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【金利上昇のほうが戦争よりも怖い・・・】アメリカはもう戦争ができない?④

2015-08-27 00:02:56 | アメリカ

(前回からの続き)

 前回までに書いたとおり、いまやアメリカは、「大国」「小国」はいうに及ばず、(極端な場合はわずか数名!?程度の)中小「集団」を相手にした戦争にも耐えられないし、たとえ戦争をしないまでも、現在のレベルの軍備力を維持することにすら四苦八苦している・・・。これを言い換えると、アメリカは先日まではハエやカの退治に強力な火炎放射器(!)を振り回してきたが、ついに火炎放射器そのものを持て余すようになってきた、といったあたりでしょうか(ヘンなたとえ)・・・

 建国以来、あれほど戦争をしまくってきた(?)アメリカ様がどうしてこうなってしまったのか、といえば・・・やはり、戦争に必要なおカネが尽きかけているから、ということでしょう。

 誰でも知っているとおり、アメリカは世界最大の純債務国。連邦政府も、自治体政府も、企業も、そして国民も借金まみれです。しかもこれらの大元は中国や日本といった外国からの借入金です。で、この巨大債務がもはや持続不可能となりつつある、つまりアメリカは現在、借金の返済に借金を重ねている(国債等を次々に振り出している)うえ、とうとう禁断の「財政ファイナンス」に手を出して---市中で消化しきれない債券を量的緩和策(QE)を通じてFRBに買わせて---(長期)金利の上昇を必死に抑えているわけです・・・。

 で、こんなときにあらたな戦争が勃発したら・・・その規模の大小によらず、アメリカの財政赤字が戦費増大でさらに膨らむとの憶測が世界市場に流れ、ドルと米国債価格(ついでに株価)は暴落、金利が急騰してアメリカの経済と市民生活は重大な危機に瀕することに・・・。これこそ、いまのアメリカがもっとも恐れる事態といえるでしょう。債券暴落・金利上昇の恐怖はアメリカのエスタブリッシュメントにとって戦争の恐怖をはるかに上回るはず・・・だから、アメリカは戦争をしない(というよりは、できない)、とこう考えるわけです。わたしが安全保障関連法成立後の日本がアメリカの大きな戦争に付き合わされる可能性がそれほど高くはないのでは、と希望的に観測する根拠はこのあたりにあります。

 しかし・・・一方でアメリカが戦争を手控えることで「商売上がったり」となる勢力が存在します。それがアメリカの「軍産複合体」。まあこれは当然でしょう。アメリカの軍事予算は1年間で5000~6000億ドル以上という、大国の国家予算をしのぐほどの巨大な規模。で、アメリカが今後、戦争をしないようになっていくということは、当たり前ですが彼らの「メシのタネ」が減っていくことを意味します。これこそ―――戦争減少・・・にともなう軍事費の削減こそ、軍産複合体にとって金利上昇以上に(?)恐ろしいことでしょう・・・

(続く)

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