新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

オリーブ(花は咲いたが)

2010-05-31 07:15:24 | 植物観察1日1題
JR高槻駅北口にあるオリーブ(モクセイ科オリーブ属)の街路樹に、実がなっていたのを記事に取り上げたのは、昨年秋でした。(09年10月27日記事)
どんな花が咲くのかと気になっていて、通るたび注意してみていたのですが、花をつけたのは、ごく少数の木だけでした。
花は直径6~7mmと小さく、白い花弁は4裂し、黄色い雄蕊が2個あります。
オリーブの花に蜜はなく、多量の花粉を風でとばす風媒花ですが、昆虫を媒介して受粉を行う虫媒花でもあるそうです。自家不和合性の品種が多く、実をつけるには受粉樹として異なる品種を近くに植える必要があるといいます。
昨秋写真を撮った、実のついていた木には、今年はまったく花がついていません。今年は裏年ということなのでしょうか。花をつけた僅かな木に果たして実がなるのか、気になることが続きます。


オーニソガラム (ベツレヘムの星)  

2010-05-30 07:20:49 | 植物観察1日1題

庭でオーニソガラム(ユリ科オーニソガラム属)の花が咲きました。
花弁の形が星のようだというので“スター オブ ベツレヘム”というちょっと気取った別名があり、名前を気に入った妻が植えたものです。
切花に向く丈の高いものから矮性種まで多くの品種があり、花色もいろいろです。
花は何日間か開閉を繰り返します。写真左は花粉を出していますが、写真右は咲き初めで雄蕊の葯はまだ開いていません。


オオバオオヤマレンゲ:大葉大山蓮華(雌性先熟)

2010-05-29 08:45:38 | 植物観察1日1題


裏庭のオオバオオヤマレンゲ:大葉大山蓮華(モクレン科モクレン属)が白い花を咲かせています。深山に自生するオオヤマレンゲの生育地は限られていて、オオヤマレンゲとして園芸店で売られているのは、たいていオオバオオヤマレンゲだそうです。オオヤマレンゲの雄蕊の葯は淡橙黄に対し、オオバオオヤマレンゲのそれは赤紫色なので区別されます。
花は3日ほど開閉を繰り返しますが、開花第Ⅰ日目(写真上)は花芯の先端にある雌蕊が柱頭を開いて花粉を受ける状態になり、2日目(写真下)になると柱頭を閉じ、代わりに雄蕊が開いて花粉を出すようになります。モクレン科に見られる雌性先熟という同花受粉を避ける仕組みです。
最近本種の発芽率が結構高いと聞きました。花後の姿が醜いのでいつも花殻を摘んでいましたが、ことしは残しておきたいと思っています。

コガクウツギ:小額空木(小さいガクウツギ)

2010-05-25 17:14:13 | 植物観察1日1題

コガクウツギ:小額空木(ユキノシタ科アジサイ属)の花が咲いています。
ガクウツギより全体に小形なのでこの名があります。
丘陵や低山に生える落葉低木で、葉は長さ3~5cmの長楕円形または倒卵形で、縁には粗い鋸歯がまばらにあります。
花期は5~7月、花序は直径2~7cm、装飾花は1~3個と少なく、白色、ときに淡黄色を帯びる萼片が3~4個、両性花は淡黄緑色で直径約8mmです。

ジャニンジン:蛇人参(おどろおどろしい名づけだが)

2010-05-24 07:07:07 | 植物観察1日1題

高槻川久保渓谷の道沿いにたくさんのジャニンジン:蛇人参(アブラナ科タネツケバナ属)が果実をつけていました。
山地の木陰や湿地に生える1年草または2年草で、葉をニンジンの葉に見立ててこの名がるといいます。牧野図鑑では難しく蛇胡羅萄の字を充てています。胡羅萄は中国で人参を意味するそうです。
高さは20~50cm、葉は互生し、奇数羽状複葉で7~17個の小葉を持ち、小葉はさらに深く切れ込みます。
3~6月、緑白色の小さな花をつけます。花弁は細くて小さく、ときには花弁を欠きます。
花後は、長さ3cmほどの果実がよく目立ちます。

ニガキ:苦木(早くも冬芽の準備)

2010-05-23 15:44:19 | 植物観察1日1題

樹皮や葉に強い苦味があり、健胃薬にもされるニガキ:苦木(ニガキ科ニガキ属)は、山野に生える落葉小低木で、長さ30~50cmの偶数羽状複葉を互生します。
春、新芽が展開したと見るまもなく、目立たない花がもう散ってしまいました。雌花序はいま、花盤の上に4~5個に分かれた緑色の子房を膨らましています。
新枝の先端を見ると、小さく膨らんだ赤いものが見えて、早くも来年開く冬芽(07年12月5日記事)の準備を始めていることがわかります。
夏の来る前から秋の種だけでなく春の新芽を用意する早手回しぶりです。

