Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

時事あれこれ

2005-11-30 18:09:02 | 時事
あれやこれやと憂鬱なニュースが多いです。

広島市の少女殺害事件でペルー人の男性が逮捕されました。
朝、新聞受けから新聞を取った瞬間、1面に踊る大見出しに仰天し、TVをつけると逮捕の報道が流れていました。
予想外の結末でしたが、自宅用に買ったコンロの空き箱をそのまま使うと言う安直な手口に、こんなに後先も考えない感じで簡単に殺してしまうんだと背筋が寒くなります。


外国人に対する偏見はいけないこととは言え、犯行の動機、抑止力、モラルなどその他あらゆる面で我々日本人の「常識」が通用しない形態での犯罪を相次いで目の当たりにすると、どうしても警戒感を抱かざるを得ません。
実は去年、子供が通う学校の近所で外国人の不審者がいたと言う情報があり、パトカーが来る騒ぎになったのですが、幸い被害はありませんし、怪しい出来事ですら無かったようです。そのあと学校から顛末に付いての報告が回ってきたんですが、その校長名での報告に、「今回の外国人が白人だったら『不審者』と考えたでしょうか?」と、暗にアジア系や中近東系あたりへの偏見が今回の騒ぎにつながったのでは?とでも言いたげな文章がわざわざ書かれていたのには呆れました。

そんな性善説が通用しないということは最早常識であり、日本における外国人犯罪を国籍別で分類したら、それは「偏見」ではなく数字に裏付けられた最小限の危機管理だと言うことがわかるはずですが、小さな子供たちを預かる校長としては非常に不見識であり、保護者としては不安を禁じ得ません。
実際、今回の広島の事件の後、1日だけ集団下校をして見ました、という対応ですし。

ちなみに、こうした「アジア系」などに対する偏った「性善説」ですが、我が家で取っている今朝の某新聞は「ペルー人」と大見出しを打って犯人の国籍をことさらにあげつらっているわけです。
一方で社会面の片隅には六甲道駅近くのパチンコ店の脱税の記事が出てましたが、社長の名前、他紙やニュースではアジア系の名前だったはずなのにこの新聞は日本人のような名前で出ています。ペルー人だと大見出し、アジア系だとこの扱いはどうしてなんでしょうね。校長の対応も、同じ考え方なんでしょうか。

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もう一つ時事ネタ。

例のインチキマンション、船橋の物件が多いのですが、船橋の案件が発覚するたびに現場ではなく船橋市役所が出てくるのには苦笑です。市が確認を見逃したり、確認機関を任命したわけではないし、市役所の設計がおかしいわけではないのに...

そのマンションですが、分譲なのに退去命令が出たケースで、転居費用や新居の取得費用への公的援助を住民が求めることに対する風当たりが意外と強いです。
震災被害や手抜き建築では建築主(売主)が飛んだら泣き寝入りなのに、という「公平論」での否定はもっともらしく見えます。

でも、今回は性格がかなり違うんですよね。震災は自然災害ですから誰の責任も問えませんし、手抜き建築は施工が全面的に悪いわけです。
ところが今回は、建築確認という法律で定められた手続が舞台になっているわけで、それを擦り抜けたことに対する責任が問われるのです。

もちろん、本来確認業務を行うのは自治体であり、その注意義務違反の程度で責任の所在とレベルが見えてきます。しかし今回は「民間の確認機関」による「犯行」なんです。しかも、書類に「ミス」があったというような「過失」ではなく、「故意」というところが問題です。
もし、確認機関がそれを知っていたという「故意」、もしくは容易に知り得たのに見逃したと言うような「重過失」の場合、確認機関は「件の建築士に騙されました」と主張出来ない立場になります。
そしてこの時、確認機関を指名した国(自治体ではない)の管理監督責任が出てくるのです。

建築基準法では確認機関が確認業務を行う根拠は国の認可と指定であり、勝手に業務をしているわけではありません。それなのに一切の責任を免れるのであればこれほど楽な話はありません。
確認機関が相当のザルだった場合、指定した国の責任は十分問えるでしょう。

そう、別に住民が可哀相だから金を出せ、というのではなく、責任者として金を出せ、という所に今回の本質があるのです。