-06-26 06:23:20 | 植物観察1日1題

田んぼにウキクサ:浮草(ウキクサ科ウキクサ属)がひろがり始めました。
浮草というと、一般には水に浮かんでいる草の総称で、転じて頼りなく不安定な状態、一つ所に落ち着かない生活のたとえに用いられますが、植物としてのウキクサの生活はなかなかどうしてたくましいものです。
ウキクサの葉のように見えるのは茎に当たり、葉状体と呼ばれ、長さ0.5~1㎝、幅4~8㎜の広卵形で、裏面は紫色をおびます。根は5~12本あり、基部から芽をだして増えるので、ふつう3~5個がつながっています。
種子植物の中では最も小さいものとされ、滅多にみられませんが、晩夏、葉状体の裏に花をつけます。
多年草に属し、秋に越冬芽をつくり、水底に沈んで冬を越し、春になると浮き上がって発芽します。このことからナキモノグサの別名があり、古名はカガミグサです。

ヒメビシ:姫菱(ヒシの小型版)6月25日

2011-06-25 07:42:24 | 植物観察1日1題

敦賀中池見の湿地にヒメビシ:姫菱(ヒシ科ヒシ属)が小さな花をつけていました。
本州、四国、九州に分布し、池や沼の水中に生える1年草で、茎は細長く、地中からのび、水深により長短があり、各節から羽状の根を出します。
葉柄の中部に空気の入った部分があり、これで水面に浮きます。
夏から秋にかけて、白から薄紅色の4弁の花を咲かせ、果実の棘は4個あります。
和名はヒシに比べて小さいからいいます。

ミズニラ:水韮(ニラとは遠い関係) 

2011-06-24 06:31:24 | 植物観察1日1題

敦賀市の中池見湿地にミズニラ:水韮(ミズニラ科ミズニラ属)がありました。
本州、四国、九州に分布、池、沼、水田などの底の泥に生える夏緑多年草です。
水辺に生えるニラのようなという名前で、見たところはただの草に見えますが、シダの仲間です。
葉は柔らかく、20~30cm、ニラのように扁平ではなく、断面は円柱を2つに割ったような形をしています。
夏から秋にかけて、葉の基部に大小2種類の胞子のうができます。
日本では数種類が知られていていますが、区別は難しいそうです。
中池見ではミズニラで名札がありました。ここでも珍しいのか、一角を縄で囲って大事にしていました。


シロウメモドキ:白梅擬    6月23日

2011-06-23 06:32:24 | 植物観察1日1題

今津平池でカキツバタを見たのち、敦賀の池川内へ回りました。
以前訪れた時(09年5月27日記事)は、カキツバタやサワオグルマがきれいでしたが、今回は時期が遅かったので見るべきものはあまりありませんでした。
僅かに木道沿いに白い小花をつけていたのが、シロウメモドキ:白梅擬(モチノキ科モチノキ属)でした。
湿地や湿った山中に生える落葉低木で、高さは2~3m、茎はよく分枝し若枝には毛があります。葉は互生し楕円形~卵状披針形で長さ4~8㎝になります。
雌雄異株で、初夏に咲く花は径約3㎜、写真は雄花で雌蕊が退化しています。
母種のウメモドキは、花が淡紫色で赤い果実を熟すのに対し、本種の花は白く、果実も菜4の通り白色です。

ハナヒリノキ:嚏の木(気の毒な名前) 

2011-06-22 12:02:08 | 植物観察1日1題

今津平池の近くに咲いていたのがハナヒリノキ:嚏の木(ツツジ科イワナンテン属)です。
この変わった名前は、葉の粉を吸うとくしゃみが出ることからきています。有毒植物で昔は葉を粉にしてウジの駆除をしたり、葉を煎じて家畜用の駆虫剤にしたそうです。
本州中部地方以北におおく、林の縁などに生える落葉低木で、高さは1~2m、葉は互生し長さ3~8㎝の長楕円形、葉、若枝、花序に細毛を密生します。
7~8月、枝先に5~15㎝の総状花序をつけ、淡緑色の壺形の花をつけます。
色も形も控えめのハナヒリノキの花、少々気の毒な気がする名前です。

バイケイソウ:梅草(近辺で初めて見た花) 