キソケイ:黄素馨(匂わないジャスミンの仲間) 

2010-05-22 06:48:16 | 植物観察1日1題

キソケイ:黄素馨(モクセイ科オウバイ属)が黄色い花をつけています。
ヒマラヤ北部からアフガニスタン原産の常緑低木で、日本では鑑賞用に栽培されていす。
枝は緑色で稜があり、葉は羽状複葉で互生、小葉は3~7個の長楕円形です。
5~7月ごろ、新枝の先に散房状花序をつけ、8~20個の鮮黄色の花をつけます。細長い花筒の先は5裂して平開し、花径は3cm足らずになります。
ジャスミンの仲間ですがあまり香りはありません。
和名は黄色いソケイということですが、そのもとになったソケイは白色で上部は4裂または5裂し、芳香があるので香水の原料にすることがあります。漢名の素馨は中国の美人の名前だそうです。

ウラジロウウギ:裏白空木(白い葉裏で分かる)

2010-05-21 08:51:03 | 植物観察1日1題

JR高槻駅北口の小公園に高槻市民の花「卯の花」と銘版があり、咲いていた花は「卯の花」(ウツギ)とは時期も様子も少し違っていました。
咲いていたのはどうやら同じ仲間ではあってもウラジロウウギ:裏白空木(ユキノシタ科ウツギ属)と見ました。市の表玄関での間違いには首をかしげます。
そのウラジロウウギが、今、市内川久保渓谷で花盛りです。
本州長野県以西から近畿・四国の山野に生える落葉低木でよく分枝し細く、若枝、葉、花序、さく果に星状毛を密生し、葉裏が白く見えます。
花期はウツギよりすこし早く、枝先に総状の円錐花序につき、白色の花をやや下向きにつけます。

エニシダ:金雀枝・金雀児(名前の由来は欧州語)

2010-05-20 06:12:35 | 植物観察1日1題
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エニシダ:金雀枝・金雀児(マメ科エニシダ属)が金色の花を一面につけています。
観賞用として庭に植栽される落葉低木で、ヨーロッパ原産で延宝年間に(1673~81)に中国を経由して渡来しました。高さは1~3mで、よく分枝し弓状に曲がります。枝は濃緑色で落葉しても常緑のように見えます。葉は3小葉ですが退化して1小葉もあります。
花は初夏、前年枝の葉腋に1~3個の濃い黄色の花をつけます。基本種と交雑して多くの園芸品種が生まれています。
雄蕊の基部をつつくと、ヒイラギナンテンのように、花糸が反応し葯が動く傾震運動をします。
和名はかつて本種が属していたヒトツバエニシダ属(Genista.L)のオランダ読みに由来するといいます。これに金雀枝・金雀児の漢字を当てたのはなかなかの発想です。
枝はほうきに、種子は強心薬になります。

モッコウバラ:木香薔薇(香る薔薇の元祖)

2010-05-19 17:05:34 | 植物観察1日1題
カーポートの入り口に這わしているモッコウバラ:木香薔薇(バラ科バラ属)の花の盛りが過ぎようとしています。中国西南部の原産で、享保年間(1720頃)に渡来しました。
つる状になって分枝し、長さ4~6mになり、棘も毛もありません。
晩春、若葉とともに開き、枝先に散房花序だし、小花柄を持った直径約2~3cmの八重咲きで黄色または白色の花をつけます。黄花は匂いませんが、白花は香気が強く、昔、西洋に渡って香りのあるバラの品種改良の母種になったと伝わります。
図鑑ではモッコウバラとして黄花、白花はシロモッコウバラと呼ぶとしているのもあります。確かに一昔前はモッコウバラというと黄花が多かったようですが、このごろは園芸店でも白花が増えているようです。




ヤグルマソウ:矢車草(啄木のとは違う矢車草)

2010-05-18 06:25:40 | 植物観察1日1題

ヤグルマソウ:矢車草(ユキノシタ科ヤグルマソウ属)の花が咲いています。
各地の低山帯から亜高山帯の日の射し込む林内や谷間に生え、外国では栽培もされている多年草で、高さ1mくらいになります。
小葉5個の大型の掌状複葉で、長い柄があり、大型のものでは径80cmほどもあって、先のほうは浅く切れ込み、裂片は鋭く尖ります。この形が端午の節句の鯉のぼりの上につける矢車に似ていることから矢車草の名があります。
初夏、茎の先に小さな白い花を円錐状にたくさんつけます。花には花弁はなく、花弁状の萼片が5個あります。
啄木の「函館の青柳町こそかなしけれ 友の恋歌矢ぐるまの花」は、このヤグルマソウではなく、キク科のヤグルマギクですが、園芸店では同じヤグルマソウの名で売られており、一般には矢車草といえばこのヤグルマギクのことと思われているようです

