まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

手紙

2017-09-07 | 暮らし

俵万智の短歌の中で

 書き終えて 切手を貼ればたちまちに 返事を待って 時流れだす

この手紙の短歌がいい。手紙には間がある。電話には暴力的なところがある。間がない。誰かに手紙を書くということは、その人のことを思う時間を持つという事。その時間を封筒に詰めて送るのである。

昔はよく手紙を書いた。高校生の時は、グループノートなんてあった。今なら、スマホのラインなのだろう。即、返事が返って来て、その返事を即、返さなくてはならいことにストレスを感じないのだろうか。じっくり本を読もうとしているとか、好きな映画を観ようとかを、後回しにしなくてはならない。階段の途中まで拭き掃除していて、もう少しのところで止めなくてはならない。

お互いの会話に大事なものなど殆どないのだ。とはいえ、どうしても腑に落ちない時、自分に火の粉が降ってきたとき、友達に助けを求める。これが、手紙だと書いているうちにあほらしくなって出さなくなるのだろう。

そして、会えばとりとめのないことを一晩でも話せる仲だと、電話をしたら恋人のように切れなくなるので怖くて電話を控える。友達とはたくさん、くだらない夜を過ごしたい。どうでもいい話をたくさんしあえた友達には、深刻な話も、生き死にの話も出来るのである。

さて、先日お客さんと山の話で盛り上がり、その後ご主人の書いた山の本を送って頂いた。定年後に山を始めて、剣岳、北岳、幌尻岳・・と、登られた体験記だ。そのお礼の返事を白山に登ってから書いた。

ご夫婦で6年前、白山に登られたらしい。今は、落石で脚の具合が悪くて石川県の旅行が最後だろうとのこと。「ふたりで楽しく拝読させていただきました。」とのお返事が嬉しかった。「東京へいらしたときは是非お知らせください。」とのこと。またお会い出来たらいいなあと思えるご夫婦だった。

 


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