新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

カジイチゴ:梶苺(葉は大きくても実はふつう) 

2012-05-31 18:20:46 | 植物観察1日1題

カジイチゴ:梶苺(バラ科キイチゴ属)が、黄色い実をつけています。
本州関東から近畿までの太平洋岸や伊豆諸島など海岸地に生え、または人家の庭にも植栽される落葉低木で、高さ2mほどになります。
和名の梶苺は、葉の形がカジノキに似ていることからきているというのですが、木苺にしては葉が大きいにしても、葉の形や質感は、必ずしもカジノキの葉に似ているとは思えません。
若枝にとげがあり、葉柄、花序にある腺毛、軟毛も古くなるとなくなります。
花は晩春、径約3cmで、白い花を横向きに咲きます。
初夏に熟す黄色の果実は食べられますが、よそ様の庭のカジイチゴは味わうことができませんでした。

オオカワジシャ:大川萵苣(根絶やし難しい特定外来植物)

2012-05-30 09:31:42 | 植物観察1日1題
5月27日、いまではずいぶん珍しくなったカワジシャをとり上げました。
ところで、どこにでも見られる特定外来植物のオオカワジシャ(ゴマノハグサ科クワガタソウ属)をどう取り上げているのかと、過去ログを検索しましたが見当たりません。何回も写真を撮っているのに記事にしていないのは、どうやら、希少種のカワジシャをさておいて、オオカワジシャだけをとりあげる気持ちにならなかったようです。
そのオオカワジシャは、ヨーロッパ~アジア北部が原産で、南北アメリカ、アフリカ、オーストラリアなどに分布します。一年~多年生草本で、高さは0.3~1m、湖、沼、河川の岸辺、水田、湿地に生育します。近縁の在来種であるカワヂシャとの形態的違いは、鋸歯が不明瞭でほとんど全縁であること、花が鮮やかな青紫色であること、花穂が曲がって斜上することなどで、5月27日の写真と見比べてみるとよくわかります。
高槻市の芥川が、オオカワジシャの発生源流で、下流に流れついて生態系を乱しているという話があり、地元のボランティアグループにより毎年駆除作業が行われて、ずいぶん少なくなっているようです。
この写真は、その芥川右岸の畔のトンボ池で撮ったものですが、しっかりと残っていました。

ヤグラネギ:櫓葱(どこを食べる?) 

2012-05-29 09:55:39 | 植物観察1日1題
くにある薬科大学の薬草園見学の際、お土産としてもらったヤグラネギ:櫓葱(ユリ科ネギ属)の苗を、プランターに植えて見守りましたが、一向に櫓のような形にならないので、薬味にして食べてしまいました。
近くの畑の側を歩いていると、変わった形の葱があります。ヤグラネギとはこのことかとやっとわかりました。
ヤグラネギは、ネギの変種。晩春、茎を数十センチ伸ばして花を球状につけ、この花の幾つかが鱗茎に変わって子ネギとなって伸び、さらにその新芽を成長させるとその先頭に珠芽をつくり孫ネギができます。これが地上に倒れると根を出して繁殖します。
親子ネギ、二階ネギ 三階ネギなどの名もあるヤグラネギですが、ヤグラになる時期には茎は固くなって食用にならず、その脇芽として育つ新芽を食べるそうです。
長ネギより美味しいとか、不味いとか異なる評価があるそうですが、畑で見たヤグラネギは畝からはみ出て、そこいらじゅうに生えているといった風で、食用として重用されているようには見えませんでした。

カミツレ (大花園は自生) 

2012-05-28 21:12:22 | 植物観察1日1題

万博公園花の丘のポピー畑のあとが、こぼれ種による自生のカミツレ(キク科シカギク属)で一面覆われています。近づくとハーブの香がただよっていました。
カモミールとも呼ばれるヨーロッパ原産の1年草で、あちらでは古くから薬用として利用されてきました。乾燥した頭花に熱湯を注いだお茶は、鎮静、発汗、解熱などに効果があります。
秋に種をまくと春に大きな株に育ち、葉は糸のように切れ込みます。5~7月茎の先に、白色の舌状花、筒状花は黄色で丸く盛り上がります。
代表的なハーブというものの、これだけ繁茂したのを見ると、有り難さも薄れてきます。

カワジシャ:川萵苣(2文字で異なる希少種と有害種)

2012-05-27 08:53:21 | 植物観察1日1題

滋賀県安土の側溝でカワジシャ:川萵苣(ゴマノハグサ科クワガタソウ属)を見かけました。
外来の近縁種であるオオカワジシャはよく目にしますが、在来種のカワジシャを見るのは初めてでした。
川や溝のふち、たんぼのあぜなどに生える年草で、若葉がチシャに似ていて食用にされるのでこの名があります。
高さは10~50㎝、茎や葉は無毛で柔らかく、対生する葉は長さ4~8㎝の長楕円形で、ふちにやや尖った鋸歯があり、基部は茎を抱きます。
5~6月淡紫色のすじがある白い小さな花が穂になって咲きます。
カワジシャは、RDBで準絶滅危惧種に指定してされていますが、反対に2文字違いのオオカワジシャは特定外来生物に指定されています。
よく見るオオカワジシャだけを見ているあいだは、カワジシャとの区別点が、前者は鋸歯が不明瞭であること、花が鮮やかな青紫色であること、花柄が曲がって斜上することだと聞いてはいても、いまひとつ理解できてなかったのですが、実際にカワジシャを見て、その違いがわかり、気分もスッキリでした。

