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【ブラジル:早すぎる幕切れと「開幕」】南米サッカー大国が恐れる「宴の後」③

2014-07-11 00:04:41 | その他の地域

(前回からの続き)

 前述のように、アルゼンチンの利払いの猶予期限は今月末となっています。それまでに各種の交渉事がまとまらなかった場合、同国は本当にデフォルトに追い込まれてしまうかもしれません。

 で、そうなったときに注目されるのは金融デリバティブの扱いでしょう。これについて少し前、アメリカのとある法律事務所が、同国の利払い停止はCDS(Credit Default Swap)決済につながる「支払い拒否・停止」イベントに該当するとの見解を明らかにしたうえで、国際スワップデリバティブ協会(ISDA)に対し、実施にこれが同国債のCDS決済にかかる信用事由に当たるのかどうか照会しているのだそうです。これまでのところ、同CDS料率の乱高下を招く事態を恐れてか(?)、ISDAは明確な判断を示していないようですが・・・。

 同じデフォルトでも今回のアルゼンチンのケースはテクニカル、つまり支払い能力を残したうえでのデフォルトになる可能性が高いとはいえ、債権者にとっては同国債投資で損失を被ることには変わりはありません。であれば当然、CDSの売り手に対して、その権利を行使して損をした分の補てんを要求したいところです。これに対してCDSを引き受けた側は、なんだかんだと理屈をつけてその決済を回避しようとするでしょう。

 そんな両者の思惑がぶつかりあうなか、ISDAは今月のおわりにどのような判定を下すのか。そしてそれが国際金融マーケットにどの程度のインパクトを与えるのか―――こちらの記事に書いたとおり、CDSこそ恐怖の金融破壊兵器であるだけに、このあたりは今後しばらく要注意です。

 ・・・もっとも当事国であるアルゼンチンにとっては、CDSが決済されようがされまいが、どのみち厳しい経済社会情勢が続くことは間違いのないところです。せめて国民には誇りと希望を・・・ということで、サッカーワールドカップ(W杯)・ブラジル大会で見事決勝戦まで勝ち上がった同国イレブンにはドイツを破ってぜひ世界一になってほしい! オーレ、アルヘンチーナ!

 ・・・といったように、アルゼンチンの人々にはもう少し夢見心地の時間が残されたわけですが・・・一方、優勝候補筆頭と目されていたW杯のホスト国・ブラジルはご存知のとおり、早すぎる幕切れ、そして早すぎる幕開け―――「『宴の後』ステージ」の開幕を迎えてしまいました・・・。

(続く)


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