Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

インフルエンザ

2005-11-21 11:56:55 | 時事
急に寒くなってきました。
風邪のシーズン、というか新型インフルエンザの流行への警鐘が現実味を帯びており、非常に不安です。特に今年は露払いともいう感じで10月頃から風邪が流行ってますが、これがなかなか治らないシロモノで、先が思いやられます。
風邪をひいていて症状がそれなりの場合、インフルエンザの予防接種が受けられないのですが、新型インフルエンザの流行を確実にしようとする自然界のプログラミングなのかもしれません。

さて、最近一部メディアと医療関係者がインフルエンザの薬「タミフル」の批判を強めています。いわく、副作用での死者や異常行動が多発、また日本が突出して使っている、など、タミフルになにか恨みでもあるのか、という感じです。
これでタミフルが効かないというのであればまだしも、薬効があることは確かであり、新型インフルエンザへの効果も期待出来るという薬ですから、もっと普及するように確保せよと訴えるのならともかく、なぜ「シーズンイン」を目前に控えたこの段階でネガティブキャンペーンを張るのか、その真意を疑います。
新型インフルエンザは「新型」ですから従来のワクチンでの対応が出来ません、と言うかわかりません。しかし、ウィルスの型に応じて対応するのではなく、ウィルスを活性化させないと言うタミフルなら対応が可能とされているわけです。その意味で新型インフルエンザが最初に流行した時、人類が持つ唯一の対応策といえるのに、なぜそれを否定するのか。

インフルエンザは「流行性感冒」と言われて来たように、風邪(感冒)の一種と思いがちですが、全く違います。風邪は治せませんが(発熱、鼻水、咳への対症療法を超える治療は無い)、インフルエンザは「治せます」。逆に、風邪をひいたら暖かくして安静に、と言うのは治療法が無いがゆえに正解ですが、インフルエンザの場合は適切な対応をしなければ重篤化するだけです。
タミフルが効くのはひきはじめの48時間以内であり、それを過ぎるとブロックが不可能になり効きません。それでも完治はしなくとも、重篤化することを防止することは期待出来るわけです。

インフルエンザは甘く見ると命を落とします。それなのに予防接種にしろ今回のタミフルにしろ、なぜか対応を否定して罹患可能性を高めようとする勢力が出てくるのが非常に不思議です。
予防接種についても、接種チームと非接種チームの結果に差が無かったとして、副作用だけが強調されて94年に集団接種が廃止されましたが、97~98年の大流行を経て、各家庭で予防接種をするようになっているのはなぜでしょう。予防接種の効果と、大流行時の悲劇の体験により、「予防接種は意味が無い」という公式見解の胡散臭さを身を持って感じているからでしょう。

おりしも最近、その当時の大流行の原因が、集団接種の廃止により罹患、流行しやすくなった学童が各家庭に持ち帰り、家庭内で感染し、老人や乳幼児に重篤化が顕著に表れたと言う調査結果が発表されています。当時、「上の子が罹って、家中が罹った」という話は曹「て捨てるほど聞いていますが、この調査結果はその「事実」を証明した格好です。
脳症に対する意識が低かったこともありますが、あの大流行時、乳幼児が脳症になると、1/3が死に、1/3が後遺障害を得るという悲惨な結果だったことは忘れられません。それだけの危険性を秘めた病気でもあるわけで、完治せずとも症状を和らげるだけでもタミフルには意味があるのです。
ましてや、他の薬で対応出来ない「新型」の流行の危険性があるのであれば尚更です。

ここまでタミフルを叩くのを見ると、国民がインフルエンザで落命するのを望んでいるのか、それともタミフルの確保が政府などの不手際で遅れまくっているのに、使用量を抑制させることで誤魔化そうとしているのか、いずれにしても「為にする」話以外の何物でもないように感じます。