チョウジソウ:丁字(子)草(丁の字の花) 

2010-05-16 16:07:25 | 植物観察1日1題

庭でチョウジソウ:丁子草(キョウチクトウ科チョウジソウ属が咲きました。
園芸花としておなじみですが、わが国から朝鮮、中国まで分布する多年草で、地下茎は横にはい、直立する茎は高さ60cm内外、茎の上部でいくらか分枝します。
5月、茎頭に淡青色から淡紫青色の花を集散花序につけます。花冠は5裂し、基部は花筒になります。
チョウジの名は、横から見た花の形が丁という字に似ていることから、あるいはフトモモ科のチョウジの花に似ているからだそうですから、香りではなく形からきた名前のようです。


マルバウツギ:丸葉空木(ウツギより美しい)

2010-05-15 08:09:00 | 植物観察1日1題

瀧谷不動尊近くのハイキングコースを歩くと、道端にマルバウツギ:丸葉空木(ユキノシタ科ウツギ属)の花が続いていました。
ウツギ(卯の花)より少し早く開花するマルバウツギですが、近辺でこれほど群れを成して咲くのも珍しい感じです。
4~5月、枝先に円錐花序をだし、白い花を上向きにつけます。花弁は5個で長さ7~11mmの長楕円形です。花弁がほぼ平開するので,オレンジ色の花盤がよく目立ちます。
名前の由来になっている卵形の葉は、対生し、縁に浅い鋸歯があり、両面とも星状毛がありざらつきます。


セイヨウミザクラ:西洋実桜(街中のサクランボ)

2010-05-14 06:28:33 | 植物観察1日1題

昨日のヒトツバタゴのすぐ近くに、おなじく市バスの窓から気になっていた木がありました。
遠目にはなにやら赤い花が咲いているように見えます。ヒトツバタゴの花を撮りに途中下車したついでに、立ち寄りました。近づくと、花と見えたのはさくらんぼでした。ちょうどその家の奥さんが実を摘んでいたので声をかけて、写真を撮らしてもらいました。なんでも10年ほど前に園芸店で買った苗を植えておいたらいつの間にか大きくなって毎年大量のサクランボをつけるようになったそうです。
サクランボは、西アジアからヨーロッパ東部原産のセイヨウミザクラ:西洋実桜(バラ科サクラ属)から改良された栽培品種で、世界各国で気候風土に適した品種が作られています。
「佐藤錦」で知られる大粒で美しく甘くて人気がある国産のサクランボは山形を中心に北日本で栽培されています。
ふつう果物の果柄は不要なものとして捨てられますが、サクランボだけは柄つきでないと格好がつきません。なんでも柄がいつまでもしっかり付くように改良されていると聞きます。
写真を撮っていると、奥さんがサクランボを持って帰れとおっしゃるので少し頂いて帰りました。大きさも甘みも佐藤錦には及びませんが、ちゃんとサクランボの味でした。

ヒトツバタゴ:(ナンジャモンジャ)

2010-05-12 18:26:59 | 植物観察1日1題

バス道に面した小さい造園業者の庭の隅にあるヒトツバタゴ:別名なんじゃもんじゃ(モクセイ科ヒトツバタゴ属)は、いつも気になる木でした。小振りの木ですが、昨年までちゃんと枝を広げていたのに、今年初めに見ると枝が払われて丸坊主になっていました。花はどうなるかと心配していましたが、残された小枝に立派に花が咲きました。
この木、それほどの変哲があるとも思えませんが、別名がナンジャモンジャで何かありがたいことがあると思うのか、花の時期になると植物好きの間では、どこそこで咲いているなどの話題がかわされますし、海岸沿いに何千本ものヒトツバタゴの白い花が咲くのでウミテラシともいわれている対馬まで見に行くグループもあるほどです。
標準名のヒトツバタゴも変わった名前で、タゴと呼ばれる同じモクセイ科のトネリコに似て、葉が1枚の単葉ということから来ています。
モクセイ科ですが、香りはありません。雌雄異株だそうですが、この写真の木は一本なのに、立派に実をつけます。(09年2月4日記事)これも植物の持つ融通性ということでしょうか。