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9月中ごろ飛騨天生高原へ観察旅行した時の記録はシリーズで“むかご”の9月19日から10月3日まで掲載しましたが、一つだけ記事にできず心残りの植物がありました。
少しグループに遅れて、湿原のほとりでガイドが木の上を指して説明していた植物を見損なったことです。後から聞くと、ヤシャビシャク:夜叉柄杓(ユキノシタ科ズグリ属)という希少種で、図鑑でも、出会えたらとても幸運と書いている珍しい植物だったからです。
一月ほど後で同じ場所へ行った友人からその写真が送られてきました。ちゃんと歩いていたら自分もこの木を撮っていたはずと屁理屈をつけて、むかご”開設以来5年間で2度目の他人の写真を使わせてもらうことになりました。
落葉広葉樹の樹上や、老木上に生える落葉低木で、樹幹から垂れ下がり、長さ50~100cmになります。4~5月、短枝の先に淡緑白色の花弁状の萼片に包まれた小さい花をつけます。
果実は液果で、10~11月に熟し、直径7~10㎜、表面に針状の腺毛が残ります。
槙野図鑑では、夜叉柄杓の名は果実の形に基づくとありますが、夜叉はヤシャブシと同じで果実の表面が凸凹(この場合は腺毛)していることというのはわかるにしても、柄杓の形には見えません。ヒシャクは、ヒサゴでヒョウタンのことだとしている説もあるそうですから何とか納得です。