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一度は見たいと思いながらも、野山へ出かけることが少ない時期に咲く花は、なかなか見る機会に恵まれないことがあります。昨年、桜のころに咲くのかと思って、わざわざ遠方へ見に行ったのに、散ってしまっていてがっかりしたフサザクラ(フサザクラ科フサザクラ属)もそんな一つです。
今年こそはと思って、3月末、昨年秋、一帯に多数の木を見ていた貴船川の上流を訪ねました。
山地の谷間など湿潤の好んで生える高さ8m位になる落葉高木で、早春、葉の出る前に開く花は、両性花で、がくも花冠もなく、垂れ下がる雄蕊が目立ちます。雄蕊は多数あり、葯は長さ7mmほどの線形で、白い糸状の花糸につきます。雌蕊は多数で、柄があり柱頭が広がります。果実は翼果で、10月頃褐色に熟し、風に乗って飛ばされます。(09年11月13日記事)
この花、どこかで見た気がすると思ったらフサザクラと類縁関係にあるというカツラでした。ただしカツラは対生、フサザクラは互生の違いがあります。
崩れやすい谷あいの崖地に好んで生えるフサザクラは、倒れた主幹から、直立して枝を立てる習性があります。厳しい生育環境とその影響に巧みに適応する知恵をもつ賢い木でもあります。
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花が房状なのはわかりますが、なぜサクラなのかわかりません。葉がクワに似ているので、タニグワの別名があります。