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Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

あらゆる傍証が示している実在を前提に検証できない人たち

2025-06-20 21:01:54 | 歴史
ネトウヨ政党がいわゆる「南京事件」に対する政府の見解を問いましたが、政府は殺害や略奪の存在自体は否定しない従来通りの主張を下敷きにした答弁書を出しました。
まあ政府は模範解答というか想定問答でいなした格好ですが、ネトウヨ政党側は「南京事件」の否定を引き出したいわけで、その手は桑名の、というところでしょう。

この問題が我が国言論界をにぎわすようになってもう半世紀以上の歴史を誇る?わけですが、一方で「虚構」の証拠が出てくると期待していたら、不祥事の事実を示す証拠が出るわ出るわという有様です。もちろん中国側が主張する犠牲者30万人といった「大虐殺」もまた証拠がないレベルの誇大宣伝ですが、当時の南京で日本軍による問題行為が少なからず発生したことは疑うことのできない事実でしょう。

まず何よりも昭和天皇を筆頭に直宮など皇族から南京での問題が語られているわけです。まだ当時従軍していた人が普通にいた時代に編纂された戦史やその他資料にも記載がありますし、いわゆる陣中日誌にも多数出てきます。
ですから議論は「南京事件」の存在自体を問うことは最早出来ない状態で、では実際はどうだったのか、という数的な部分の検証がアカデミズムのメインであり、また「まぼろし派」とも呼ばれる否定派も略奪や暴行など軍規違反が存在したことは否定できず(実際に記録として残っている)、さらに民間人の殺害は便衣兵として国際法上保護されないという主張で、死んではいるが殺害ではない、という定義の問題にしています。

まあこの半世紀、議論百出でしたがどうやら着地点は見えてきたわけです。それが敗戦後80年が経過してさすがに一次証言を得られなくなり直接検証できなくなったことで歴史を修正しようとする動きでしょうか。まさに「歴史戦」といえますが、中国など他国の歴史修正には反発する国士様御用達新聞などは、自分たちを鏡で見よという行動をしていることに気が付かないようです。

政府の公式見解がいわゆる「近隣諸国問題」の妥協であるという批判もありますが、だからといって殺害や略奪といった事実を否定できるものではないことがこれまでの研究や証言で確定していると言えます。あるいは中国側の同様の行為を挙げる向きも少なくないですが、そういう相対化で可能なのは「どっちもどっち」という評価までであり、否定はできません。あおの人だってやってるじゃない、という大阪のオバちゃん論理が自分の違反行為を否定は出来ないというのと一緒です。
前にも指摘しましたが、関東大震災時の「朝鮮人虐殺」を否定すると鳴り物入りで今でいうところのネトウヨ雑誌に連載された記事がいつまで経っても「それはなかった」という内容が出てこないままに終了し、単行本で確認したら何のことは無い、朝鮮人によるテロ行為やその陰謀があったから殺されて当然という杜撰な理論に匙を投げたのを思い出しますね。

結局トンデモが紛れ込むから中国側も「犠牲者30万人」を取り下げる気は毛頭ないという状態です。そしてそれを訪中する海外首脳に示すのですから大いに国益を損なっています。別件で過去の海外出張などの写真を確認する機会がありましたが、中国の中央電視台のニュースでチェコ大統領が南京の記念館を訪問し献花、と「30万人の犠牲者」と英語と中国語で書かれているのを背景にした映像が世界に流れていたのをキャプチャーしており、隙だらけの理論で反論になっていないおかげで国益がどんどん損なわれているのがよくわかります。







皇太子「未定」論が目論む「廃太子」

2025-06-03 21:04:55 | 歴史
皇位継承問題で宮内庁が「君側の奸」である問題、政府もまた「馬の骨」王朝を狙っていることは明白でしょう。
政府や政権与党の幹部経験者が、実際には直接受け継いでいない皇室との「血縁」を強調した「系図」をひけらかしているわけで、こうした「上級国民」と「血縁」になる「馬の骨」がすでに決まっていて、新しい「貴族」が生まれるのでしょう。(配偶者の兄弟姉妹のさらに配偶者のいとこに女王殿下が嫁がれた、というレベルの「系図」もありますね)

