まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

アユの甘露煮

2019-03-05 | 弓道

称号者の部は激戦だよと言われる。2射皆中はぞくぞく続き、称号者200名ほどの参加で、27名の通過だったように思う。はっきり分からないのは、わたしは10番目で、控えの椅子に座って待たされていたのでもっと増えていたかもしれない。待ち時間は長く感じられた。でも、もう1本引けることが嬉しかった。K先生も通過したので良かった。大前で先頭になって歩くことが、いつになく誇らしかった。審判席の先生方が視界に入るので、自信のない動作だけはしないでおこう。ちょっとくらい変でも背筋を伸ばして。1本ずつ引いては退場する。外れても5人以上的中するまで待つようにと言われた。大前は競射の時には有利だ。ひたすら自分の1本を素直に引けばいいのだ。会は早かったが、妻手がひゅんと飛んだ。反対側で的に音がした。退場後、ほんとうに中ったのか半信半疑で振り返ると看的に〇が出た。やたら喉が渇いた。お茶と紙コップが退場口にあって係員用だと思ったが、こっそり一口飲んだ。山では喉が渇いたら命とりだ。ここは山ではないが、山場ではある。

何人残ったのか分からないまま2度目の行射。ガシッとたたく音がしたので、外れたかと思ったら、ラッキーなことに看的に〇の表示。実は夫の帯を自分の帯の長さに切って、初めて今日それを締めてきた。今さら父ちゃんに助けを求めたりはしない。しかし、緊張が増すごとにその帯を意識した。それは丹田を意識することでもあった。8名に絞られた。ランナーズハイではないが、このあたりになると、たんたんと引いていくしかないなと思った。中りはずれは神様にお任せしよう。道場に入るたびに快感と緊張だ。長い間そういう感じを味わっていなかったので、気持ちよく引いて潔く退場だと思った。と、また的に中る音。視力の悪さと緊張のせいか、どの時も矢所が確認できない。ただ押して離している感じだ。

8名の行射が終わり、大前のわたしは的中後、退場口で待ち机を見ると、すでにお茶がなくなっていた。ここで5人がはずれ3名のみの的中と分かった。この時点で3位入賞が決まった。その瞬間、夢でも見ているような感じに襲われた。しかし、まだ勝負は終わっていない。4本持って来ていた矢の4本目を引くことになる。矢立から最後の1本を取り道場入口へ。3人で入場。わたしの後ろは全国でも名の知れた選手である。一緒に立つことは夢のようである。それだけでもういいわと思った。

アナウンスで「第一射場決勝戦・・」と、同時に第2射場では4、5位の遠近が行われることを告げた。これが最後になるなら、晴れ晴れと引いて帰ろう。その気持ちは気負いもなく気持ちよく離れて的中音。不思議だ。よく中ったものだと他人事のように感心した。

次の選手が外して、ついに1対1となった。この時、わたしは前日の代表者会議で、岐阜の先生が賞品の説明をしていたことを思い出した。優勝したらアユの甘露煮が貰える。女性の喜ぶ賞品である。



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