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【所得増税は格差是正に有効だが・・・】相続税が日本を救う④

2013-10-27 00:02:04 | 日本

(前回からの続き)

 前回書いたとおり、わが国の所得税の税率は、消費税の導入・税率引き上げとフェーズを合わせながら徐々に引き下げられてきました。1983年以前は75%だった最高税率も現在は40%となっています(年収2336万円以上に適用される)。

 さて、この所得税ですが、個人的にはふたたび累進課税を強化する方向、つまり最高税率を含む高所得者層に適用される税率を引き上げるべき時期に来ているのではないか、と思っています。その理由は、これまた前回述べたように、消費税の税率が3→5→8(2014年4月)→10%(2015年10月?)と上がるにつれ、中間層以下の実質的な税負担が増すなかで、これ以上の世帯間の所得・資産の格差拡大を防ぐ必要が高まったと感じているからです。その点で、消費税の「逆進性」とは逆に、所得が増えればそれだけ税率がアップするという「累進性」を持つ所得税の税率、とくに所得上位層の税率を上げることは有効といえるでしょう。

 しかし・・・たしかに所得税の再強化は格差是正に一定の効果が期待できるものの、これが景気に与える負の影響にも意識を向ける必要があります。なぜなら、消費税と同じように所得税もまた給料とか賃金といった「フロー」に課す税金だからです。したがって、過度に所得増税を強化したら、勤労者の実質賃金を引き下げてしまい、肝心の個人消費をいっそう冷え込ませかねません。そんなこともあり、所得税の増税にあたっては景気浮揚や財政健全化などの各政策目標とのバランスに十分な配慮が求められそうです。個人的には、現時点での所得税率の引き上げは年収1千万円よりも上の層(わが国で所得を得ている人の数%程度)を対象にしたらどうだろう、と考えています。ただしこれだけではトータルの所得税収はそれほど増えないかもしれませんが・・・。

 こうしたことをふまえて総合的に判断すると、消費税のデメリット「逆進性」を中和して世帯間の貧富差の拡大にストップをかける上でもっとも効果の高い税制は、やはり相続税ということになると思っています。相続税であれば、たとえ増税をしても消費増税と違って中・低所得者層の日常の消費生活に負担をかけることはありません。さらに、同じ累進課税という特徴のある所得税と比べても、所得増税の場合で懸念される景気に対するマイナスのインパクト(中間層以上の世帯の消費等を減退させてしまうおそれ)が少ないという点で、相続税のほうに増税のアドバンテージがあるものと考えます。

 以上、消費増税の2つの「罪」―――1つ目:内需の柱である個人消費に冷や水を浴びせてしまうこと、2つ目:中流家庭以下の世帯に大きな経済的負担を強いること―――の痛みを緩和し、かつ課税強化にともなう景気への悪影響を最低限に抑えながら財政再建を進めることができる税制は相続税をおいてほかにない、というのが私の結論です。

(続く)


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1 コメント

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相続税の増税 (谷中初音町)
2014-02-03 23:48:38
相続税の増税が日本を救う最終兵器と考えています。
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