メジャーリーガーの通訳がスポーツ賭博でクライアントの資金を使い込んでいた件、現地の捜査当局は通訳が欺罔して資金を騙取した、という結論で訴追しました。
まあそれがいちばん「丸く収まる」結論ですが、それによりあちこちに綻びが出てくるわけです。ちなみに捜査の結果明らかになった、というよりも、一種の司法取引としての結論ですからね。銀行詐欺の総ての咎を背負うことで結論を受け入れたということも十分考えられます。
もちろんメジャーリーガーが「共犯」ということはないでしょうが、ネット界隈で噴き上がっている「無罪ダー」と単純に言える話ではありません。
一部報道では口座ログインが数年間無かったという話まで出ているなど、注意義務に著しく欠けていたことは否めません。なおログインがないのになぜ資金移動が出来たのか、と考えると記事の信憑性も怪しいですけどね。IDとPW(トークン)の使い回しであれば「アクセス」はありますし、複数IDでのログインが可能であればなんとも危険な口座です。
実際には当然いろいろな代理人がいて資産管理をしているはずですが、「本人」の確認無くして話は進みません。本人の確認無くして資産管理が可能であれば、今回のように巨額の使い込みが可能になりますし、もし「ヒットエンドラン」型の犯行であれば、今頃は米国であっても手が届かないようなところに逃げきれますからね。いみじくも通訳から事件の「隠蔽」を持ち掛けられた時に本人は自分で判断せずに「代理人」に相談していますが、そもそも代理人はなにをしていたのか。
実務上は金融機関と代理人の間の手続きだとしても、本人が設定した(了承した)条件の範囲内での行動のはずです。カストディに類する活動となるとはいえ、上限金額とか資金移動の内容とかは限定されているはずです。金融機関が受任するのではないのであれば、弁護士や会計士であっても裏切られるリスクはありますから。
そうなると今回の「使い込み」が金融機関の手続き上どのように容認されたかです。そもそもの条件設定が甘かったのか、条件変更手続きに問題があったのか。代理人が自らの行為だけで変更できるとなったら極端な話資産全額の持ち逃げが可能ですから、本人への確認が必須です。ただ本人への確認は面着かどうかは微妙なところで、Power of Attorneyで済ませっちゃった可能性はありますね。そして問題はまだあり、本人がいて正規の代理人がいて、という状態で通訳が権限を行使できたこと。代理人の注意義務も当然問われるわけです。
表面上金融機関は代理人が誰かを正確に把握できていないでしょう。登録された代理人か本人であれば正当な行為であるとして事務処理を進めるはずです。
ここでPower of Attorneyを偽造していたら代理人も知り得ない状態で金融機関を騙し得ますが、不正な送金など資産の処分があったら、毎日とは言いませんが週間、悪くとも月間で不正は発見されるはずです。月次決算とまでは行かずとも、会計年度末(米国は12月末です)に確認しないということはあり得ませんし、税務申告が正しくされていない疑惑も発生します。帳簿を見るのは代理人の仕事です。さらにその結果を本人が見ていない。本人を含めた職務懈怠です。そうそう、日本の全小学校にグラブを寄付してましたが、その支払いも「お任せ」だったんですかね。いくらかかるかとか本人が知っておくべき数字は多いはずですが。
複数の代理人がいれば発覚は時間の問題と考えるのが普通ですが、犯行がエスカレートした。代理人の質が相当悪かったのでしょうね。不正が可能と確信を得るレベルだったと。このシナリオであれば本人が知り得ない、という解釈も可能ですが、果たしてそうか。本人に何らかのコンタクトも取らなかったということであれば、実に危ういです。まあコンタクトがあるとしても直電はないでしょうから、メールや書面でのコンタクトへの対応が杜撰であれば、通訳が応対してしまうことも可能になってしまいます。で、実際に起きてしまったのですから罪深いですね。他にもこんな「使い込み」があるかもしれませんし、米国の銀行に対する信頼が損なわれた瞬間です。
まあ思いもよらぬ事態なんでしょうが、管理が甘かったことは確かです。メジャーリーガーは被害者でした、問題はありません、では済まない話です。
