2014年度入りを目前に控え、今後の日本の株式市場に対する内外の関心が高まっているように思えます。ご承知のように新年度はいろいろあるからまあ当然なわけですが・・・。
ということで、年度の境目にあたるいま、そのあたりについて考えることを以下に綴ってみたいと思います。
ところで、わが国の現在の株価はどんなものなのでしょうか。高いのか、それとも・・・。
で、3/27の日経平均株価の終値は14,623円ほど。こちら日経平均のほうはアベノミクス開始直前(2012年11月中旬)から1年4か月ほどでじつに60%以上も上がったことになります。これはこの間の企業利益とか経済成長率の伸びなどと比べてもはるかに大きな上昇率なので、単純にみれば株価は妥当といえるレベルから相当に上放れしていると判断してしまいそう・・・。
では本当にいまの日本の株価は割高なのか、といえば・・・以下に示すように、じつはそれほどでもないという見方もできそうです。たとえば、3/27時点の東証一部全銘柄に関する株価純資産倍率(PBR)は1.32倍です。Wikipediaによれば、東証一部のPBRは平均1.5程度で推移してきているとのこと。ということは、現時点のPBRはこれまでのトレンドより1割程度低い水準にあるということになります。
そして同時点の配当利回りは1.6%となっています。これは現状の国債等の利回り(例:10年物国債金利[長期金利]:0.62%[3/27])と比べると高く、いまは配当狙いだけを考えても債券投資より株式投資のようが有利といえるような値です。
といった数字から客観的に分析すると、いまのわが国の株価は決して高すぎることはなく、それどころか割安なレベルにあるくらいといった感じすらします。そのように捉えると、株価はしばらくもみ合った後、指標的にみて本来のあるべき水準に向かって上昇する。だから、これからも株は「買い」ですかね?
と、いきたいところですが・・・この先、日本株は(かなりの)下落方向への調整を免れないと予想しています。いうまでもなくその最大の理由は、まもなく開始される消費税率引き上げがわが国の個人消費や企業収益、そして株価に強いマイナスのインパクトを与えるから。さらに、消費増税の景気への悪影響を口実に、これまで日本株の「買い」の主役だった外国人投資家が一転、利益確定の「売り」のタイミングを虎視眈々と見計らっているから。
(続く)
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