新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

フクジュソウ:福寿草 (今年も行った)   

2011-03-05 09:08:16 | 植物観察1日1題

元日草ともいわれ、早春他の花に先駆けて咲くフクジュソウの自生地が、自宅から歩けるところにあり、毎年時期になると見にゆくことが恒例になっています。
3月3日、今年も春の雪が降る中ポンポン山へ見にゆきました。
全国各地に分布しますが西日本には少なく、また北のものほど花が大きく美しいといいます。雪を割って咲くフクジュソウに寄せる思いは北国の人々により強いのか、アイヌの人々の間のフクジュソウにまつわる下のような話が伝わっているといいます。

① アイヌの人々はフクジュソウのことをチライキナとかチライアパッポと呼ぶそうだ。チライは魚のイトウ、キナは草、アッポは花の意で、春の新鮮な食料になる大切な魚のイトウが姿を見せる季節を、雪の中に顔を出すフクジュソウの花で知ったという。
② アイヌの人々はフクジュソウをクナウ(またはクノウノン)とも呼ぶ。これは春の女神クノンにちなむ伝説からきている。クノンの父神は、娘が年頃になったので、その婿を探したとき、おめがねにかなったのが地中に大きな屋敷を持ち、金持ちだが醜いモグラの神であった。何よりも明るい太陽を好むクノンはこれをひどく嫌うけれども、父神には逆らえず、結婚式となったが、いつの間にかクノンは宴席から姿を消し、野原の草むらに姿を潜める。モグラの神は激怒し、クノンを野に生えるフクジュソウに姿を変えてしまったという。フクジュソウになったクノンは、太陽が昇ると今も花を開いて故郷の天を仰ぐのだという。
(しばらく休載します)

ザゼンソウ:座禅草(抜け駆けの戦略) 

2011-03-01 09:47:54 | 植物観察1日1題

このところ毎年春先になると、湖北の雪景色とともに、高島市今津町弘川のザゼンソウを見にゆくのが恒例になっています。
昨年の2月21日はちょうど花時でしたが、今年は豪雪で遅れているはずと思い、少し遅ら26日に行ってきました。
明日は地元のザゼンソウ祭りというその日は、自生地の雪はほとんど消えていましたが、多くのザゼンソウは黒紫色の仏炎苞を閉じたままか、わずかに顔を出した花穂もまだ蕾のままのものが大半で、今年の雪の多さを思わせてくれました。
ザゼンソウ:座禅草(サトイモ科ザゼンソウ属)は、仏像の光背に似た黒紫色の仏炎苞のなかにちんまりとおさまった黄色い花穂を、座禅を組む達磨大師のすがたに見立ててこの名があり、ダルマソウ:達磨草とも呼ばれます。
ミズバショウと同じ仲間ですが、開花時期は1月下旬から3月上旬とザゼンソウのほうが早くなっています。
開花する際に肉穂花序で発熱が生じ、約25℃まで昇温し、周囲の雪を溶かして、いち早く顔を出し、そのうえ花から強い悪臭を出して、この時期少ない虫を独占的に呼び寄せるための戦略をとっています。
悪臭があることから英語ではSukunk Cabbageという呼び名もあるというザゼンソウですが、無粋に悪臭を確かめることは遠慮して、雪解け水に影を落とすユーモラスな姿に、春の訪れを感じていました。