新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

お札になる木の花

2005-03-31 06:00:27 | 植物観察1日1題
枝が一年ごとに三叉、三叉と分枝してゆくのでこの名がついたミツマタ(三叉、三椏、漢名は黄瑞香)は、ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属で、コウゾ、ガンピなどとともに紙幣など高級和紙の原料としても知られています。ジンチョウゲ科のこのミツマタは、いま、葉より早く、外が白く内側が黄色の花を下向につけて、かすかに芳香を放っています。花弁はなく、黄色い筒状の萼が30個ほど集まって一つの花をなしています。
黄色い花を賞でて、センンリョウ、マンリョウなどとともに縁起木としても愛好されます。
栽培種が野生化して野山でも見られるようになっているそうです。この写真は3月27日万博公園の水車小屋の近くで撮ったものですが、京都、哲学の路の疎水のほとりに櫻とともに咲く三椏もいい感じです。


行李にならないコリヤナギ

2005-03-30 07:27:13 | 植物観察1日1題
ヤナギ科ヤナギ属ノイヌコリヤナギは犬行李柳と書きます。イヌの名がつく草木は、イヌマキ、イヌツゲ、イヌビワ、イヌシデなど似て非なるもの、役に立たないものを意味することが多いのですが、この木も柳行李にするコリヤナギに似るが、役に立たないという意だそうです。若葉、成葉、紅葉いずれも美しく、斑入りもあって、園芸のほうでは「白露錦」という名で珍重されているようです。
本名と別名の感じの違いの大きさは、なにやら有名タレントのそれみたいです。
雌雄異株、葉より早く尾状の花序を出します。

小さな草花フラサバソウ

2005-03-29 07:27:12 | 植物観察1日1題
このオオイヌノフグリを小型にしたような小さな花フラサバソウ(ゴマノハグサ科クワガタソウ属)は、珍しく二人のフランス人の名前から名づけられたそうです。
明治のはじめごろ、長崎で採集したフランス人FranchetとSavatieの名を記念して命名されたのです。
このヨーロッパ原産の小さな花を日本で見つけてこのフランス人たちは、oh la la! petit fleur. tres bien!などと言ったかどうかはわかりません。
オオイヌノフグリよりもっと小さい花冠は4裂し、がくには毛が目立ちます。花びらは基部で合着する合弁花です。
あまり知られていないこの小さな花、最近増えているということも聞きますが、大きな目を開けて足元を探さないとなかなか見つからないようです。

満開サクランボの花

2005-03-28 07:25:45 | 植物観察1日1題
万博公園の片隅にサクランボの花が満開です。
白い色なので梅かと思って近づいたらサクランボでした。
つぼみは薄紅色ですが、開くとほとんど白色です。
メジロがたくさん来てしきりに蜜を吸っていました。夏にはちゃんと実をつけるそうですが、人気で高価な「佐藤錦」かどうかは表示がありませんでした。
Le temps des cerises(さくらんぼの実るころ:イヴ モンタン)にもう一度いってみましょう。

雄雌異株のヤマモモ

2005-03-27 07:12:28 | 植物観察1日1題
公園を歩いていると、枝先に赤い実のようなものをびっしりつけている常緑樹を見かけました。この時期実は珍しいと近づいてみるとヤマモモ(山桃、楊梅)の雄花の蕾でした。山桃は、雄雌異株ですから近くに雌木がないかと探しましたが見つかりませんでした。
4cmほどの穂状になる雄花に対し、雌花は1cmくらいで直立するそうです。
子供のとき、6月ごろに赤く熟する実を塩水で洗って食べた記憶がよみがえります。
後年、高級料亭のデザートに出てきて驚いたことがあります。器は凝ったものでしたが
味は子供のときのそれにはかないませんでした。

