世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

【中国の若者を「親日家」に・・・】日本の経済学、存亡の危機?②

2013-12-19 00:01:57 | 日本

(前回からの続き)

 日本経済―――社会科学においてこれほど興味深い考察対象はそうはないのではないでしょうか。面積でいえば世界で62番目にすぎない極東のちっぽけな島国で、原材料のほとんどを外国からの輸入に頼らざるを得ない日本が、それぞれ世界で3、4位の面積を持ち、石油や石炭などの多くの天然資源に恵まれたアメリカ、中国に次ぐGDPを生み出すようになったのはなぜか。太平洋戦争の終戦直後の何もない状態から今日までのあいだ、さまざまな困難があったにもかかわらず、「奇跡」とたたえられるほどの復興と高度成長を遂げ、世界最大の純資産国となったのはどうしてか。一方、それほどの経済大国になったのに、アメリカや中国などと違って、社会に極端な貧富の差がみられない理由は?・・・などなど。世界広しといえど、この国の経済ほどユニークで、研究テーマに事欠かない経済はほかにない―――そう断言してもおかしくはないでしょう。

 で、そんな日本経済にいま、強い関心を寄せているのが、外国の学生、とくに新興国の学生なのではないか、と思っています。わが国が今日まで辿ってきた上記のプロセスは、母国の発展・繁栄に尽くしたいという志に燃える若き彼ら彼女らにとって、見習うべき良きお手本となりうると考えているからです。そのなかでも、地理的な近さや両国関係の現状などから、中国の学生が日本の経済を学ぶ意義はとても大きいと思っています。それは、歴史が教えるとおり・・・。

 ・・・近代中国を築いた人物のなかには、わが国に留学したり長期にわたって滞在した経験のある人が少なくありません。中華民国建国の父である孫文や、毛沢東とともに現在の共産党中国を打ち立て、いまも民衆に慕われ続ける周恩来にも、若いころに日本で学び、活動した経歴があります(周氏が日本滞在中に詠んだ「雨中嵐山」の詩を刻んだ石碑[京都嵐山]は日中友好のシンボルとなっているそうです)。国は違いますが、親日家で知られる台湾の李登輝元副総統も京都帝大に留学しています。なお、日本留学の経験こそありませんが、前駐日中国大使で現在の中国外交部長である王毅氏は「日本語のプロ」と称されているそうです(彼が今後も権力内で生き残っていくことを願っています)。

 このように、中国の近・現代史の「大物」が留学や滞在等を通じてわが国と関わってきたことは非常に意味のあることだと考えています。こうした歴史は「日本」を体感した中国人こそが今後も国家建設をリードしていくという期待を抱かせるからです。そしてこれからの時代、その主役となるのが日本の大学、とくに経済系学部・学科で上記の「日本経済の強さ」とか「日本社会の良さ」を学んだ人々となるだろう―――などと予想しています(いささか期待過剰ですが・・・)。

 ということで、日本の経済学が進むべき道のひとつは、いわば「ジャパン・ルネサンス」―――上記の繁栄のもととなったわが国の経済・社会モデルを再構築すること。そのうえで、新興国、とくに中国をはじめとするアジア諸国の有為な若者を留学生として招き、成功例としての日本経済の研究を通じて、彼ら彼女らの多くを「親日派」あるいは「知日派」にしていくことだと考えています。

(続く)


経済学 ブログランキングへ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【「手に職」のつかない経済... | トップ | 【日本経済をネガティヴに捉... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日本」カテゴリの最新記事