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金(ゴールド)保有でインフレに備える③

2012-05-12 00:00:01 | 金(ゴールド)

(前回からの続き)

 これまでは相場がリスクオフになると通貨の強さ・安定さを示す図式「円>ドル>ユーロ>新興国通貨」(左から右へ、おおむね名目金利の低い順・実質金利の高い順に並ぶ)のとおりにマネーが流れ、円高/外貨安となってきました。欧米諸国の追加の金融緩和がほぼ避けられないなかで、今後も引き続き円(あるいは日本国債)に多くのマネーが集まるだろうと予想しています。

 一方で、急速な円高(による輸入物価の安定=ゼロインフレか緩やかなデフレ)を回避するなどの名目で、これからも政府・日銀が追加の金融緩和や円売りドル買い為替介入等を行って円の価値を意図的に落とすようなことをする可能性が高いでしょう(個人的には実質ゼロ金利達成で緩和策をストップし、円の通貨としての価値や通貨管理の規律を維持してほしいと願っているのですが・・・)。

 そうなると、(それでも世界最強通貨・円が買われる構図は大きくは変わらないと思われるものの、)日常的に円を使っているわたしたちとしても今後はゼロ金利(場合によってはマイナス金利)や物価高の影響をかなり受けるようになるものと推測しています。

 その結果、わが国でもインフレ(通貨価値下落)に対する資産保存手段としての金に今以上に注目が集まることでしょう。そして、上記の図式に金が加わった「金>円>ドル>ユーロ>新興国通貨」の図式が意識されるようになるだろうと考えています。

 わが国よりも一足先にドルやユーロの信認低下を嗅ぎ取っているせいか(?)、諸外国の一部(インド、中国、ロシアなど)は金保有量を着々と増やしているのに、ほとんど唯一わが国だけはここ数年間にわたり毎年数十トンにもおよぶ大量の金を海外へ輸出してきました。これはバブル期の安値で買われた金の多くが昨今の高値につられて売却されたためのようです。世界的に価格が高騰している金よりも通貨(円)のほうが選ばれるということは、実質金利がプラスでインフレ率ゼロが保たれているわが国の節度ある金融政策に対する国民の信頼の表れということもできるでしょう。

 しかし、日銀のインフレ誘導策が続くこれからは物価の上昇が徐々に顕在化すると予想されるため、一転してかなりの国民が金を選好するようになるでしょう。円が実質ゼロ金利(名目金利-インフレ率=0の状態)のラインを保っている限り、マイナス金利(円よりも弱い状態)の外貨を持つ必要はあまりありませんが、わが国でも物価の上昇が進むなかで「円資産だけでは危険すぎる!」という観点からリスクヘッジを検討するのであれば、上記の図式のとおり、推奨される「外貨」は円より弱いドルでもユーロでもなく、金(ゴールド)以外にありえないと思っています。

 こうした判断に基づいて多くの日本国民が金を保有することは、近いうちに発生する確率が高い海外発の「世界恐慌」(欧米金融システム崩壊、外貨崩落、激しい原材料インフレ、などなど)に備える意味で望ましいことと考えています。

(「金(ゴールド)保有でインフレに備える」おわり)

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