新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

シオデ:牛尾草(読めない漢名)

2007-08-31 06:10:38 | 植物観察1日1題

シオデ:牛尾草(ユリ科シオデ属)は、日本各地、台湾、朝鮮、中国など広く温帯に分布し、野原や山林のへりなどに生える多年草です。
葉柄の基部に巻きひげがあり、ほかのものにからんで伸びてゆきます。
雌雄異株で、花は夏、葉脇から散形花序をだし、淡黄色の小さな花をつけます。写真は雄花で、花被片は細く反り返っています。
和名はアイヌの方言シュウオンテからきているといい、牛尾草は漢名からきています。
若苗は山菜として食用にされます。

サジガンクビソウ:匙雁首草(複雑な雁首の辺り)

2007-08-30 08:46:04 | 植物観察1日1題

花の頃根生葉が消えているガンクビソウ(昨日の記事)にたいして、花時にも残る根生葉を匙に見立ててこの名があるサジガンクビソウ:匙雁首草(キク科ヤブタバコ属)は、やや乾いた山地や丘陵の木陰に生える高さ25~50cmの多年草です。
8~10月、枝先に緑白色の頭花を下向きに1個ずつつけます。
頭花は直径0.8~1.5cmで、総苞片は5列に並び、外片は内片より短く反り返ります。中片と内片は長楕円形で先はやや丸く、内片は緑白色を呈します。


ガンクビソウ:雁首草(キセルは消えても残る名)

2007-08-29 06:13:11 | 植物観察1日1題

茎の上部に横向きまたは下向きに黄色の頭花をつける形が、キセルの雁首に似ているところからこの名があるガンクビソウ:雁首草(キク科ヤブタバコ属)は、山地の木陰に生える多年草で、高さ30~150cm、上部でよく分枝します。根生葉は花期には消えています。
花は6~10月、頭花は直径6~8mmと小さく、基部の披針形の苞葉が2~4個輪生します。
刻み煙草がきえてしまったいま、雁首といってもわからない人が多くなったようです。

ツルマメ:蔓豆(大豆の原種?)

2007-08-28 06:48:37 | 植物観察1日1題

ツルマメ:蔓豆(マメ科ダイズ属)は、別名ノマメともいわれ、日当たりのよい野原や道端などに生えるつる性の1年草です。
茎はいろいろなものにからみついて長くのびます。葉は3出複葉で、小葉は長さ3~8cmの狭卵形~披針形で、8~9月葉の付け根に紅紫色の小さな蝶形花を3~4個つけます。豆果は長さ2~3cmで、大豆は、このツルマメを改良したのではないかといわれています。
ちなみに学名のsojaは「醤油の」という意味です。

トキリマメ(わからない名前の由来)

2007-08-27 07:40:43 | 植物観察1日1題

トキリマメ(マメ科タンキリマメ属)は、山野に生えるつる性の多年草で、タンキリマメによく似ていますが、タンキリマメの小葉の幅は中央より上がもっとも広いのに対し、トキリマメの葉はやや大きくて、下半部がもっとも広く、先が急に細くなっているので区別されます。
豆果はトキリマメのほうがすこし大きく、どちらも赤く熟すと2つに割れ、黒く光沢のある種子が顔を出します。別名はオオバタンキリマメとあります。


タマアジサイ:玉紫陽花(蕾で魅せる)

2007-08-26 06:28:06 | 植物観察1日1題

タマアジサイ:玉紫陽花(ユキノシタ科アジサイ属)山地の谷間や沢沿いに生える落葉低木で、花はふつうのアジサイよりすこし遅く、8~9月、枝先に薄紫色の両性花を多数つけ、その周りにつく直径2~3cmの装飾花には、花弁状に変化した白い萼片が3~5個あります。
涼やかに開いた花も悪くはないのですが、それより和名のもとになっている蕾がすてきです。開花前、花序が総苞に包まれて、球状をしているなかに、わずかに薄紫色を覗かせているのがなんとも愛嬌があります。

ホツツジ:穂躑躅 (遅咲きの躑躅)

2007-08-25 06:00:53 | 植物観察1日1題

丹後半島のすこし高いところを歩いていると、ホツツジ:穂躑躅(ツツジ科ホツツジ属)が咲いていました。
山地の日当たりのよいところに生える落葉低木で、よく枝分かれして高さ1~2mになります。
花は8月~9月円錐状につきます。わずかに紅色を帯びた白色で地味ですが、よく見れば3個の花弁がクルリと反り返って、その中から長く突き出て先端がやや上向きに曲がる雄蕊が目立ち、捨てたものでもありません。
和名は穂状に咲くツツジということですが、別名にヤマワラ(山藁)ヤマボウキ(山箒)があり、かつてはこの枝で箕や箒を作ったことからきています。

ヤマジノホトトギス:山路の杜鵑(基本は3×2)

2007-08-24 06:46:44 | 植物観察1日1題

山路を歩いているとよく出会い、花被片にある斑点をホトトギスの胸にある斑点に見立ててこの名があるヤマジノホトトギス:山路の杜鵑(ユリ科ホトトギス属)は、北海道から九州の山地に生える多年草です。
8~9月に咲く花は、雄から雌に性転換します。咲いたばかりの若い花では、雄蕊は花びらの上で花粉を出していますが、雌蕊はまだ花粉を受ける状態にはなっていません。花粉が蜂に持ち去られたころ雌蕊の先端が雄蕊を乗り越えるようにして降りてきて、他の花の花粉をもらうようになります。
花弁は細いのと太いのとの各3枚、雄蕊は6本あり葯は紅紫色で楕円形。雌蕊は花被片の上で3深裂し、裂片はさらに2浅裂して笠のように広がります。おなじみの花をじっくり観察するのも楽しいものです。

