新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

キクバヤマボクチ:菊葉山火口(ボクチは火口)

2007-10-31 07:02:53 | 植物観察1日1題

キクバヤマボクチ:菊葉山火口(キク科ヤマボクチ属)は、山地の草原や林縁に生える高さ0.7~1.0mの多年草です。葉は長さ15~20cmで、掌状に深く切れ込み、裏面に白い綿毛があります。
頭花は直径3.5cmほど、花冠は長さ2cmほどで、淡紫色まれに淡黄色を呈します。花時に横向きまたは下向きにつけた花は、終わると上向きになります。
和名のボクチは葉裏の白毛を火口に使ったことから、キクバは葉の形がキクに似ているところからきています。単にヤマボクチと呼ぶこともがあります。



シラヤマギク:白山菊(ムコナの名も)  

2007-10-30 07:15:03 | 植物観察1日1題

シラヤマギク:白山菊(キク科シオン属)山地の乾いた草地や道端などに普通に見られる高さ1~1.5mの多年草です。茎や葉の毛があってざらざらします。
8~10月、直径1.8~2.4cmで、白色の舌状花をもつ頭花をつけます。舌状花の数が少ないのが特徴です。
シラヤマギクの若苗はヨメナに対しムコナと呼ばれ食用にされます。昨日のヤマシロギクと今日のシラヤマギク、シロヨメナとヨメナとムコナなど単純なようでこれまたややこしいかぎりです。

ヤマシロギク:山白菊(ややこしい野菊)

2007-10-29 07:15:17 | 植物観察1日1題

ヤマシロギク:山白菊(キク科シオン属)は別名イナカギクともいい、日当たりのよい山地に生える高さ0.5~1mの多年草で、茎には白い軟毛が密生します。葉は長楕円披針形で縁にはまばらに鋸歯があり、先は次第に細くなって基部がやや茎を抱きます。
9~11月に咲く花は、頭花の直径約2cm、舌状花は白色です。(山渓ハンディ図鑑・野に咲く花による)
牧野図鑑ではヤマシロギク=シロヨメナで、イナカギクとは異なるとし、山渓図鑑では、ヤマシロギク=イナカギクで、ヤマシロギク(イナカギク)と別にシロヨメナを立てています。
山渓は“江戸時代の「草木図説」にでるヤマシロギクを牧野はシロヨメナと考えたが、北村四郎はイナカギクにあたるとしており、北村説に従った”としています。素朴な野の花ですがややこしいかぎりです。むかごは写真をヤマシロギクとしましたがもとより自信はありません。

テイショウソウ(凝った花のつくり)

2007-10-28 07:45:02 | 植物観察1日1題

テイショウソウ(キク科モミジハグマ属)は、山地に生える多年草で、高さ30~60cm、葉は茎の下部に集まってつき、卵状で大きいものは長さ15cmほどにもなります。
頭花は秋、20~30cmの花茎に総状に一方向に向かってつきます。
3個の小花からなり、花冠の長さ1.5~1.9cm、白色で細く長く5裂し線形になります。1小花に白色線形の裂片が5個ずつあるので、1頭花に15個の花びらがあるように見えます。雌蕊は1小花に1個あり、1頭花から3個の雌蕊が飛び出している形になります。
すこし時期が遅く、写真ではこの花の構造がよく見えないのが残念です。

イヌショウマ:犬升麻(役立たずのショウマ)

2007-10-27 05:55:33 | 植物観察1日1題

食用や薬になるサラシナショウマショウマに似ているが、役に立たないというのでイヌの名が付いた
イヌショウマ:犬升麻(キンポウゲ科サラシナショウマ属)は、山地のやや湿った林内に生える高さ60~80cmの多年草で、地下茎が発達し横にのびます。
根生葉は1~2回3出複葉、小葉はややかたくて掌状に裂け縁には不ぞろいな鋭い鋸歯があります。
花は白色で穂状に沢山つき、果弁と萼片は小さく、雄蕊は早く落ちます。サラシナショウマと異なり花には花柄がほとんどありません。

カラスノゴマ:烏の胡麻(カラスも食べない?)