そうした中でネット界隈では工作員が陰に陽に世論を誘導しようとしていますが、最近のトレンドは「皇太子がいない」「いまの皇位継承権者は暫定」というものです。
やはり出てきたというか、政府や宮内庁の「馬の骨」王朝へ向けての地ならしを果実にしようとする動きですね。確かに皇室典範では皇嗣たる皇子を皇太子という、とあり、皇兄弟、皇伯叔父とその子孫は「皇子」ではないので皇太子とはいいません。ただし天皇を継ぐのは皇太子ではなく皇嗣と明記されており、現在皇嗣は秋篠宮殿下であることは立皇嗣の礼をもって確定しています。

皇室典範特例法では上皇陛下の譲位にともなう皇嗣は皇太子の例による、としており、法的に皇太子同等としていますが、であれば「立太子」とすればいいのになぜか「立皇嗣」と一段下げたわけです。特例法で典範のバグを塞いだというのに、あくまで「皇太子」ではない、と宣言した格好になったのは政府の思惑が強く疑われます。なお歴史的には兄弟であっても「皇太子」になるわけで、そこをあえて「皇太弟」としたことで「治天の君(天皇の父たる上皇で院政の主体)」になれなかった怨念が崇徳上皇による保元の乱につながっています。

そもそも「皇太子」が立太子の例を経て確立していても「暫定」ですからね。先帝崩御、あるいは特例法による退位時点で「皇嗣たる皇子」が即位(践祚)しますから、皇太子にご不例が生じれば当然変更となります。もちろん男子たる皇長子が誕生すれば皇位継承順位は繰り上がりますのでその意味でも「暫定」ですが、現時点で皇位継承が生じたら皇嗣たる秋篠宮殿下が即位(践祚)することは確定であり、それをあたかも未定のように触れ回るのは悪質なデマであり印象操作です。

このあたりは政府の中でも現行の皇位継承順位をひっくりかえすことはあり得ないというコンセンサスがあり、また「愛子内親王殿下待望論者」の中でも、じゃあその次は配偶者の子孫になるということまで考えていないとか、順位をひっくり返すことの重大性に気づいていないとか(歴史的に見ても「廃太子」は重大事)、そこを理詰めで問われたら考え直しそうな空気があるわけです。じゃあ秋篠宮殿下、悠仁親王殿下の次、となるとそこから近い血縁となるわけで、まずは悠仁親王殿下の子孫であり、それが内親王殿下でも先順位になります。さらに姉である佳子内親王殿下を女性宮家として皇族のままにすれば先順位ですし、女系継承を容認するとしても皇族による男系継承が不可能になった時点ですから、かならず秋篠宮家が先になります。

この指摘はようやくメジャーになっていますが、「馬の骨」派にとっては女系相続を認めてもなおハードルということで、じゃあどうすればいいかと悩んでいるんでしょうね。歴史上「廃太子」は権力闘争か軍事的敗北であり、歴史上「廃太子」は南北朝合一時に南朝最後の後亀山天皇の皇太子が、北朝の後小松天皇への合一により皇太子ではなくなったのが最後です。平安期には藤原氏系の皇子をねじ込むために廃太子にするというケースもありましたが、とにもかくにも異常事態という歴史の審判を受けることになりますし、しかも我が国開闢以来初めての「王朝交代」に伴う「廃太子」となると言い訳が効かないでしょう。

ですから「皇太子」不在と言い始めているわけです。壬申の乱で大海人皇子が弘文天皇を倒して天武天皇になりましたが、天皇相手では例え皇子でも大逆になるので、あくまで即位前の大友皇子であり、皇位継承決定戦だったとして正当化してきたのと相似形です。「皇太子」ではないのは皇室典範のバグなのにそれを奇貨にまだ決まっていないとデマを流して「廃太子」ではないという地ならしを図っています。

なお光仁天皇とその子供の桓武天皇以降はいわゆる天武系の皇位継承は無く、明治維新後に大友皇子は弘文天皇として歴代天皇にカウントされるようになっており、「皇子」による「天皇」打倒というスキームが公式に認定されています。
ただし天武天皇が大逆である弑逆を行ったとは口が裂けてもいえないのでそこはだんまりです。大津皇子や有間皇子など謀反の疑いで葬り去られたケースとの整合性が取れませんけどね。現在の皇統が歴代の代数にカウントされない北朝系であることも含めて、ご都合主義ではありますが。

