このところ毎年春先になると、湖北の雪景色とともに、高島市今津町弘川のザゼンソウを見にゆくのが恒例になっています。
昨年の2月21日はちょうど花時でしたが、今年は豪雪で遅れているはずと思い、少し遅ら26日に行ってきました。
明日は地元のザゼンソウ祭りというその日は、自生地の雪はほとんど消えていましたが、多くのザゼンソウは黒紫色の仏炎苞を閉じたままか、わずかに顔を出した花穂もまだ蕾のままのものが大半で、今年の雪の多さを思わせてくれました。
ザゼンソウ:座禅草(サトイモ科ザゼンソウ属)は、仏像の光背に似た黒紫色の仏炎苞のなかにちんまりとおさまった黄色い花穂を、座禅を組む達磨大師のすがたに見立ててこの名があり、ダルマソウ:達磨草とも呼ばれます。
ミズバショウと同じ仲間ですが、開花時期は1月下旬から3月上旬とザゼンソウのほうが早くなっています。
開花する際に肉穂花序で発熱が生じ、約25℃まで昇温し、周囲の雪を溶かして、いち早く顔を出し、そのうえ花から強い悪臭を出して、この時期少ない虫を独占的に呼び寄せるための戦略をとっています。
悪臭があることから英語ではSukunk Cabbageという呼び名もあるというザゼンソウですが、無粋に悪臭を確かめることは遠慮して、雪解け水に影を落とすユーモラスな姿に、春の訪れを感じていました。