2007-10-26 06:58:36 | 植物観察1日1題

種子をカラスの食べるゴマにたとえたというカラスノゴマ:烏の胡麻(シナノキ科カラスノゴマ属)ですが、この種子を烏が食べるという話は聞きません。
道端や畑などに生える高さ30~90cmの1年草で、茎や葉、萼などに星状毛があります。8~9月葉脇に黄色で直径1.5~1.8cmの花をつけます。花弁は5個、雄蕊は10~15個あり、その間に本当の雄蕊より長い仮雄蕊が5個突き出ます。
咲く果は長さ2.5~3.5cmで細長いですが、胡麻の実に似ているようでも、似ていないようでもあります。

アクシバ:(わからない漢字名)

2007-10-25 07:31:53 | 植物観察1日1題

名にそぐわない可愛い花として取り上げたアクシバ(ツツジ科スノキ属)(07年7月6日記事)が葉裏に真っ赤な実をつけています。
6~7月に、葉脇に1個ずつ独特の形の花を垂れ下げていたアクシバは、秋、直径7~8mmの真っ赤な球形の液果をつけます。薄甘くて食べられるとありますが、実際にはそれほどうまくはありません。
西日本に多いこの木の名前の由来は定かではありませんが、枝が青くて丈が低い雑木だから”青木柴”から転訛した説や、木を燃やした灰で灰汁をつくりアク抜きに用いたからなどの説があります。

アサマリンドウ:朝熊竜胆(アサマはアサマでも三重県生まれ) 

2007-10-24 06:52:40 | 植物観察1日1題

三重県の朝熊山(あさまやま)に多く見られたことからこの名がついているアサマリンドウ:朝熊竜胆
(リンドウ科リンドウ属)は、山地の林内に生える高さ10~25cmの多年草で、数個対生する葉は卵形または長楕円形で、中央脈が目立ち、すこし光沢があります。
秋に咲く花は青紫色で長さ4~5cm、5個の萼裂片が平開し、萼の間には小さい副片があります。花筒の内面や花冠に緑色の斑点がまばらにあります。
いま高槻“神峰山の森自然園”で沢山咲いています。茎が伸びたのもありますが、地上すれすれに一人前に花をつけている幼苗が可憐です。

アキギリ:秋桐(キバナは多いが…)

2007-10-23 07:01:09 | 植物観察1日1題

これも丹後半島世屋高原で見かけた花、アキギリ:秋桐(シソ科アキギリ属)です。
本州中部地方~近畿地方に分布し、山地の木陰に生える多年草で、茎は下部が地をはい上部は立ち上がって高さ20~30cmになります。対生する葉は長い柄があって葉身は3角状鉾形で長さ6~10ccm、鋸歯があります。
8~10月、枝先に紫色の唇形花が集まってつきます。花冠の内面に毛があってざらつき、萼は2唇形で毛があり垂れ下がります。雌蕊は長く花外へ突き出し、雄蕊は花内にあって見えません。
和名は秋に咲き、花の形がキリを思わせることによります。仲間のキバナアキギリは比較的よく見かけますが、アキギリは珍しいのか、普通の図鑑には載っていないことが多いようです。


ミヤマハハソ:深山柞(覚えやすい古語)

2007-10-22 07:33:42 | 植物観察1日1題

丹後半島世屋高原で見かけた黒い実の木、葉を見るとコナラそっくりです。ハハソコナラ、クヌギなどの古い呼び方で深山に生えるコナラのような木という意味です。同様にミヤマホウソの別名もあります。
ミヤマハハソは、葉こそコナラに似ていますが、それとはまったく異なる仲間のアワブキ科アワブキ属です。 
5~6月、垂れ下がった花穂に、淡黄色の小さい花をややまばらな円錐状につけます。 (07年6月12日記事)9~10月に黒く熟す果実は核果で、直径3~4mm、円錐状にまばらにつき垂れ下がります。この葉と実の取り合わせで見ると、この古風な名前も案外覚えやすい感じです。