キウリのにおいキウリグサ

2005-03-26 07:12:08 | 植物観察1日1題
いつぞや、信州の農家で農作業体験をしていたとき、そこの奥さんに畑に小さい可愛い花が咲いているけど名前を知らないかと聞かれました。
どれどれと行ったのはよかったのですが、知らない花でした。でもしばらく見ていると、確かどこかでよく似た花を見たのを思い出しました。毎年庭に咲くワスレナグサ(勿忘草)です。早速図鑑を開いてワスレナグサを引いてみると、その隣にそのものずばりこの草がありました。
それがキウリグサです。葉っぱを揉むとキウリの匂いがするとあります。粋な勿忘草とは違って即物的な名前ですからすぐ覚えました。
この春、近所を探し回ってやっと農家の土蔵の軒下で見つけました。薄い空色で中心が黄色の2mmほどの小さい花は健気に咲いていました。
葉と茎をとり揉んで嗅いで見ると確かにキウリの匂いがしました。

”庭のサンシュの木・・・”は何の木?

2005-03-25 06:58:07 | 植物観察1日1題
家の前のサンシュユが咲いています。早春葉に先立って4個の苞葉に包まれた蕾から30~40個の黄色い十字花弁の花をひらき、木全体が黄色の霞になります。
“サンシュ”が咲いたと友人に知らせたら、植物に詳しいその人から正しくはサンシュユ(山茱萸)と教えられました。
宮崎、椎葉の稗搗節「庭の゛サンシュ゛の木 鳴る鈴かけてヨ‐」のサンシュは、この花とばっかり思い込んでいた私は気になって、岩波文庫の日本民謡集(昭和35年刊)で見ますと、「山椒」とあって”さんしゅ”と振りがなをしています。稗搗節の”さんしゅ”は山椒なのか山茱萸なのか、疑問は深まり、ネットを当たるとちゃんとありました。(ろまりんの日記サンです)それによると、発祥の地の椎葉村のHPでは、歌詞は山椒になっていること、村の木が山椒であることなどから、どうやら山茱萸ではなく山椒が正しいようです。
でもこれだけ多くの人に歌い継がれてきた唄だからどちらが正しいかを問題にするのではなく、それぞれのイメージで唄えばいいとの記事にほっとしました。 
私の心の中の”さんしゅ”は、事実を知った後もずっと早春の花”サンシュユ”です。

ナズナとぺんぺん草

2005-03-24 07:37:35 | 植物観察1日1題
春の七草でおなじみのナズナ、春になって茎をぐんぐん伸ばし、その頂に十字花を房のようにつけています。花は下から順々に咲きあがるので、下のほうではもう平べったい三角形の実をつけています。この実が三味線の撥(バチ)に似ているのでペンペングサの名がついたそうです。
この写真を撮っているとき、通りがかりの幼女連れのお母さんが、茎を振るとかすかな音がするのでペンペングサというのだと子供のときから思い込んでいたと話していました。なるほど、もしかしたらこのほうが正しいかもしれません。
我が家では七草粥には、何がなくてもナズナだけは欠かせないと、毎年摘みに出ます。
このときのナズナというやさしい語感と、戦後まもなく、川鉄の千葉の新工場建設に反対して時の日銀総裁が、「やるならやれ、ぺんぺん草を生やしてやる」とおどしたときの荒廃地に咲くこの花の語感とはどうしても一致しません。
“よく見ればぺんぺん草咲く垣根かな”ではサマになりません。ナズナにはなずなが似合うようです。

タネツケバナ

2005-03-23 07:07:28 | 植物観察1日1題
昔はこの花の咲くころ、イネの種(籾)を水に漬け、田の準備をしたといわれるタネツケバナ。冬から春にかけ小さく白い花をつけます。
水田跡や畦に多いですが、いまは空き地や道端にも普通に見られます。ふだん余りかえり見られないこの花も、近づいてみると結構可憐なものです。
アブラナ科に属し、あまり聞きませんが、ひたし、あえものとして食するとあります。
写真は、水田の溝の付近で撮ったもので、正しくはミズタネツケバナかも知れません。

