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意味の無い日本国債の格付け③

2012-05-22 00:03:11 | 世界共通

前回からの続き)

 ところで、最近、わが国の一部に日本の「ギリシャ化」を懸念する声があります(オイオイ…)。おそらくこれは日本とギリシャの財政赤字がともに対GDP比でかなり大きくなっている面だけを取り上げた議論と考えられます。ちなみにわが国のGDPに対する政府債務残高比は約230%、ギリシャは約160%です(2011年時点)。

 しかし、これまで述べてきたとおり、国債が自国通貨建てか外貨建てか、という点でチェックすれば、そもそもわが国とギリシャの債務返済リスクを同列で比較することに無理があるように思います。

 また、
 ・両国の金利差(日本の長期金利は5月中旬時点で0.85%程度と世界最低レベル、ギリシャは!?)
 ・国債所有者の自国民の割合(日本:90%以上、ギリシャ:半分以下)
 ・経常収支(日本:1981年から2011年のあいだはすべて黒字[世界一の純債権国!]、ギリシャ:1980年から2011年のあいだはすべて赤字)
 ・失業率(日本:4.6%、ギリシャ:17.3%[2011年])
などの経済データや、競争力・成長力などの総合的な国力などを勘案すれば、わが国をギリシャと比べることがいかにナンセンスか、ということが分かるというものです。

 さらに、わが国の財政再建が進まないことなどを理由として格付け会社が日本国債を格下げすることを恐れているとしたら、その心配は無用といえます。何度も繰り返して恐縮ですが、返済リスクフリーの自国通貨建て=円建ての日本国債の格付けに意味がないからです。

 ところで、個人的に、日本の財務省は、本音では日本国債の格付けに意味がないことが分かっている一方で、「赤字財政→国債格下げ」といったような見方にあえて反論等をしないことで「消費税増税はやむをえない」という方向に世論を誘導しようとしているのではないか、と感じることがあります。

 そんなことをするよりも先に、アメリカやイギリスなどの他の自国通貨建て国債発行国と必要に応じて連携しながら、「自国通貨建て国債の格付けは無意味である!」との主張をもっと声高に格付け会社や市場(それから日本国民=納税者)に向けて発信してもらいたいと思っています。

 そしてマスコミにも同様のスタンスを期待しています。せめて「日本のギリシャ化」という根拠の乏しい不安を煽ることはやめてもらいたいものですね。

(「意味の無い日本国債の格付け」おわり)

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