こうした歴史の先例を引用できるのも、少なくとも継体天皇以降1500年以上王朝交代がなかった「神武朝」だからこそ可能な話です。それを断絶させようとしているのは誰か。歴史の関頭に直面しています。
なおこれらはあくまで「俗世」の話であり、「天皇」という存在には神道の宗家という宗教権威としての存在が不可欠です。政教分離の建前から神道行事は政府などの議論の外になってしまっていますが、「天皇」の根幹にかかわる話です。

それが男系男子とだれが決めた、と開き直った議論も出てきていますが、理屈ではありません。伝統です。女人禁制のお祭りを開放する、というような話ではありません。それを政治で決められませんよね、政教分離ですから。「国家神道」の逆で、国家が宗教に教義を強制するという事態が許されるのか。「偽天皇」が伊勢神宮に上がり込むのか。大嘗祭を行えるのか。

ウルトラCとして世俗の分離もあり得ますが、そうなると宗教的権威の側面がない「天皇」って何、という話になり、憲法の例外として認められないという話になります。当然宗教的権威としての男系男子が存在するわけで、南北朝ではない「真贋」の並立という状態になった場合、国が割れますよ。南北朝も本願寺の東西分裂もどちらも正統を主張しての対立でしたが、偽物を戴く逆賊という主張が成立しますからね。「正義」が存在しないのです。

唯一愛子内親王殿下の即位と皇統が両立するのは旧皇族との婚姻ですが、それを否定するのが「馬の骨」派ですからわかりやすいです。「神武朝」を何とかして終わらせるという方向性ですから。



憲法の例外が存在し得る条件を捨てたらどうなる

2025-06-01 11:54:56 | 歴史
「馬の骨」王朝推進派、というかはっきり言えば愛子内親王殿下とその子孫への皇位移行を目論む勢力が必死ですが、必死になればなるほど矛盾が露見してきます。今回読売新聞が「馬の骨」派であることを旗幟鮮明にしましたが、「保守派」とみられるエリアにも浸食が進んでいるのをみると、皇位簒奪はもはや手遅れなのかもしれません。

さて女性皇族の問題にしても、配偶者や子供の身分をどうする、という部分、女性皇族が皇族として残る以上、少なくとも配偶者は「皇族」でもおかしくないわけです。いまでも男性皇族が結婚すると配偶者は皇族となり「○○さま」(公式には妃殿下)となりますよね。問題なのはその子供であり、ここは皇族にはならないというだけです。ただ家庭内で身分が異なるという問題が発生するわけで、だからこそ非現実的な案です。

旧皇族の場合はもともと約80年前まで皇族だった家系であり、GHQの意向で臣籍降下を余儀なくされたわけです。まさか形式だけを見て自発的に臣下になったとかいう間抜けはいないと思いますが、11宮家の中には臣籍降下反対派(しかもそれを公言していた)皇族がいた中で、昭和天皇が臣籍降下するしかないと示して全員が臣籍降下したという歴史的事実を無視しています。ですから皇族に「復帰」するハードルはそこまで高くないわけですし、臣下から復帰して皇位に就いたり、親が降下している間に臣下として生まれて復帰して皇位に就いた先例があるわけで(宇多天皇、醍醐天皇)、先例という意味でもおかしくありません。

女性皇族が旧皇族の男系男子と婚姻した場合は皇族の地位を維持する、ということであれば、子孫も皇族です。男子は当然男系男子で、女子もさらに男系男子と婚姻すれば残ります。旧皇族によっては明治天皇や昭和天皇の女系の子孫でもあり、女系で長子相続と主張するのと大差がありません。一番近くて「はとこ」ですから一般的に親戚と見做される範囲でしょう。(限界チックですが)