“クリスマス”ローズは春に咲く

2005-03-22 07:28:17 | 植物観察1日1題
クリスマスローズは、最近ちょっとしたブームで、園芸店の店先にはいろいろな改良種が並んでいます。
我が家の庭にも何種類かのクリスマスローズが咲いています。
でも、本当の“クリスマス”ローズは、12月から咲き始めますが、今咲いているものの多くは、正しくは、”春咲き”クリスマスローズといわれるもので、クリスマスには絶対に咲きません。
直径5~6cmの花と見えるのは、実は5枚の萼です。よく見れば、萼とオシベのあいだに退化した花弁が見えるはずです。

花粉症人体実験

2005-03-21 09:36:36 | 植物観察1日1題
山でスギの枝先をほんの少しカットして持ち帰り、雄花の花粉嚢を写真に撮ったあと、すこち振ってみると、僅か何粒かの袋から、びっくりするほどの大量のスギ花粉が飛び散りました。しまったと思いましたが、後の祭り。数分して、連続くしゃみ、鼻水、目のかゆみと典型的な花粉症状が出ました。お陰で何十年も悩まされてきたアレルギー症状は間違いなくスギ花粉症ということが分かりました。医者にはかからず、自己診断で決めていたことが図らずも人体実験で証明された次第です。
戦後直ぐの造林政策で植えられた全国の杉林の多くは、外材の進出、人手不足などで、手入れも不十分なまま放置され、成木になった現在、大量の花粉を振りまいて厄介者になっています。
林野庁などでは、花粉の少ない品種を研究しているそうですが、効果が出るのは何十年も先でしょうから、何千万人かの苦しみは直ぐには解消できそうもありません。

マメヅタの胞子のう

2005-03-20 07:15:23 | 植物観察1日1題
マメヅタは、何処にでも見られる、岩や古木の樹にまつわりついている、小さい小判型の葉をもつ、つる性の植物です。
ツタの名がついていますが、シダの仲間です、細長い根茎の所々に長さ1cmほどの楕円形の葉をつけます。
川久保渓谷(高槻市)で見かけたマメツタは、葉裏にびっしり茶色の胞子嚢(のう)をつけていました。誰に振り返ってもらうわけでもない小さなシダですが、春に向けて、懸命に生き物としての営みをしています。

リョウブの林

2005-03-19 08:13:38 | 植物観察1日1題
ポンポン山西山稜、芽生え前の明るい林中で、一際目立つ木肌のリョウブの群生を見かけました。褐色の樹皮は滑らかではげやすく、独特の木肌ですから、花や葉のない季節でも直ぐ名前が分かる木です。
リョウブは令法という字が当てられています。古来若葉を湯がいて飯に刻み込むリョウブ飯に、乾葉は、備蓄して飢饉に供えたので、領主がみだりに取ることを禁じたことから、法令→令法→リョウブとなったといわれています。夏、白い房状の花をつけます。

謎の天皇陵の行方(1)

2005-03-17 22:38:21 | 植物観察1日1題
高槻市にある、今城塚古墳は、淀川流域で最大級の前方後円墳で、真の継体天皇(第26代531年没)の陵墓との説が有力です。
過去8回に及ぶ発掘調査で、古代の謎が解き明かされつつあります。市では、この調査結果を踏まえ、7ケ年計画で復元整備を進め史跡公園を造る予定です。
現在今城塚の森は、写真のように、コナラ、クヌギ、アラカシなどの高木が優勢で、林床、
低木、稚樹が乏しく、樹林としては貧相を呈しています。
これはおそらく、市の管理になって以来、高木の伐採がなされず、逆に、低い空間では、管理上低木を刈り取ったり、あるいは人間が自由に立ち入るため踏み荒らしたためだと考えられます。
市では自然との調和を図りながら整備してゆくとしていますが、今城塚の樹林を、どういう形で、保存、管理されてゆくのか気になるところです。