Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

常磐道の延伸とR6の再開通

2014-11-25 01:23:00 | 交通
安倍首相が常磐道を来年の大型連休までに全通させる、と宣言しましたが、帰還困難区域を縦貫する常磐富岡IC§Q江ICを除く区間が一足早く年内の12月6日に開通します。


(浪江町内の掲示)

飛び地のような開通区間だった南相馬IC¢株nICはこれまで無料区間でしたが、今回から有料になります。そして浪江IC%・株nIC、相馬IC℃R元ICの開通で、浪江IC以北は仙台東部道路につながり、三陸道、仙台北部道路、仙台南部道路と接続し、東北道ともつながります。


(開通この方無料だった)

これまで復興需要や住民の移動で、未開通の相馬IC℃R元IC間にとどまらず、開通区間である南相馬IC(原町)¢株nIC間もR6の移動に時間がかかっていましたが、仙台へつながることで、未開通区間からのシフトだけでなく、既開通区間においても転移が進むものと思われ、R6の通行も楽になるでしょうから、常磐線代行バスのストレスも減ると思います。


(常磐道既開通区間)

さて、今回の開通で北側の開通区間は浪江ICにまで達しました。
浪江町は避難指示解除準備区域なので立ち入りは出来るのですが、防犯対策などで住民など許可を得た人以外の立ち入りを禁止しています。唯一通過交通対応としてR6のみ通れる状態が続いていますが、今回の開通で浪江ICとR6を結ぶR114も一部区間が開放されることになります。

一方南側の北端である常磐富岡ICは帰還困難区域に接する格好であり、R6に出るr36も常磐線のガードから東側が帰還困難区域ということで、二輪車、自転車、軽車両、歩行者の通行が出来ない状態で特別に開放されています。
今回の開通で、常磐富岡IC~r36~R6~R114~浪江ICという流動が増えるのか、それとも、となるのかは未知数です。ただ、足下は交通量は明らかに少なく、相双地区に関係ないクルマ、特に業務用車やトラック系は極端に少ないです。


(常磐富岡ICの4km南で2.29マイクロシーベルトという現実)

それなりに放射線のリスクを明言されている状態で、来春の常磐道全通を迎えるわけですが、放射線量が高いベルト地帯を横断する大熊町から双葉町にかけての区間をどう対応するのか。常磐道も二輪不可にするのか。とあれこれ考えられますが、逆に相対的にR6よりも空間放射線量が少ないエリアを通る常磐道が開通することで、R6の再閉鎖も考えうるのではないでしょうか。

運用が難しいですが(0円でも通行券を発見する必要がある)、常磐富岡IC§Q江IC(流動的には広野IC%・株nICであるべきだが)を無料開放し、通過流動を常磐道に担わせることで、R6を帰還困難区域への出入りに限定して再閉鎖するのです。
幸か不幸か常磐富岡ICと浪江ICの間で平行するR6は9月まで規制されていた区間にほぼ重なるわけで、基本的にその区間で停車してはいけない、という建前であり、常磐道経由としても問題は無いはずです。


(もうすぐ開通)

広野ICと南相馬ICまでR6の代替にすれば、避難指示解除準備区域も含めてパスできるわけで、防犯上も有効でしょうし、除染の徹底を図ることで安全に移動出来ることになります。



公平を理由にした不公平な差配

2014-11-25 01:13:00 | 交通
エアバスA380の導入キャンセルに伴う違約金債務の問題が経営に大きな影を差すスカイマークですが、ここに来てJALとの提携で活路を見出す方向で両社とも動いています。


(神戸に集うSKY)

資本参加などの直接的な経営支援ではなく、羽田便のコードシェアを柱とする業務提携による改善であり、SKYがこだわる自主路線を維持した上で経営を立て直す上手いやり方といえますが、即効性という意味では未知数です。
そもそもエアバスとの違約金交渉も、一時期前払金の全額没収の範囲内という話が確定的に伝えられたのに、ここに来てそれがどうも違うようという話もあります。このあたりはSKYの交渉下手もありますが、注文流れのはめ込み先が見つかっている現状で「手付け流し」以上の要求が妥当かどうか、という話もあります。


(巨人機が徒となり...)

JALとSKYのコードシェアというと、いずれも短命でしたがHND-KIXとHND-UKBでの実績があります。特に神戸便は1996年2月開港で、4月5月の2ヶ月のみ、という超短命だったので知らない人も多いでしょう。
とはいえJALの場合、持分法適用会社とはいえLCCのジェットスタージャパンとのコードシェアを実施するなど柔軟性という意味ではANAより高く、SKYとの提携もそうした経営方針の一環と言えるでしょう。


(かつては神戸にも来ていました)

ところがこの計画に思わぬ横槍が入っています。
国交省が、JALは経営再建中であり、SKYとの提携は国内の競争体制を歪めかねないので好ましくない。と言い出しているのです。
まずはSKYの建て直しなのに、という部分については、レガシーによる経営参加しかない、といわんばかりの対応ですが、いかにJALが国費で経営再建途上にあるとはいえ、国によるあまりにも露骨な「身売り要請」は鼻白むというか、呆れるしかないです。

国が介入するのであれば違約金問題で「公平妥当」な水準に留めるべし、という部分であり、それでこそ我が国の航空業界を管轄する官庁としての仕事といえますが、それを向こうの言い分を丸呑みで、身売りを促す、というのは、羽田枠という財産を持つSKYを草刈り場にしたい、甘い汁に与りたい、という姿勢としか見えません。

国交省の対応で特に不可解なのがことあるごとにANAのことを慮る姿勢でしょう。
競争原理が歪む、というのであれば、SNA、ADO、SFJを「別動隊」として使い実質の羽田枠を増やしているのはどうなのか。先日もSFJを山口宇部に就航させて羽田枠を浮かせていますが、「別動隊」を就航させてその分本体を撤退させて収益性のいい路線を増発、ということがまかり通っていることのほうが「競争原理が歪む」のではないでしょうか。


(別動隊に移管した例)

今回の国交省の問題は、時代錯誤的な行政による介入に加え、公平を謳う対応に不公平があるということでしょう。JALとSKYのコードシェアではANAと別動隊のような事態は起きないのに、なぜJALだけ難色なのか。
そして経営方針が相当拙いとはいえ、独立系の最後の砦であるSKYの「身売り」を露骨に促進しながら「競争原理」を唱える自己矛盾もそうでしょう。言うことを聞かないSKYを取り潰して、LCCに至るまでレガシーの傘下におき、それを国交省が差配する、という航空行政ならぬ航空統制を夢見ているとしか思えません。