本人の管理、また無能としか言いようがない代理人の選定と、本人の責に帰する部分は少なくありません。
あるいはそこまで代理人は無能だったのか。金融機関も注意義務を全うしていたのか。綻びというのはそういうことです。よほど周囲に間抜けが揃っていないと成立しないシナリオですから。積極的関与は無かったとしても、本人の注意義務とその履行に問題があったが、司法取引である意味不自然な結論で幕を引くというところでしょう。それがMLBも含めての米国の総意なんでしょう。
ところでこの事件と言い静岡県知事の問題と言い、ネットメディアやそれが引用するワイドショーやスポーツ紙あたりで、芸能人や芸人のコメントが幅を利かせているのはどうなんでしょうね。時事問題へのコメントと言えば、それなりの知識が求められるわけで、いわゆる「識者」と衆目が一致するような実績が求められるのですが、それくらいの「インテリ」なのか。
まあ「台所感覚」という言葉もあるように、生活レベルの視点でコメントする事例もあるので一概に否定はできませんが、これらの事件はそんなものじゃないでしょう。
事の本質が分かっていないけどまあ「ケシカラン」と言っているようなレベルで議論を混ぜ返しているだけですから。
まあ「ナントカ風情が」というつもりは毛頭ないとはいえ、誰もが知識人、識者と意識していることもないレベルで、あたかもご意見番のように時事問題にコメントするのには強い違和感を感じます。あるいは時事色が強い芸風というのであればまだ分かりますが、そうとは到底思えない「資質」ですからね。
逆に知識も見識も高い芸能人や芸人もいますが、普通はそれをひけらかしたりはしないわけです。確かに芸能人や芸人の中では「博識」でしょうが、じゃあ知識人、識者と言われるレベルにあるかというと、それはあるとしても頭抜けてはいないわけです。よしんば時事問題を語ったとしても、「芸能人、芸人にしては賢い」という扱いでの重用というのを理解していますから。そうした芸能人、芸人は背伸びして賢らな発言をすることなく、逆にアホ(バカ)を演じ切っているんですよね。本物の芸能人や芸人はアホ(バカ)では務まらないというのを体現しています。
まあそれがいちばん「丸く収まる」結論ですが、それによりあちこちに綻びが出てくるわけです。ちなみに捜査の結果明らかになった、というよりも、一種の司法取引としての結論ですからね。銀行詐欺の総ての咎を背負うことで結論を受け入れたということも十分考えられます。
もちろんメジャーリーガーが「共犯」ということはないでしょうが、ネット界隈で噴き上がっている「無罪ダー」と単純に言える話ではありません。
一部報道では口座ログインが数年間無かったという話まで出ているなど、注意義務に著しく欠けていたことは否めません。なおログインがないのになぜ資金移動が出来たのか、と考えると記事の信憑性も怪しいですけどね。IDとPW(トークン)の使い回しであれば「アクセス」はありますし、複数IDでのログインが可能であればなんとも危険な口座です。
実際には当然いろいろな代理人がいて資産管理をしているはずですが、「本人」の確認無くして話は進みません。本人の確認無くして資産管理が可能であれば、今回のように巨額の使い込みが可能になりますし、もし「ヒットエンドラン」型の犯行であれば、今頃は米国であっても手が届かないようなところに逃げきれますからね。いみじくも通訳から事件の「隠蔽」を持ち掛けられた時に本人は自分で判断せずに「代理人」に相談していますが、そもそも代理人はなにをしていたのか。
実務上は金融機関と代理人の間の手続きだとしても、本人が設定した(了承した)条件の範囲内での行動のはずです。カストディに類する活動となるとはいえ、上限金額とか資金移動の内容とかは限定されているはずです。金融機関が受任するのではないのであれば、弁護士や会計士であっても裏切られるリスクはありますから。
そうなると今回の「使い込み」が金融機関の手続き上どのように容認されたかです。そもそもの条件設定が甘かったのか、条件変更手続きに問題があったのか。代理人が自らの行為だけで変更できるとなったら極端な話資産全額の持ち逃げが可能ですから、本人への確認が必須です。ただ本人への確認は面着かどうかは微妙なところで、Power of Attorneyで済ませっちゃった可能性はありますね。そして問題はまだあり、本人がいて正規の代理人がいて、という状態で通訳が権限を行使できたこと。代理人の注意義務も当然問われるわけです。
