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【外貨建て資産への投資は要注意】年金の運用は「リスク・オフ」をベースに④

2014-03-25 00:02:52 | 日本

(前回からの続き)

 世界最大の年金基金であるわが国のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用資産ポートフォリオですが、現時点の目標配分率は国内債60%、国内株12%、外国債11%、外国株12%となっています。前回、その国内債以外のリスク資産(約4割)のうち、国内株の配分割合は全体の20%くらいまで高めてもよいだろう、などと書きました。もちろん、目前に迫った消費増税とか世界経済に漂う不透明感などの影響を受け、わが国の株価もこの先しばらくは波乱の展開が予想されるので、国内株への投資には低PBR(株価純資産倍率)株選好などの保守的な方針で臨んでほしいと思っていますが・・・。

 で、日本株以外の残りのリスク資産に何を選ぶか?ですが、まあ自然に考えると、おもに「外貨建て資産」ということになるのでしょうが・・・。

 このあたり、外国債・外国株のいずれへの投資にも、GPIFをはじめとする日本の年金基金には日本株以上に用心深いスタンスをとってほしいと願っています。なぜなら、それらには―――米欧中の債券や株式には、妥当とされる価額にかなりの程度の「バブル分」が上積みされているとみているからです。

 本ブログでいろいろ記してきましたが、アメリカや欧州は、(そして最近では新興国や中国までも)不動産バブルをまたもや(凝りもせず?)膨らませている最中です。本来であれば、アメリカはサブプライム・ローン・バブルがはじけた後で、そして欧州はPIIGS国債デフォルト危機が表面化した直後に、それぞれ徹底したバブル退治(不良債権処理、一部金融機関の破綻容認、そして巨額公的資金の金融システムへの投入・・・どれもわが国がやったこと)に踏み出すべきだったはず。にもかかわらず、諸般の情勢からこれらの実行が不可能な欧米諸国は、QE(量的緩和策 by FRB)とかLTRO(資金供給オペ by ECB)といったマネーのバラマキによるバブル再膨張という「賭け」に出ています。いまはそんな危ない綱渡り―――「リスク・オン」モードがクライマックスに近づきつつあるタイミング、といったところではないでしょうか。永遠に続く上り坂なんてないわけで・・・。

 以上のことから判断して、これから先、わたしたちの大切な年金基金を外国資産に投じることは極めて慎重であるべきだと思っています。これらへの本格的な投資は、近い将来に想定される諸外国におけるバブル崩壊とその清算が終わるまで、つまりバブルでかさ上げされた虚ろな価値分が抜け切るまでは手控えるほうが賢明と考えています。だからGPIFの運用ポートフォリオにおける外国資産の比率はいまの目標値よりも小さい15%くらい、それも株式ではなく債券のほうを3:2くらいで多めにする、といったあたりがよろしいのではないかと・・・。

 同じ「リスク・オン」の恩恵を得ようとするのなら、日本の年金基金はバブル含みの外国株などよりもわが国のリスク資産―――日本株とか日本のREIT(不動産投資信託)などへの投資を優先するべきだと考えています。そのほうが、マーケットが「リスク・オフ」に転じたときのダメージ(為替差損の発生等)が軽微にとどまるような予感がするからです。

(続く)


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