元明天皇から元正天皇への女帝同士の親子継承を女系継承というトンデモがいますが、元明天皇は草壁皇子の配偶者であり、草壁皇子は天武天皇の皇子です。ですから天武→草壁→元正の男系継承であり、次代は甥の聖武天皇です。(草壁皇子の皇子である文武天皇の皇子という男系継承)男系男子が配偶者として男系継承をつなぐケースは、旧皇族による男系継承と同じ構図です。

配偶者への身分付与を憲法が定める門地差別禁止と絡めて論じる人がいますが、そもそも皇族の存在自体が門地差別と華族貴族の禁止に抵触するわけで、なぜ例外が許されるのかというと、それが「天皇」だからです。「天皇」は歴史的、文化的な存在でもあり、単に国家の機構として君主を置くのとは違います。「天皇」だから仰ぐのであり、馬の骨が「天皇」と名乗ってもそれは「自称」であり憲法の例外として許容される歴史的、文化的存在である「天皇」ではなく、門地差別と華族貴族禁止の問題がクリアできなくなります。そう、現憲法体制下で新しい家系を「天皇」とはできません。「神武朝」だから認められる例外に過ぎません。あるいは大統領制のように決められた任期に選ばれたその人だけが君臨することは門地ではないので可能ですが、親族を特別扱いした瞬間に憲法が禁じる門地による差別(優遇)になります。



宮内庁に巣食う王朝交代派

2025-05-30 20:23:51 | 歴史
もとの秋篠宮家の内親王殿下だった方に子供が生まれたそうですが、宮内庁が当初発表しなかったことが議論を呼んでいます。民間人だからと言いますが、降嫁された元内親王、女王に子供が生まれた際には宮内庁が発表してきたわけで、将来の天皇の甥か姪にあたる人の情報ですから、発表があってもおかしくはないです。

宮内庁では宮家の意向を盾にしているようですが、結局「メディアで報じられたから」と発表したわけで、こういう妙なことをして回ることで秋篠宮家バッシングを誘う格好になっています。
皇位継承権第1位と第2位の皇族がいる秋篠宮家に対する宮内庁の姿勢は明らかにおかしく、今回もあからさまにトゲのある表現を「オク」の職員とはいえ所詮は木っ端役人風情が皇族に対して言い放つという異常事態、不敬行為です。
反面宮内庁は皇位継承権者でもない愛子内親王殿下をしきりに持ち上げる発表をしているわけで、正しい皇統の維持という視点で見ても「君側の奸」どころでない存在です。

おそらく修復不可能なくらいの対立があるんでしょうね。しかも本来は「主従」としてあるべき姿は明白なのに、宮内庁が嫌がらせのようなことをしているわけです。バッシングもさせたい放題で、宮内庁が王朝交代への旗を振っていると言っても過言ではありません。そういう状況を踏まえれば、宮内庁からの発表どころか秋篠宮家も宮内庁への情報提供もしていないんでしょうね。乳児がバッシングの対象になりかねない。それを足掛かりに秋篠宮家バッシングが激化する。誰が見ても可能性が高いリスクを踏まえると、少なくとも宮内庁に差配させることはない、となります。

ちなみに愛子内親王殿下の即位、そしてその先に男系ではなく長子相続、という主張は、今回のお子さんが天皇になるようなものということがわかってるんでしょうかね。秋篠宮殿下の長子の元内親王殿下での長子たるお子さんです。
いやいや、「天皇」の長子だから、と受け入れますか?どうせダブスタ全開で例の夫君の子孫だから認めない、という人が続出でしょう。女性皇族問題でも、夫君とそのお子さんに皇族の身分を与えるのか?例の夫君なんか真っ平御免、と堂々と主張する人が少なくないですよね。でも愛子内親王殿下の場合はいいんですからね。

そうそう、皇位継承順位を正しく運用したうえで女性皇族や女系相続まで延長するのであれば、悠仁親王殿下が起点になり、何もなければその子孫に続き、もしお子様を儲けられなければ、今回の元内親王殿下とそのお子さん、次いで第二子の佳子内親王殿下と(儲けられたら)そのお子様、となり、愛子内親王殿下と(儲けられたら)そのお子様はそのあとですからね。6番手です。