表面上金融機関は代理人が誰かを正確に把握できていないでしょう。登録された代理人か本人であれば正当な行為であるとして事務処理を進めるはずです。
ここでPower of Attorneyを偽造していたら代理人も知り得ない状態で金融機関を騙し得ますが、不正な送金など資産の処分があったら、毎日とは言いませんが週間、悪くとも月間で不正は発見されるはずです。月次決算とまでは行かずとも、会計年度末(米国は12月末です)に確認しないということはあり得ませんし、税務申告が正しくされていない疑惑も発生します。帳簿を見るのは代理人の仕事です。さらにその結果を本人が見ていない。本人を含めた職務懈怠です。そうそう、日本の全小学校にグラブを寄付してましたが、その支払いも「お任せ」だったんですかね。いくらかかるかとか本人が知っておくべき数字は多いはずですが。
複数の代理人がいれば発覚は時間の問題と考えるのが普通ですが、犯行がエスカレートした。代理人の質が相当悪かったのでしょうね。不正が可能と確信を得るレベルだったと。このシナリオであれば本人が知り得ない、という解釈も可能ですが、果たしてそうか。本人に何らかのコンタクトも取らなかったということであれば、実に危ういです。まあコンタクトがあるとしても直電はないでしょうから、メールや書面でのコンタクトへの対応が杜撰であれば、通訳が応対してしまうことも可能になってしまいます。で、実際に起きてしまったのですから罪深いですね。他にもこんな「使い込み」があるかもしれませんし、米国の銀行に対する信頼が損なわれた瞬間です。
まあ思いもよらぬ事態なんでしょうが、管理が甘かったことは確かです。メジャーリーガーは被害者でした、問題はありません、では済まない話です。
本人の管理、また無能としか言いようがない代理人の選定と、本人の責に帰する部分は少なくありません。
あるいはそこまで代理人は無能だったのか。金融機関も注意義務を全うしていたのか。綻びというのはそういうことです。よほど周囲に間抜けが揃っていないと成立しないシナリオですから。積極的関与は無かったとしても、本人の注意義務とその履行に問題があったが、司法取引である意味不自然な結論で幕を引くというところでしょう。それがMLBも含めての米国の総意なんでしょう。
ところでこの事件と言い静岡県知事の問題と言い、ネットメディアやそれが引用するワイドショーやスポーツ紙あたりで、芸能人や芸人のコメントが幅を利かせているのはどうなんでしょうね。時事問題へのコメントと言えば、それなりの知識が求められるわけで、いわゆる「識者」と衆目が一致するような実績が求められるのですが、それくらいの「インテリ」なのか。
まあ「台所感覚」という言葉もあるように、生活レベルの視点でコメントする事例もあるので一概に否定はできませんが、これらの事件はそんなものじゃないでしょう。
事の本質が分かっていないけどまあ「ケシカラン」と言っているようなレベルで議論を混ぜ返しているだけですから。
まあ「ナントカ風情が」というつもりは毛頭ないとはいえ、誰もが知識人、識者と意識していることもないレベルで、あたかもご意見番のように時事問題にコメントするのには強い違和感を感じます。あるいは時事色が強い芸風というのであればまだ分かりますが、そうとは到底思えない「資質」ですからね。
逆に知識も見識も高い芸能人や芸人もいますが、普通はそれをひけらかしたりはしないわけです。確かに芸能人や芸人の中では「博識」でしょうが、じゃあ知識人、識者と言われるレベルにあるかというと、それはあるとしても頭抜けてはいないわけです。よしんば時事問題を語ったとしても、「芸能人、芸人にしては賢い」という扱いでの重用というのを理解していますから。そうした芸能人、芸人は背伸びして賢らな発言をすることなく、逆にアホ(バカ)を演じ切っているんですよね。本物の芸能人や芸人はアホ(バカ)では務まらないというのを体現しています。