ダイモンジソウ:大文字草(清楚な大の字)

2007-10-21 07:28:47 | 植物観察1日1題

丹後半島の世屋高原でダイモンジソウ:大文字クサ(ユキノシタ科ユキノシタ属)の群落に出会いました。大という字に似ている形の花が咲くのでこの名があります。
各地の低山帯から高山帯の湿った岩の割れめなどに生える多年草で、葉は通常腎円形で5~12浅裂しますが、葉の大きさや形に変化が多く、また花色についても様々な改良種が生み出されて、この時季園芸店の店先を賑わせています。
花期は7~10月、葉の間から高さ10~30cmの花茎をのばし、5弁の白い花を多数つけます。下部の2枚は長く、和名の由来になっています。
写真でみる葉の切れ込みの様子から、ダイモンジソウの変種であるウチワダイモンジソウかも知れません。

ミチヤナギ:道柳(目立たない花)

2007-10-18 06:29:46 | 植物観察1日1題

ミチヤナギ:道柳(タデ科タデ属)は、ニワヤナギともいい、葉がヤナギの葉に似ているところからkの名があります。
日本各地の道端や畑、荒地などに普通に生える1年草で、高さは10~40cm、茎は細い縦すじが目立ち、根元からよく分枝します。互生する葉は長さ2~3cmの線状披針形です。
5~10月、葉のつけ根に直径約5mmのごく小さい花を数個かたまってつけます。花弁はなく、緑色の萼は深く5裂し、縁は白またはピンクでふちどられます。

ツチアケビ:土木通(異様な果実)

2007-10-17 07:11:47 | 植物観察1日1題

奈良県の田舎、大きな樹の下の小さな祠の裏にツチアケビ(ラン科ツチアケビ属)が、色も形もウインナーソーセージそっくりの実をつけていました。
山地の樹林の中に生える多年草で、葉緑素を持たない腐生ランで、ナラ茸の菌糸と共生しています。
6~7月、茎の上部に黄褐色の花を多数つけます。
(07年7月4日記事)果実の長さは10cmほど、名前の由来はこの果実の形をアケビにみたてたものです。別名にヤマノカミノシャクジョウ、キツネノシャクジョウがあり、果実が茎の先から下垂する形を錫杖に見立てたものです。

ツルドクダミ:蔓蕺草(昔薬草、今雑草)

2007-10-16 07:23:46 | 植物観察1日1題

一見イタドリのような白い花をつけているのはツルドクダミ:蔓蕺草(タデ科タデ属)です。
中国原産で、塊根を漢方薬として用いるために享保5年(1720)に長崎を経由して日本へ渡来したと記録があるそうです。今では逸出・野生化し、関東以西の市街地などに生えています。
球状の塊茎から細い蔓を出し、よく分岐して他物の絡みつき伸びてゆきます。
秋に茎の先端に細かく分岐した花序をつけ、白色の5花被片の小さな花を多数つけます。
和名は葉がドクダミに似ていてつる植物からからきています。

タマスダレ:玉簾(残暑に涼やか)

2007-10-11 08:29:53 | 植物観察1日1題

庭の縁取りなどに植えられているタマスダレ:玉簾(ヒガンバナ科タマスダレ属)が真白い花をつけています。
南アメリカ原産で、明治初期にわが国に渡来したといわれます。観賞用として庭園に栽培される多年草で地下に鱗茎があります。葉は根生し、幅5mm、長さ20~30cm、肉厚で直立します。
7~9月、30cmほどの花茎をだし、先に白色の1花を上向きにつけます。6弁でよく開き雄蕊の黄色とよく似合っています。花は日陰や曇天では半開、陽光下では全開し、夜は閉じます。
耐寒、耐暑性があり栽培が容易で、あちこちの庭で見られます。
葉の集まった様を簾に、白い花を球に見立てたといいますが、すこし無理がありそうです。四季水仙の別名があります。