新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

ザゼンソウ:座禅草(寒行の僧)

2008-02-29 06:59:06 | 植物観察1日1題

28日、2年ぶりで近江今津のザゼンソウの群生地を訪れました。湖西道路に入ると両側の野山は真っ白、雪も降り出してスノータイヤを履いていないので冷や冷やのドライブでしたが、今津へ近づくころには太陽も出て、雪間のザゼンソウのイメージがいやがうえにも膨らみました。
ところが着いてみると雪が深すぎて、多くは埋もれてしまって見えません。それでも雪解けの水に咲く数少ないザゼンソウは、周囲の雪と調和して絶好の被写体となっていました。
サトイモ科ミズバショウ属のザゼンソウ:座禅草は、仏炎苞に包まれた花の形が、達磨大師が座禅を組む姿にそっくりなところからこの名がついたといわれ、別名もダルマソウです。
仲間のミズバショウより早く咲き、楕円状の黄色い花穂が暗紫色の仏炎苞に包まれ、花には悪臭があります。
雪の舞台装置も揃って、今津のザゼンソウは、片路100km超をドライブしただけの値打ちがありました。

カネノナルキ:金のなる木(なじめない名前)

2008-02-27 07:18:02 | 植物観察1日1題

カネノナルキ:金のなる木(ベンケイソウ科クラックス属)の花が咲いています。
栽培容易多肉植物で家庭でよく栽培されています。自分としてはあまり趣味のよくない名前でなじめませんが、花をよく見れば別名のフチベニベンケイのとおり薄紅色できれいなものです。
原産地は南アフリカ、低木で葉は多肉質、葉に斑の入る種類もあります。
カネノナルキの由来は、葉が丸くて厚いので硬貨に似ていることからきており、英語ではdollar plantというそうです。
園芸店では、新芽に5円玉の穴を通してお金が生っているようにして売っているとか、これまたあまりよい趣味とはいえません。

マルバアオダモ(予備でカバー)

2008-02-25 07:02:17 | 植物観察1日1題

4~5月新枝の先に円錐花序を出し、白い線形の花を多数つけるマルバアオダモ(モクセイ科トネリコ属)の特徴ある冬芽が膨らんでいます。
日当たりのよいところにふつうに生える落葉高木で、高さ5~15mになります。
冬芽の頂芽は長さ4~6mmの広卵形で頂生側芽を伴い、芽鱗は1~2対見え、微細な粉状毛におおわれます。
写真は、何かの事情で頂芽が欠け、両側にあった頂生側芽が発達し、さらにその両側に側芽がついたもの思われます。スペアーが生長し、その予備もちゃんと用意している周到さです。

サルナシ:猿梨(剥げ落ちる樹皮)

2008-02-23 08:37:37 | 植物観察1日1題

林の中に、茶色い樹皮が曲がって剥げ落ちている木がありました。
サルナシ:猿梨(マタタビ科マタタビ属)の太いつるです。山地の林内は林縁に生える落葉つる性木本です。キーウフルーツの原種とかで、果実は香りがよく生食のほか果実酒などにされます。
またつるが「祖谷のかずら橋」に使われていることでも知られています。
雌雄別株で、6月ごろ咲く花は06年6月5日に取り上げています。
別名のシラクチヅルの語源はよくわかりません。

イヌツゲ:犬黄楊(黒い実のモチノキ科) 

2008-02-21 06:54:42 | 植物観察1日1題

イヌツゲ:犬黄楊(モチノキ科モチノキ属)の黒い実が残っています。脇についているのは、側芽が約10mmの塊状に肥大した虫こぶ(イヌツゲタマバエ?)の残骸と思われます。
山地に生える常緑小高木で、刈り込みに強く生垣や植え込みに広く利用されています。
葉は互生し、長さ1.5cm~3cm、ふちに細かい鋸歯があります。雌雄別株で、花期は6~7月、葉のつけ根に黄白色の小さい花をつけます。果実は直径5~7mmの球形で、秋に黒く熟します。
モチノキ科の多くは赤い果実をつけますが、イヌツゲの果実は珍しく黒色です。ツゲ:黄楊(ツゲ科ツゲ属)に似て、材が役に立たないことからイヌツゲの名がありますが、庭木になったり、樹皮から鳥もちをとったりと結構利用されています。



カリン:花梨(春間近か)

2008-02-19 21:31:57 | 植物観察1日1題

公園のカリン:花梨(バラ科ボケ属)の特徴ある木肌が目立つ冬の日、なぜか黄色い大きい実がひとつだけ枝に残っていました。
枝先の冬芽が薄赤く色づいてわずかに開き始めています。近づいてよく見ると、開き始めた幼い葉芽の縁が、白い小さな点に縁取られて、なんだかバラの花のような形です。この小さい点は生長した葉の縁にある線状の鋸歯にあたるものと思われます。

サラソウジュ:沙羅双樹(釈迦入滅の臥所に)

