市立図書館でつい手に取って読んでしまった。ちょっと怖い本だ。
「摘出 つくられた癌」霧村悠康(きりむら はるやす)
乳がんの手術で間違えて反対の胸の手術をしてしまい、その後、病院内の権力争いや、臨床監査のことなど、医者ならではの観察と、内部をさらけだしたものだった。
実際、婦人科にいたので身につまされる内容だが、結局、患者は医者の治療を信じているからこそ快方に向かうのだと思う。
小説の中で、外来の時に、かつての同病の人を見舞うシーンがあった。少し違和感を感じた。私自身、入院中お互いの病状を話しながら、気持ちの支えになった人もいたが、会いに行くことはない。たぶん、相手の人も同じ気持だろうと思う。それぞれに大切な人がいて、切り離せない日々の生活がある。昨年のことなのに、遠い記憶のような気がする。 かといって、鮮明な記憶でもある。
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