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金の自国への移送を決定したドイツの真意③

2013-03-11 00:02:27 | 金(ゴールド)

(前回からの続き)

 さて日本です。

 わが国の外貨準備の一部として日銀が所有する金準備は765トン。ドイツの3396トンの1/4にも満たない量ですが、貴重な国家財産であることには変わりありません。

 その金の在り処ですが、日銀はどこに保管しているのか、などについて、これまで一切公表していません。しかしおそらくは、そのほとんどがNY連銀(アメリカ)に預けられているといわれているようです。金が自国になくて外国にあるということは、上述したような消失のおそれや、(極端な場合は)ニセの延べ棒にすり替えられてしまうおそれすらないわけではありません。それでもドイツやブンデスバンクのように、「NY連銀に預けてあるわが国の金準備を監査せよ」とか「これらをわが国に持ち帰ろう」といった声はわが国ではほとんど上がりません。このあたりについて今月7日付の日本経済新聞は「ドイツ人が心配性なのか日本人が能天気なのか」と書いていますが・・・。

 個人的には、やはり「虎の子」であるわが国の金準備の行方がとても心配です。したがって、ブンデスバンクの今回の決定を機に、わが国もドイツと同じ名目で(理屈なんて何でもよいから)これらをアメリカから日本に移送してほしいものだと願っているのですが・・・。

 残念ながら、実際にはきわめて難しいのでしょうね(ため息)・・・。

 世界各国がトン単位の金をアメリカ(NY連銀)に預けるということはドルの信認維持につながっていると考えられます。その意味で今回のドイツの決定にアメリカは内心では穏やかではいられないはず。そんなときにわが国がドイツに続いて自国の金をアメリカから持ち出そうという、ドル体制の弱体化に結びつくようなアクションを取ることはできないでしょう。中国と厳しく対立し、日米安保への依存度を高める一方の安倍政権であればなおさらです。

 結局、わが国の貴重な金準備はアメリカに「質入れ」された状態のまま、つまり日本人には自分たちの金がいまどんな状態に置かれているのかすら分からない状態のままにされていくのでしょうか・・・。

 昨年出版された翻訳本「通貨戦争」には、近いうちに現在の通貨システムがコントロール不能に陥り、金融市場の大混乱が起きるなかで、金本位制復活への思惑からアメリカは同国に保管されている日本の金を没収(!?)するといった物騒なシナリオが描かれています。円を含めた巨額の緩和マネーが世界のマーケットに溢れかえるありさまを見ていると、十分にあり得る話のように感じます。

 「そんなことはないさ~」甘い!・・・それこそ「能天気」なのではないでしょうか。今回のドイツの表題の決定を聞き、そんなことを思った次第です。

(本日で東日本大震災から2周年。震災でなくなられた方々のご冥福と、被災された方々の一刻も早い復興をお祈り申し上げます。)

(「金の自国への移送を決定したドイツの真意」おわり)

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