さてお待ちかね?の旅と鉄道の書評です。
鉄道ジャーナル社刊の終刊号は実は持っていない(タビテツ自体購入したことがない(爆))だけに、初購入です...
まず感じたのが、巻頭から5ページに亘る復刊の辞。今回の編集長というか、発行、編集会社の代表が当時のタビテツの初代デスクである芦原氏だけに、思い入れが相当強く感じます。
まあそれなりに知名度のあった雑誌が休刊し、発行体を変えて復刊すると言うのも珍しいケースなだけに、思い入れも気負いもあるんでしょうが。
気になったのは2009年2月号限りでの休刊は周知の話ですが、2年後に「廃刊」となったというくだり。
ちょうど1年後に鉄道ジャーナルが事実上成美堂に身売りされたのですが、それを考えても数字が合わない時期の「廃刊」です。
これは雑誌コードの廃止もしくは転用といった形式的な話かもしれませんが、前にも書いた通り鉄道ジャーナル本誌の雑誌コードも実はエロ雑誌由来の番号に逆ロンダリングされており、それで「廃刊」というのなら、鉄道ジャーナル本誌も「廃刊」「新装復刊」というべきでしょう。
まあ休刊扱いで版権を持っていたのを、売りに出したということでしょうか。それを今回の発行・編集者である天夢人が買い取り、朝日新聞に持ちかけて復刊が成立したと。
それとも奥付には「Special Thanks」として駐㍽≠フ名前があることから、駐㍽≠ェタビテツに関する何か権利を留保していて、今回の復刊につながったのかもしれません。
内容はここまであからさま、というか、旧鉄道ジャーナルの人脈を前面に押し出したのには驚きです。
鉄道ジャーナル側も「廃刊」として自社での復刊を諦めた雑誌が復刊したのですから、ここはエールを送るべきなのに、広告だけ取って話題にもしないと言うのは実に冷たいと思う反面、この誌面は現鉄道ジャーナルへの当てつけというか意趣返しともいえるだけに、止むなしかもしれません。
ただ微妙なのは、こうした旧鉄道ジャーナルの人脈は偉大であると同時に、身売り直前の「劣化」において責任を担保すべき人たちでもあるわけで、こうした人たちに頼れば頼るほど売れないという「リスク」も高くなります。
そのあたりはさすがに考えたのか、こうした「過去の偉人」は全盛期を紹介する格好にとどめており、紹介者を含めてメイン記事でのライターとして起用はしていないこと。
一方でメイン記事のライターとなるとやはり小粒感は否めないわけで、「素晴らしき世界」に出てくる各氏をなんとか継続し適用できないものか。
旧タビテツ、鉄道ジャーナルへのノスタルジーを売りにした格好の復刊号ですが、いつまでもそれに頼るわけにはいかず、どういう路線を、どういうライターに書かせて読ませるかが問われますし、今号のメイン記事だとそれに一抹の不安を覚えます。
そういう意味では「御三家」として特集された各氏は、毀誉褒貶いろいろありますが、全盛期の仕事は傑出していたわけで、それを再認識するいい機会であると同時に、後進が育っていないという問題もまた同時に感じさせてくれました。
特集など一般記事の内容については、誤記が少し多いかなと思うわけで、このあたりに厳しい駐㍽≠フ薫陶を受けたはずの芦原氏の、しかも記念すべき復刊号にしては仕事が甘いです。特に南氏の記事で小見出しを「きっかけ」を「きっか」と落としてしまったのは目立つだけに残念です。
また、このあたりは仕方がないのかもしれませんが、少なくない記事がタイアップ記事ということ。旅館や観光施設が不自然に推奨されていたり、芦原氏自らのほろ酔い紀行は露骨にサントリーの角ハイボールの宣伝だし、このあたりは「3号雑誌」にならないための工夫としてやむを得ないとはいえ、ちょっと興ざめな面も。
そのほろ酔い紀行は一畑電車ですが、あの風土、気候と、本文でも紹介された「スモウアシコシ」の宍道湖七珍を考えれば、片手に来るのはハイボールではなくワンカップかと(苦笑)
イングリッシュガーデンを不思議がってましたが、これこそティファニー美術館の夢の跡で、松江市の観光政策の黒歴史ゆえ知らんぷりなんでしょうが、無批判で通り過ぎるスタンスは旧社時代の編集姿勢を考えると物足りません。内容の誤記など批判も多いのが本記事ですし。
最後に、現鉄道ジャーナルへの当てつけ?といいましたが、「素晴らしき世界」に登場する元編集部の塚さん、こと塚本氏は現在も鉄道ジャーナルに連載記事を持ってますし、デザイナーには旧社から現社時代も共通して手鰍ッている唯野氏の名前があり、まあそこまで乾いた関係ということでもないのかもしれません。
鉄道ジャーナル社刊の終刊号は実は持っていない(タビテツ自体購入したことがない(爆))だけに、初購入です...
