Straphangers’ Room2022

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政権の失政が前提の不思議な選挙

2014-11-17 00:43:00 | ノンジャンル
GDP速報値がマイナスとなり、いよいよ消費増税先送り、解散総選挙の色が濃くなった格好です。
一方で沖縄県知事選では普天間の県内移設反対派の候補が、政権が支持する現職を破って当選しており、足下1ヶ月程度の政局を考えると、急な解散はどちらに転ぶか分かりません。

地元でも一気に選挙ムード、というか、船橋市(の一部)の千葉4区は野田前総理があまりにも強く、過去3回は落下傘候補を立てて対決しましたが、郵政選挙でようやく比例復活という状態でした。この事実上の「自民空白区」という様子に、保守系県議が保守系候補として名乗りを上げていましたが、自民党もようやく地元選出の県議を立てて、久々の「地元候補」で戦うようです。

急転直下の臨戦態勢に野田陣営も、毎週月曜朝の津田沼駅頭の街宣で、最近は他の候補の幟が目立っていたのに、今朝は久々に本人らしき顔がちらっと見えており、与野党ともどうやら本気で総選挙を戦うようです。

とはいえやはり「大義」がありません。「念のため解散」という情けないネーミングが取り沙汰される状況です。
沖縄県知事選が示すように、有効な対立軸を用意すれば政権も磐石とはいえない状況ですが、「大義なき解散」自体が政権への批判要素となりえます。消費増税先送りの信を問う、というテーマ自体が、先送りの主因は景気の下振れ、つまり、アベノミクスがうまく機能していない、という政権の政策に問題があったことを前提にしているわけで、言わば「失政」を前提に戦うという世にも不思議な選挙です。
有権者の立場からすれば、景気回復の実感がないところに、さらに予想されている選挙日程だと冬のボーナスが支給された直後になるわけで、ボーナスの明細書が投票行動にどう影響するか。有権者が否が応でも景気を意識するタイミングです。

こうした状況に支持派のメディアも頭を抱えているようで、産経は「論点は安全保障」と言い出しています。
政治部長の署名記事で、小笠原近海のサンゴ密漁船問題などを引いて、集団的自衛権その他の問題をテーマに民主主義を問うべき、としていますが、同じ記事の中で沖縄県知事選挙での「民主主義」について、外交、安全保障は国の専管事項だ、と地方選での結果は考慮の対象外とでも言いたげな論調は、ご都合主義の権化であり、「民主主義」を大上段に語る記事としてはお粗末に過ぎます。

それくらい奇怪な状態で何を戦うのか。数値は悪いが消費増税をしないといけない、アベノミクスは成果を出しつつある、と主張して信を問うのなら分かりますが、「うまくいってないから先送りさせてください」と開き直られては、何をどう判断すればいいのやら、でしょう。