ツルウメモドキ:蔓梅擬(果実は目立つが)

2012-05-24 06:45:33 | 植物観察1日1題

ツルウメモドキ:蔓梅擬(ニシキギ科ツルウメモドキ属)の花が咲いています。
南千島から日本全土、朝鮮、中国の山野に分布するつる性の落葉高木で、茎は左巻きで長く延び、他物に絡みつき相当高いところまで上ります。
雌雄異株で、5~6月緑色の花をつけます。花は5数性で、花盤が発達し、雄しべは花盤上につき、雌しべは1個で花柱は3裂し、宿存します。(写真は雌花)
花は地味で目立ちませんが、秋、径7mmほどのさく果となり、黄色く熟し、果皮が割れると赤い仮種皮包まれた種子がのぞきます。(05年12月20日記事)黄色と赤橙色の取り合わせが美しく、長持ちするので、盆栽、生け花、クリスマスのリースなどに人気があります。実がついた野生の枝が結構高値で売られることも珍しくありません。

オキナグサ:翁草(白髪の老翁) 

2012-05-22 15:47:08 | 植物観察1日1題
以前はあぜ道などでよく見られたが、最近は激減して滅多にお目にかかれないというオキナグサ:翁草(キンポウゲ科オキナグサ属)(06年4月24日記事参照)
の、名前の由来という老翁の白髪のような、果期のオキナグサを見たのも、やはりある薬科大学の薬草園でした。
山野の日当たりのよい草地などに生える多年草で、花の頃は高さ10cmほど、花後に30cmくらいになります。全体に白い毛でおおわれていて、根元の葉は2回羽状複葉、茎につく葉は線状に切れ込んでいます。4~5月長さ3cmほどの花をつけますが、花弁はなく、暗赤紫色の6個の萼片が花びらに見えます。
花のあと、花茎は高さ30㎝くらいにのびて、羽毛の塊のような果実を密生してつけます。
寫眞は、頭のてっぺんが禿げたものの、周囲の白髪がきれいに長く伸びている、品ある老爺と見えていました。

(連休中ごろより体の不調がつづき、このブログもながらく投稿を中断していましたが、少しは気力も回復してきましたので、無理をしない程度に再開したいと思っています。
ご心配いただいた皆様方、ありがとうございました)

オランダフウロ:和蘭風露(林立する尖塔)

2012-05-05 20:01:15 | 植物観察1日1題

空き地にたくさんのオランダフウロ:和蘭風露(フウロソウ科フウロソウ属)が咲いていました。
ヨーロロッパ、南北アメリカ、中近東、ヨーロッパ、アジアなどに広く分布する越年生草本です。江戸時代末期の嘉永年間に観賞用に輸入されたといい、今では全国各地の道端や畑の周辺に散発的に見られます。
全体に白毛があり、茎は基部で分岐して横にひろがり、対生する葉は羽状複葉で、小葉は細かく裂けます。春、葉脇に長い花序を出し、直径5㎜ほどの淡紅色の5弁花を数個散生します。
面白いのは、長さ3~5cmの嘴状の果実です。さながらヨーロッパなどでよくみられる、林立する尖塔のようです。

ツリガネカズラ:釣鐘葛(カレーの匂いの) 

2012-05-02 18:19:10 | 植物観察1日1題

観察仲間と河川敷公園を歩いていて、帰り際カレーを食べに行こうというので、不審に思いながらついてゆくと、橙黄色の花をつけたつる植物のところへ連れてゆかれました。
どうやら高速道路の壁面などによく這い上がっている植物のようです。
アメリカ中南部原産のノウゼンカズラ科の蔓性低木で、 壁面緑化などの園芸用として栽培されています。茎で巻きつくだけではなく、巻きひげに吸盤を持っているため、巻き付くことができないような壁面にも這い上がることができます。葉は常緑性で対生する三出複葉で、頂小葉は巻きひげに変化しているため、小葉は二枚しかないように見えます。
4~5月、葉脇に集散花序をつけ、鐘状漏斗形で、花を多数開花します。花色は黄橙色で内側が褐色を帯びます。
花に独特の匂いがあり、日本ではこの匂いと花の色からカレーを連想して、カレーバインとかカレーカズラなどと呼ばれているそうです。
そういわれればカレーの匂いがするようですが、長く嗅いでいたい香りでもなさそうです。モカの匂いがするという人もいるそうですが、これまた本当のモカに怒られそうです。