庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

国や自治体の適切な政策がバイオ燃料の開発を促進する。

2015-11-01 | バイオ燃料・バイオマス

日本が「電力の再生可能エネルギー由来への転換」が遅れてしまった理由は、経済産業省につながる「原子力族」が、妨害してきたことによる。

原子力の電力ばかりを優遇する方針にして、再生可能電力は、一定の育成策は終了したと勝手に宣言して、優遇策を縮小してしまったのである。

それ以来、民間企業の研究開発は、完全に失速して世界の開発競争のながれからは、周回遅れの地位に転落している。

「脱石油燃料」の政策では、原子力発電の電力に頼る【愚策の構想】により、自動車用の石油代替策は、実質的には進歩を止めてしまった。

 

一方では、アメリカの様な自動車交通に依存した大陸国は、石油からの依存度を減らす為には、国費を長年に渡って膨大な研究開発金額を投じてきた。

2000年初頭では、「トウモロコシから作るエタノール」を、自動車用の混合ガソリン(10%エタノール混合)の使用を、割高の段階でも義務付けてきた。

トウモロコシを原料とした時代から、次世代は、「植物のセルロースからエタノールを製造」する課題に、多くの企業が研究投資をし、国が援助してきた。

その進化の中身は、企業機密であるから、日本にはほとんど成果が伝わらない。

 

最近のニュースによれば、アメリカオハイオ州で、デュポン社が建設していた「セルロースエタノール工場」が、操業を始めたと伝えられた。

トウモロコシの葉や茎のセルロースで、年間37万トンの原料を半径50km圏内の農家から調達して、生産される。

この製造されたエタノールは、カリフォルニア州に送られて、自動車用の混合ガソリン燃料として使用される。

カリフォルニア州では、[CO2排出]削減計画の推進策があるので、割高の段階でも積極的に利用が進むのである。

 

この工場建設とトウモロコシ残渣セルロースの供給で、アイオワ州の500軒の農家の仕事が増加し、近隣では150人の仕事が創出されている。

この様に、農村部への仕事の創出とエネルギー源の対外供給によって、地域経済の向上に貢献する事業モデルとなる。

デュポン社は、この工場で使う革新技術による「セルロースバイオ燃料」は、風力エネルギーや太陽光エネルギーと同様に、地域社会に貢献できるとした。

適地があれば、世界のどこにでも、同じ技術を移転する方針で、中国の企業や、欧州ハンガリー、マケドニア共和国にも、技術移転の動きを始めている。(続)


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