Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

責任を問わない風潮

2019-09-22 12:23:00 | 時事
豚コレラの蔓延で、ついにワクチン接種を国が決めましたが、そもそも2006年まではワクチン接種を行い、2007年にようやく清浄国になったという「歴史」を知らずに、有史以来清浄国だったような印象でワクチン接種はリスクが大きいと騒ぐ人は、豚コレラ蔓延を歓迎しているようにも見えますね。
清浄国になった以降に豚肉の輸出が急増して畜産の屋台骨になっている、というわけではないですし(日本産豚肉が世界を席捲なんて話を聞きますか?)、健康被害があったということもなかったでしょう。農水相が馬鹿丸出しの記者のこの手の質問に、2006年までのワクチン接種と、自分自身が健康ですよね、と回答したのは至極当然であり、政府はこの事実を積極的にアピールすべきでしょう。

豚コレラの問題はやはり初動でした。危機感に全く欠ける愛知県の業者と役人が、疑い例が出ている農場からの県外への出荷を許可したことで、収拾がつかない拡散になったわけです。
責任を問うとか犯人探しをしない、という生ぬるいことを言う人も多いですが、これは豚コレラの流行を感じて早期出荷で収益を確保しようとした業者による故意の行動がまずありきで、それを疑い例の発生しているにも関わらず許可した愛知県がダメを押しました。

職務懈怠そのものであり、愛知県は全国の蔓延に責任を負うべき存在ですが、なぜかスルーですよね。
今回の千葉県の台風15号での被害でも、犯人探しをしている場合ではない、と千葉県知事がほざいていますが、対応に問題がなかったかを検証し、責任の所在に関することは明らかにする、ということまで免除していたらただのモラルハザードです。

たかだか10年ちょっとの清浄国待遇を絶対視してワクチン接種を渋っていた勢力も、対策を妨害したわけで、きちんと責任を問うべき対象です。

こうした行政の問題も大きい事象に対し、旧民主党勢力から、安倍政権ガー、民主党政権時代がきちんとしていた、と歴史修正を図る勢力が湧いているのがなんともです。
まあ宮崎の口蹄疫での民主党政権の「他人事対応」がほじくり返されて炎上しているという毎度のブーメランになっているようですが、こういう責任逃れ、責任隠しのモラルハザードを実際に見ていると、犯人探しは、という一見もっともらしい意見は害悪としか思えません。

日本ではこういう時に「前を向こう」「再発防止が肝心」と事象の責任を曖昧にし続ける癖があります。
事象の分析と責任の究明がなくして再発防止は不可能であり、結局は責任逃れ、責任隠しの結果に終わっています。その典型が第二次大戦敗戦時の「一億総懺悔」であり、軍部や政府の責任を曖昧にしようとした所為ですし、近年目立つ現場の努力を盾に、批判するな、感謝しようという組織としては責任を負うべき存在まで「よくやった」と真逆の対応を強いて当然という流れに至っては、何か為にする動きを強く感じますね。

そういう責任逃れ、責任隠しを専らにして責任に向き合わない代表が旧民主党でしょう。
何回選挙をしても、国政地方問わず票が、議席が伸びない。政権与党が必ずしも正しいわけじゃないのに、「民主党よりはマシ」というコンセンサスが社会に確立しているのです。
しかもそれが積極的な旧民主党系への投票忌避の動きになっているわけで、世界的、歴史的に見てもこの傾向は有権者の投票行動としては異例といえるわけで、それだけ有権者を裏切った、だけでなく、その後も反省の色も見せない態度に、有権者の感情がさらに悪化しているわけです。それが劣化する一方の政権与党の行動があっても野党に支持が集まらない原因です。

今回の豚コレラ問題を利用して歴史修正を謀った旧民主党系の所為は、体質が全く変わっていないことを示しています。



安全神話の否定と結果責任の主体

2019-09-22 11:07:00 | 震災・災害
福島第一の旧経営陣に対する強制起訴による訴訟結果が左派系メディアにとって「芳しくない」結果だったことで、罪刑法定主義も「疑わしきは罰せず」もガン無視で半狂乱になっています。
このあたりは罪刑専断主義、人知主義の人民裁判でおなじみの共産主義国家を持ち上げている勢力のお里が知れる結果にもなっているというのがなんとも香ばしい結果です。

