Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

アフリカのラストエンペラー

2005-11-09 21:04:47 | ノンジャンル
末{なんですが、ちくま文庫から出ているハイレ・セラシエという本を以前読みました。
1974年に革命により退位させられ、翌年死去(革命政権による処刑説が強い)したエチオピア最後の皇帝の側近へのインタビューで構成された、帝政末期から退位までのドキュメントです。
側近が入れ替りに一人称で語る構成なのでとまどうのですが、人の目を通じた歴史という意味では取っ付きにくいけど面白い本です。

世界最古の帝国と言われ、ソロモン王とシバの女王を開祖とするエチオピア。飢餓と内戦に喘ぐ最貧国と言う現状からは想像もつきませんが、革命まではアフリカでも有数の文化と文明があり、アフリカの有力な国でした。
おきまりの貧富の差、そして宮廷高官の腐敗で土台が腐り続け、皇帝が進めた近代化は、西欧にその範を取ることで、帝政に疑問を抱くインテリ層を育てると言うパラドックスを内包していました。
しかし、皇帝は、絶対政から緩やかに政治の近代化を導入しようとしたテクノクラート、そして開明な皇族も許さず、最後の年を迎えるのです。

社会の不満がピークを迎える中でも、国民の有史以来の流れを汲む皇帝への信頼と忠誠は高かったのです。そして体制変革を目指す軍部を中心にする勢力が実権を握り、腐敗した宮廷高官を次々と粛清して、帝国の改革を進めていきます。最初は貴族、やがては皇族もまた一人消えていき、皇帝の周りにはわずかな側近のみとなり、いつしか軍部に軟禁された格好になっていました。

やがて軍部は、社会の不満を皇帝に向けていくようになります。国富の独占、海外の隠し預金、様々な「新事実」が国民の前にさらけ出されるようになると、次第に皇帝への信頼が薄れてきました。
実権をほとんど奪われ、周りを支える高官もない状態で皇帝の権威には見る見る落ちていきました。

軍部が立ち上がってから7ヶ月。満を持したかのように軍部の代表は皇帝に退位を要求。なすすべもない皇帝は退位し、そのまま幽閉されました。
皇帝の名のもとに改革を行う形で姿を現し、だんだんと実権を剥いで行き、遂には革命に至る。歴史上例の無い7ヶ月に及ぶ巧妙な調略とも言える革命(「月賦革命」とも言われたらしい)により、世界最古の帝国と、国民の絶大な信頼と忠誠を集めていた皇帝はその座を追われたのです。

その後の歴史については触れるまでもないでしょう。
アフリカ諸国で一目も二目も置かれていたエチオピア。その地位の源泉であった歴史を失ったあと、革命勢力内の内訌を制した過激派により社会主義政権が誕生しました。
しかし、飢餓と貧困、さらには隣国ソマリアとの戦争とエリトリアでの内戦。17年の革命政権のもとでエチオピアは見る影もなくなりました。
社会主義政権が崩壊してももはや復活する力もなく、現在に至っています。



訃報

2005-11-09 11:32:16 | 時事
本田美奈子さんが白血病で亡くなりました。
アイドルに熱を上げるということもなかった私ですが、それでも彼女のヒット曲くらいは知ってましたし、夏頃でしたっけ、券\ニュースで順調と言うように聞いていただけにショックです。
発症から10ヶ月程度の闘病だそうですが、若いと早いですね、ガンの類は。

で、月曜の民放のニュースでは、各スメ[ツ紙が1面で取り上げていると伝えてましたが、大阪発行は違ってました...
日曜に大きなスメ[ツイベントやニュースがあったわけでもないのに、訃報記事が1面に載ったのは半分程度。何があっても年中阪神という揩ナもあるのか、井川のメジャー行きを球団が拒否というような、一般紙ならそれこそ雑報レベルの記事がトップに座っているあたり、関西におけるニュースバリューの尺度というものに暗澹とします。

これがシーズン中で、試合があったりしたらまだ分かるんですけど、ストーブにもなってないレベルの話です。ちなみに、シーズン中(オープン戦)だと、昔レーガン大統領(当時)が狙撃された時、一般紙に加え、各スメ[ツ紙も「レーガン撃たれる」と1面にしたのに、報知だけ「江川打たれる」だったと言う話を聞いた事があります...