2011-06-21 06:31:54 | 植物観察1日1題



        3が基数のユリ科では変則の10弁花

今津平池のカキツバタの群落は素晴らしく、このところ毎年見に行っていますが、今年は春が遅かったためか、ずいぶん開花が遅れ、花つきもよくない感じで少しがっかりでした。
時期が遅れて逆に幸いしたのが、今まで見ることができなかったバイケイソウ:梅草(ユリ科シュロソウ属)の花が見えたことでした。
本州近畿以北、四国、九州の山地帯~亜高山帯の山地や湿った草地に生える大型の多年草で、茎の高さは1~1.5mになります。
7~8月、黄緑色~緑白色の径2㎝ほどの花を円錐状に多数つけます。ふつう頂枝に両性花、側枝に雄花がつきます。花茎、花柄、花被片の裏に白毛が密生します。
近辺では、金剛山、芦生などでも見かけることがありますが、5年に一度くらいしか開花しないという話もあって、滅多に花を見ることはありません。
花に臭気がり、根茎は猛毒です。このためかつてはシカなども食べなかったですが、どういうわけか最近食害が増えているそうです。
和名は、花が梅に似て、葉が蘭に似ているからといいます。

「むかご爺さんのカメラ歳時記」は、タイトルを「新・むかごの日記」に変えました。

タンナサワフタギ:耽羅沢蓋木(日本でもふつう)

2011-06-20 12:56:53 | 植物観察1日1題




京都大原野公園の入り口で白い小花を枝いっぱいにつけた木を見かけました。
サワフタギかタンナサワフタギかの区別は実の色を見れば、瑠璃色がサワ、黒がタンナですぐわかりますが、タンナは、葉の中央部が最も広く、先端は急に細くなって尾状に尖るなどの区別点だけでは、両者をならべて比較しない限り判定が難しいところです。
いずれかと迷ったまま、サワフタギが多いことで知られる今津の平池へいってみて、大原野で見たのはタンサワフタギ:耽羅沢蓋木(ハイノキ科ハイノキ属)だったことがわかりました。
関東以西、四国、九州および済州島の山地に分布する落葉低木ないし小高木で、高さは3~5m、枝は横に広がります。初夏、新しい枝先に長さ3~6㎝の花序をつけます。花をつけた木の全体を見るとそれほどでもない感じですが、近づいてよく見ると一つ一つの花はきれいなものです。
サワフタギ(澤蓋木)とは、枝が横に茂って澤をおおいかくすことからきており、タンナは耽羅で済州島の古名で、最初に発見された地名に基づくとされています。
2-3年まえ、済州島のハルラ山中腹でよく似た花を見かけ、ガイドに実は何色かと尋ねたら青というので、耽羅に咲いてもタンナサワフタギではないのかと思ったりしたことがあります。裏を返せば、済州島でなく日本でタンナサワフタギがふつうにみられるのも不思議はないといえます。

サワフタギの果実
タンナサワフタギの果実

オオバアサガラ:大葉麻殻(垂れ下がる白い花穂) 

2011-06-19 07:12:19 | 植物観察1日1題

実がついて熟すまでは時間が長いので、見る機会が多いのですが、花は期間が短く、見たいと思ってもなかなか機会に恵まれないことがあります。
山地の渓流沿いなどに生える落葉小高木のオオバアサガラ:大葉麻殻(エゴノキ科アサガラ属)もそんな木でした。
かねて見つけておいた(10年8月7日記事) 大原野公園の谷へ 6月の初めに入ったときは蕾が固くて引き返し、執念ねと妻に笑われながら2週間後やっと時間を見つけて、雨の中、増水した谷を長靴での渡渉を繰り返しながら会いに行ってきました。
初夏に咲く花は、新しい枝先に長さ10~20㎝の花序を垂れ下げ、花弁は5枚、雄蕊は10個で花冠より長く、雌蕊は1個で花柱は雄蕊よりさらに長くなります。細くて白い糸を束ねて垂らしたような形の花穂が風に揺れて、遠目にもそれとわかる風情です。
花は少し盛りを過ぎていましたが、念願かなっての出会いに大満足でした。

(タイトルを変更しています)

フェイジョア(花弁で鳥を呼ぶ) 

2011-06-18 06:07:16 | 植物観察1日1題

公園でフェイジョア(フトモモ科フェイジョア属)が花をつけていました。
熱帯性の果樹として入ってきましたが、果物としてだけではなく、赤い変わった花をつけるので、公園樹などにも使われています。
初夏に咲く花は、径4㎝ほどで、花弁は内側が赤褐色、外側が白色で分厚く、多数ある赤い雄蕊が非常に目立ちます。
原産地付近ではハチドリのような小鳥がこの花弁を食べるときに花粉を運ぶそうですが、日本ではほとんどがハチによる送粉がされているようです。
パイナップルとバナナの中間のような芳香があるという果実は、生食やジャムなどの加工品、果実酒などにされますが、それほどの人気はないのか、公園の木の下に落ちたままになっているのをよく見かけます。