2008-02-15 09:59:39 | 植物観察1日1題

お釈迦様は、BC383年の今日2月15日(旧暦)入滅されました。臥所の4方に2本ずつあった沙羅樹が涅槃に入ると時ならぬ白い花をつけ、うち1本が樹色白変して枯れたといいます。(異説あり)
サラソウジュ:沙羅双樹(フタバガキ科)で、インドの高地に生える高木で、わが国では温室以外では見られません。
日本のお寺などで、平家物語の沙羅双樹はこれですといっているのは、ツバキ科のシャラノキ(ナツツバキ)(06年7月1日記事)でまったく別の品種です。
釈迦にまつわる三聖樹、誕生時の無憂樹、悟りの時の菩提樹、涅槃の沙羅双樹はいずれもインド産の植物で、日本ではふつう育ちません。寺院などによくある菩提樹もこの沙羅双樹も仏典にでる木とはまったく異なる別種です。

バクチノキ:博打の木(身ぐるみ剥がされる)

2008-02-13 08:48:42 | 植物観察1日1題

樹皮が灰褐色で鱗片状剥がれ、その痕が紅黄色のまだら模様になる様子を、博打に負けて身ぐるみ脱がされるにたとえてこの名があるバクチノキ:博打の木は、なんとバラ科サクラ属で立派な桜の仲間です。その証しはよく見れば写真でもわかる葉のつけ根下の葉柄にある2つの蜜腺です。
主に暖地の海岸沿いに生える常緑高木で高さ10~15mになります。
9~10月白い小さな花を穂状に多数つけます。果実は長さ1.5cmほどで、緑色のまま冬を越し、初夏に黒く熟します。
ギャンブル好きが、おまじないにこの樹皮を持ち帰るそうですが、これでは賭け事に勝つのではなく負けて身ぐるみ剥がれると思うのですが。

ツノハシバミ:角榛(赤い衣で冬を耐える)

2008-02-11 08:55:21 | 植物観察1日1題

ツノハシバミ:角榛(カバノキ科ハシバミ属)の雄花序が伸びています。
山地に生える落葉低木で、ふつう高さは2~4mで株立ち状になります。秋につける堅果の果苞は長さ3~7cmで先が嘴状になるのでこの名があります。
枝の先にある冬芽は赤紫色の芽鱗に包まれてふくらんでいますが、たぶん雌花序が入っていると思われます。雌花序は芽鱗に包まれたまま赤い柱頭をのぞかせて開花します。雄花は雄花序の鱗のように見える苞の内側に1個ずつつきます。
仲間のハシバミと同様堅果は食べられるそうですがまだ味わったことがありません。

モチノキ:黐の木 (鳥もちつくりの)

2008-02-08 07:06:10 | 植物観察1日1題

モチノキ:黐の木(モチノキ科モチノキ属)の赤い実が木に残っていま、す。
樹皮から良質の鳥もちがとれるのでこの名があります。暖地に生える常緑高木で高さは10~20m。葉は互生し長さ5~8cmの長楕円形で、厚くて光沢があります。
雌雄別株で、花は4月ごろ、秋にこの仲間では大きい直径1cmほどの赤い実をつけます。
今の時期、もう雄株の前年枝の葉腋に花芽が固まってついています。
子供のときこの木の皮を細かく砕いて叩き、水に晒してねばねば分だけをとりだし、細い竹竿の先につけてメジロを捕ったものです。見つかったら警察に叱られるなどといいながら飼いましたが、なかなか慣れてもらえず、逃げようとして鳥かごの竹ヒゴの間で嘴の両側を傷めて長生きできませんでした。

ナギイカダ:梛筏・竹柏筏(赤い筏師)

2008-02-06 10:00:34 | 植物観察1日1題

晩春、小さいクリーム色の花を咲かせていたナギイカダ:梛筏・竹柏筏(ユリ科ナギイカダ属)(06年5月12日記事)の赤い実が残っています。
地中海~黒海沿岸原産の常緑小低木で、よく枝分かれして高さ20~100cmになります。
葉のように見えるのは枝が変化したもので、厚くてかたく、先は針状に尖っています。
花は小さく目立ちませんが、葉のように変形した枝の形が面白く、緑色を長く保つので、花材として用いられます。ナギイカダの名は知られていませんが、学名のルスカス(Ruscus)は花材としての流通名になっておりご婦人方にはおなじみです。

タチツボスミレ:立坪菫(春をつげる使者)

2008-02-03 09:11:48 | 植物観察1日1題

タチツボスミレ:立坪菫(スミレ科スミレ属)は、北海道から琉球まで、人家の周辺の道端から山地の林下までもっとも普通に生える有茎性の多年草です。花は春、葉とともに開き、花後は閉鎖花を多数つけます。
葉は長さ1~4cmのハート型で、葉のつけ根の托葉が櫛の歯状に細かく切れ込むのが特徴です。
花は直径1.5cm~2.5cmで、側弁の基部は無毛、距は細くて紅紫色です。
花の色は紫色に近いものから赤みの強いものなど変化が多く、多数の変種があります。
画像は薄紫色の花弁にピントをあわせてすこし写真的に撮ってみました。

わびすけ(つばき):侘助(椿)(侘びさびとは関係ない名?)

2008-02-01 08:52:36 | 植物観察1日1題

ツバキの仲間では葉も花も小ぶりで、半開きの花がつつましやかというので、茶花に愛用されているのはワビスケ(ツバキ):侘助(椿)(ツバキ科ツバキ属です。
この名は文禄・慶長の役(朝鮮出兵)のときに、侘助という人が持ち帰ったからといいます。
花期はやや早く、晩秋から咲き始めます。
いろいろ変種がありますが、概して雄芯筒が小さく雌蕊が突出し、葯は退化、子房に毛があり種子ができないものが多いといいます。