結局それはマイナンバーで実現するもの

2025-05-27 21:30:57 | 歴史
こうした「統一」には住所もありますね。
郵便会社が7桁の個人紐付けの番号を導入すると発表しましたが、地域には郵便番号があるわけで、個人紐付けならマイナンバーがあるので、重複した公的規格もどきが誕生するという無駄です。

住所にも住居表示と地籍があり、本籍が住民票の住所と同じ場所なのに地名が違う、というケースがザラです。
本籍制度そのものを否定する人も少なくないですが、本人とその家族(親子関係)を公式に記録するというシステムは、相続などの前提になるわけで決して無駄ではないですが、例えば皇居を本籍にできるとか、住んだことも縁もゆかりもない住所を本籍にできるというトンデモ仕様が問題です。

本籍=マイナンバーとし、住民登録先しか住所情報は持たないようにすればいいのです。住所は住民票住所で統一されますから泣き別れは無くなりますし。京都のような複雑な地名も住民票住所であればそれに従います。ただ京都は同じ地名があるという問題点がありますが、同一の基礎自治体内で同一の住所名(番地だけの場合は番地も)は不可、とすればいいだけです。伝統ガー、というでしょうが、住所はIDでもありますから。そうすれば戸籍と住民登録の統合が実現し、しかし必要な機能は残ります。マイナカード取得でどこでも住民票や戸籍謄本が取れると謳うくらいですから、少なくとも居住とリンクしない「本籍地」の概念は意味がなくなっています。

不動産(土地)の登記のように位置や面積まではっきりさせないといけない、というレベルでもないわけですが、そこに住んでいる、という状態を示すという意味で住民票住所をベースにすればいいでしょう。なお単身赴任や進学のように別の場所に住むという事態に対するルールが追いついておらず、単身先を住所にすると実質1つの世帯が分離するとか、契約関係でおかしな話になるとか弊害が出ており、厳密には法律違反の便法を取るしかない状態です。

余談ですが住宅ローンの契約なんかはその典型で、ローン実行で代金支払、住居引き渡しになるのですが、抵当権設定をするための借主情報として「新居に住む借主」であることが求められます。ところが入居は普通契約上の引き渡しの後ですから、居住実態がないのに住民票登録を求められます。これは当然「違法」なんですが、天下のメガバンクがそれを要求し、また法務局もあり得ない状態の書類で登記しているわけで、整合性があるルール変更が必要です。(金融関係では一切の根拠条文がない譲渡担保という大物がありますが)

なお土地に関しては未だに不正確な「公図」に頼っており、地籍調査はまだ都市部で1/4も終わっていません。所有権にかかわる話なので簡単にはいかないというのは分かりますが、本来はある程度の割り切りで強権的に確定させないといけなかったのに、個人に配慮しすぎた格好です。相続登記の義務化もスタートしたことですし、1軒の家が数筆の土地に建つというような「矛盾」も含めて職権で修正してしまう必要があるでしょうね。住所と現況の一致で、居住と所有、貸借・用益が全て一つのデータソースに収斂できます。それこそがデジタル化ですが、現状は昭和どころか明治レベルが残っています。(公図は明治が起点。いわゆる14条地図とともに公図もデジタル化されているというが、単に画像データになっているだけ)

現況との不一致の中には公図の問題もあれば、相隣関係の問題もあり、意図的な侵害が固定化されているケースもあるので一筋縄ではいきませんが、現況を現実と割り切るしかないでしょうね。そもそも地租対応の公図だったこともあり実態より狭く見せかけることが横行していた事情もあるので、面積も現況に修正するしかありません。登記上との差異が発生して資産が目減りするという批判もあるでしょうが、価値は平米というよりも現況で決まりますから。極端な話をすれば、登記上100平米の土地でも現況が50平米しかなければ、その土地を使う際には50平米相当でしか使えませんから、それに見合う価値にしかなりません。(固定資産税は増減します)

まあ「住所」の統合だけでも急務でしょうね。そして民間ではなく国による管理。それは当然マイナンバーがベースです。
ここまできてようやく諸外国の国民IDと同じ土俵になるという遅れっぷりですけどね。途上国でもさらにこれに口座情報を紐付けして給付金をプッシュ型で振り込むというような迅速な対応を実現していますからね。