今回の判決で注目すべき点は、万全を期したら原発の操業は不可能というコメントでしょう。
すぐに反原発主義者が脊髄反射してだから原発はダメなんだといってますが、要は安全神話の否定なんですよ。あらゆることで「完璧な対策」はありえない。反原発主義者の脊髄反射に対し、クルマの運転だって同じロジックになるがクルマをすべて禁止するのか?という批判が出ていますが、まあ左派系に限らずクルマを否定する宗教ともいえる勢力が被るのでそういうロジックはかえって歓迎になるから燃え上がっているんでしょう。

それはさておき、「完璧はありえない」が主題です。再稼働問題で規制委が、活断層や火山活動について人類の歴史を超えるスパンでの保障を求めていますが、今回のロジックに従えば規制委の論理もあり得ない要求に過ぎないわけです。発生可能性がある中で、リスクを取れる取れないの議論であるべきというのが回答であり、後知恵でない判断で当時求め得る検討と対策を評価して責任を問うだけです。

いやいや、発生したらこれだけの大惨事になるから禁止しかない、という頭の悪い反論に対しては、事故原因となる災害発生時は対応が総て無力化するのか、という評価になるわけです。
福島第一の際には東電側の対応ミス、準備不足もありましたが、一刻を争う状況でダメを押したのが民主党政権による政権を挙げての「妨害工作」でした。

政府が足を引っ張るというのはそれこそまさに想定外であり、逆に結果責任が総ての政治家に対しては、道中の是非ではなく結果を厳しく問うべきであり、その意味では東電の比ではない責任を負うべき存在が、のうのうと過ごしているばかりか、当時の自分たちの出鱈目をごまかす歴史修正活動にシンパを動員して勤しんでいるのは救いようがない事態です。

今もネットで太平楽な批判をしている自称原子力の専門家の当時の首相による現場攪乱工作は世間の批判を浴びましたが、致命的だったのは震災当夜に出張先から本社に戻る直前で追い返して、司令塔に責任者不在の状態にして、自称原子力の専門家による攪乱を受け入れる下地を作った当時の官房長官、今の立憲民主の代表です。

ネット世論は「不眠不休」ぶりを心配して災害に立ち向かうヒーローとして持ち上げていましたが、実際には自称原子力の専門家以上の「A級戦犯」であり、いかにこうした「世論」が大甘で害悪かを示す典型例でしょう。
空路陸路とも東京に入れない状況で、関西の出張先から名古屋までたどり着き、小牧から自衛隊機に便乗するというウルトラCで本社に向かう途中、既にあとは入間かどこかへの着陸態勢というときに「民間人の便乗はケシカラン」と追い返したんですよ。本当に静岡神奈川県境付近から小牧に逆戻りさせた。あの官房長官は。

違反行為だったとしても、後で適切な手段で自衛隊を罰する、東電を罰するだけでいいはずなのに、なんであとちょっとで司令部に帰還できた総司令官を追い返したのか。
社長不在が「好都合」という邪悪な意思以外に合理的な理由が見出せません。
首相の外国人献金問題で政権の危機だった当時、震災を活用して一発逆転を狙った民主党政権にとっては、自称原子力の専門家による陣頭指揮を演出するという「有事のリーダーシップ」での印象アップを狙ったんでしょうし、その演出で「軽い」原発事故の発生を目論んだ可能性すらあるでしょう。大誤算だったのは、「自称」以下政権中枢のレベルが低すぎて破局へ至る連鎖が全く読めなかったことでしょうか。

リスク管理で対応すべき原発に現実の危機が迫った。問題はリスク管理の適正性であり、それが有効に運用されたかということです。その意味で東電と同様に、というか当時の政権の行動は第一に責任を問われる行動であり、そこに目をつぶって反原発に都合のいい解釈をしている連中は、8年経ってもバレバレの嘘をつく風評振りまきとあわせて、放射能以上に我が国を蝕んでいます。