まず感じたのが、巻頭から5ページに亘る復刊の辞。今回の編集長というか、発行、編集会社の代表が当時のタビテツの初代デスクである芦原氏だけに、思い入れが相当強く感じます。
まあそれなりに知名度のあった雑誌が休刊し、発行体を変えて復刊すると言うのも珍しいケースなだけに、思い入れも気負いもあるんでしょうが。
気になったのは2009年2月号限りでの休刊は周知の話ですが、2年後に「廃刊」となったというくだり。
ちょうど1年後に鉄道ジャーナルが事実上成美堂に身売りされたのですが、それを考えても数字が合わない時期の「廃刊」です。
これは雑誌コードの廃止もしくは転用といった形式的な話かもしれませんが、前にも書いた通り鉄道ジャーナル本誌の雑誌コードも実はエロ雑誌由来の番号に逆ロンダリングされており、それで「廃刊」というのなら、鉄道ジャーナル本誌も「廃刊」「新装復刊」というべきでしょう。
まあ休刊扱いで版権を持っていたのを、売りに出したということでしょうか。それを今回の発行・編集者である天夢人が買い取り、朝日新聞に持ちかけて復刊が成立したと。
それとも奥付には「Special Thanks」として駐㍽≠フ名前があることから、駐㍽≠ェタビテツに関する何か権利を留保していて、今回の復刊につながったのかもしれません。
内容はここまであからさま、というか、旧鉄道ジャーナルの人脈を前面に押し出したのには驚きです。
鉄道ジャーナル側も「廃刊」として自社での復刊を諦めた雑誌が復刊したのですから、ここはエールを送るべきなのに、広告だけ取って話題にもしないと言うのは実に冷たいと思う反面、この誌面は現鉄道ジャーナルへの当てつけというか意趣返しともいえるだけに、止むなしかもしれません。
ただ微妙なのは、こうした旧鉄道ジャーナルの人脈は偉大であると同時に、身売り直前の「劣化」において責任を担保すべき人たちでもあるわけで、こうした人たちに頼れば頼るほど売れないという「リスク」も高くなります。
そのあたりはさすがに考えたのか、こうした「過去の偉人」は全盛期を紹介する格好にとどめており、紹介者を含めてメイン記事でのライターとして起用はしていないこと。
一方でメイン記事のライターとなるとやはり小粒感は否めないわけで、「素晴らしき世界」に出てくる各氏をなんとか継続し適用できないものか。
旧タビテツ、鉄道ジャーナルへのノスタルジーを売りにした格好の復刊号ですが、いつまでもそれに頼るわけにはいかず、どういう路線を、どういうライターに書かせて読ませるかが問われますし、今号のメイン記事だとそれに一抹の不安を覚えます。
そういう意味では「御三家」として特集された各氏は、毀誉褒貶いろいろありますが、全盛期の仕事は傑出していたわけで、それを再認識するいい機会であると同時に、後進が育っていないという問題もまた同時に感じさせてくれました。
特集など一般記事の内容については、誤記が少し多いかなと思うわけで、このあたりに厳しい駐㍽≠フ薫陶を受けたはずの芦原氏の、しかも記念すべき復刊号にしては仕事が甘いです。特に南氏の記事で小見出しを「きっかけ」を「きっか」と落としてしまったのは目立つだけに残念です。
また、このあたりは仕方がないのかもしれませんが、少なくない記事がタイアップ記事ということ。旅館や観光施設が不自然に推奨されていたり、芦原氏自らのほろ酔い紀行は露骨にサントリーの角ハイボールの宣伝だし、このあたりは「3号雑誌」にならないための工夫としてやむを得ないとはいえ、ちょっと興ざめな面も。
そのほろ酔い紀行は一畑電車ですが、あの風土、気候と、本文でも紹介された「スモウアシコシ」の宍道湖七珍を考えれば、片手に来るのはハイボールではなくワンカップかと(苦笑)
イングリッシュガーデンを不思議がってましたが、これこそティファニー美術館の夢の跡で、松江市の観光政策の黒歴史ゆえ知らんぷりなんでしょうが、無批判で通り過ぎるスタンスは旧社時代の編集姿勢を考えると物足りません。内容の誤記など批判も多いのが本記事ですし。
最後に、現鉄道ジャーナルへの当てつけ?といいましたが、「素晴らしき世界」に登場する元編集部の塚さん、こと塚本氏は現在も鉄道ジャーナルに連載記事を持ってますし、デザイナーには旧社から現社時代も共通して手鰍ッている唯野氏の名前があり、まあそこまで乾いた関係ということでもないのかもしれません。