キョウチクトウ:夾竹桃(馬をも殺す)

2007-08-23 07:32:28 | 植物観察1日1題

少年時代に当時の人気作家佐藤紅緑の「夾竹桃の花咲けば」を読んだ記憶がありますがどんな話だったかまったく覚えていません。
花期が長く、サルスベリとならんで夏を代表するョウチクトウ:夾竹桃(キョウチクトウ科キョウチクトウ属)は、インド原産で江戸時代の中期に渡来したといわれる常緑の小低木で、観賞用として公園や庭に植栽されます。
和名は、細い葉が竹に似て、花が桃に似ていることからきていますが、花は白や黄、八重咲きもあります。
キョウチクトウ科の特徴として、花びらが回旋状にねじれています。花びらの中にあるレースのような飾りは、花びらの一部が変形した副花冠といわれるものです。よく見るとその中心部に毛糸の帽子のようなものが見えます。5本の雄蕊の先からのびた糸状の付属物が絡み合ったものです。原産地ではこの帽子をかいくぐって花粉を運ぶ昆虫がいるそうですが、日本にはいないので結実しにくいといいます。こうなると何のための綿帽子か分からなくなります。
茎を切ると出る乳液には強心性配糖体が含まれ、薬にもなりますが、葉や花も有毒で、道端で馬が食べて死んだという話があるくらいですからご用心です。

イネ:稲(露か涙か)

2007-08-22 07:20:12 | 植物観察1日1題

9月も近いというのに、残暑どころか、酷暑といいたいくらい暑い日が続いています。
朝の散歩道、出穂前の稲田も好天に恵まれて生育も順調のようです。
よく見るとイネ:稲(イネ科イネ属)の葉の先端などに白く光る露が見えます。
露が降りているのかと思って、辺りをよく見てみると、他の草木にはついていません。
どうやらこれはイネなどに見られる「溢水」といわれる現象のようです。
カンカン照りの日中、激しい蒸散で水分不足になった植物たちは、夕方から夜にかけてせっせと水分を体内に取り込みます。中にはイネのように頑張りすぎて、余分の水をはみ出すものがいて、朝、葉先から水滴を露のように滲み出しているのです。
ちなみに広辞苑によると「露」は、空気が冷えて露点に達し、大気中の水蒸気が地物の表面に凝結した水滴とあります。稲田に本当の露が降りる季節が待たれるしぶとい残暑です。

ウスユキソウ:薄雪草(被る薄雪)

2007-08-15 06:24:10 | 植物観察1日1題

頭花をかこむ葉が白い綿毛をつけるところが、薄く積もった雪のように見えることからこの名がある
ウスユキソウ:薄雪草(キク科ウスユキソウ属)は、本州、四国、九州の温帯から亜寒帯に分布し低山帯の岩のすき間や乾燥した礫地の生える多年草です。
花は夏から秋、茎頭に両面とも白い綿毛をかぶる包状葉が数個あり、その上に灰白色の頭花を数個集めてつけます。
アルプス山地などで有名なエーデルワイス(西洋薄雪草)と同じ仲間ですが、こちらは低山帯に生えるためかエーデルワイスほどは毛深くありません。文字通り薄雪です。


ムカゴトラノオ:零余虎の尾(ムカゴをつけるトラノオ)

2007-08-14 07:25:48 | 植物観察1日1題

八ヶ岳の麦草峠で見かけたこの草、関西でも見るイブキトラノオかと思いましたが、ヒュッテの主人はムカゴトラノオ:零余虎の尾(タデ科タデ属)と教えてくれました。
北半球の寒帯に広く分布し、本州中部地方以北、北海道の高山帯で、日当たりのよい岩石地に生える多年草です。夏、長さ5~10cmの花穂をつけ、下部はムカゴ(珠芽)になり、落ちると新苗になって繁殖します。

オニシモツケ:鬼下野(白い鬼)

2007-08-13 05:55:53 | 植物観察1日1題

オニシモツケ:鬼下野(バラ科シモツケソウ属)は本州、北海道、千島など温帯から寒帯に分布し、山地の谷沿いに生える多年草です。伊吹山で有名なシモツケソウに似ていますが、これより大形で高さは1~2mになります。葉は奇数羽状複葉で、頂小葉は特に大きく掌状に5裂します。花は7~8月、集散状散房花序に花を密集して開きます。花色はシモツケソウより淡く白から淡い紅色です。
草が大形なところからオニの名がついています。

エゾスズラン:蝦夷鈴蘭(似ているようでもあり・・・)

2007-08-12 07:11:09 | 植物観察1日1題

エゾスズラン:蝦夷鈴蘭(ラン科カキラン属)は、日本各地および千島、サハリンなどの亜高山帯に生える多年草で、高さ30~50cm、全株に細毛があります。
葉は細毛のためざらつく感じがあります。
花は夏、唇弁は前後2部に分かれ、外側は光沢があり、ともに紫細点があります。
和名は鈴蘭に似た花をつけ蝦夷地方に生えるということでしょう。別名もアオスズランですが、鈴蘭に似ているようでもあり、似ていないようでもありといったところです。

ウラジロヨウラク:裏白瓔珞(亜高山~高山帯に生育する小低木たち⑥)

2007-08-11 06:43:34 | 植物観察1日1題

ウラジロヨウラク:裏白瓔珞(ツツジ科ヨウラクツツジ属)は、ツリガネツツジともいわれる山地に生える落葉低木です。枝先に輪生状につく葉は、長さ3~6cmの倒卵形~卵状楕円形で、名のとおり裏面は緑白色です。5~6月に咲く花は、長さ1.5cmほどの筒型で、萼片はあまり目立ちません。瓔珞の名は花の形が仏像の珠玉の飾りに似ていることからきています。