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「世界長者番付」であまり目立たない日本の幸せ②

2012-04-21 00:00:09 | 日本

(前回からの続き)

 このわが国の格差の少なさは、豊かな内需を生み出す経済と良好な社会資本の形成にもつながっていると思います。このあたりについて、次のような2つの社会を想定して検証してみます。

・仮想社会A:1世帯だけ1兆円もの資産を持ち、残りの99,999世帯は資産ゼロ円のような社会(超絶格差社会)
・仮想社会B:資産1千万円の世帯が10万世帯ある社会(格差ゼロ社会)
(トータルの資産額はどちらも10万世帯合計で1兆円になります)

 「仮想社会A」では、世界長者番付にランクインする資産家1人(とその家族だけ)がゴージャスな住居や家具類、何台もの高級車や高価な電化製品、金銀財宝類などに囲まれて豊かな生活を謳歌します。一方で99,999世帯の人々の生活は貧困のどん底。この社会では経済活動をするのはたった一世帯だけだから、売れる車や電化製品などの量はせいぜい数十台程度とたいへん少ないものとなります。残りの世帯は衣食住の最低限の必要を満たすのも難しいくらいで、車なんて高嶺の花。結局、モノの需要が少ないから外国からの輸入品で賄うので地場の産業も育ちません。また一軒の資産家のまわりだけ電気・水道・道路などのインフラを作ればあとはどうでもいい、ということになって、社会資本の整備も行われないでしょう。

 これに対して「仮想社会B」では、世界長者番付にランクインするような極端な金持ちはいないけれど、個々の世帯はそこそこの小金持ち。彼らは贅沢過ぎない範囲内で生活に必要な住宅や車などの耐久消費財等を買い揃えていきます。結局、社会全体では10万台の車や電化製品等が売れることになります。たくさん需要があるからこれらを作って売る企業も育ちます。さらに一定の合意の下で10万世帯のニーズを満たすライフラインが整備されるでしょう。すべての人々の生活に多少のゆとりがあることから芸術や音楽などの文化活動もさかんとなるでしょう。こうして広くさまざまな経済活動が展開され、社会資本の建設も進んで、全体として豊かな社会が形成されます。

 「仮想社会A」に該当するのは、経済規模の割にビリオネアが多い国々や地域でしょう。こうしたところでは、一部のセレブたちのド派手な生活のかげで、大多数の市民が最低限必要なモノすら揃えられず(あるいは価格が安いだけの粗悪品で我慢するしかなく)、不十分な社会資本や社会保障制度のもとでレベルの低い生活を送っています。彼らの生きる社会は産業の厚みもないから雇用機会が乏しく、失業率や犯罪発生率も高く、デモや暴動が頻発する、安全安心からはほど遠い不安定なものとなっています。

 一方、わが国は「仮想社会B」に近いと思います。先に書いたように、日本の資産分布は上位層から階層にいたるまでの格差が比較的緩やかです。電気・ガス・上下水道などのインフラも当たり前のように整えられ、適切に維持管理されています。社会保障制度などのセイフティーネットもおおむね整備されています。さらに、テレビや冷蔵庫(世帯普及率ほぼ100%)、エアコン(同約90%)、ケータイ(同約96%)、PC(同約86%)などの普及率の高さなどから、日本の大多数の世帯はこうしたモノを揃えるだけの購買力と消費力を持っていることが窺えます。

(続く)


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