日本の活性化を図るには、「GDP成長目標」を掲げるのも、判り易い数値目標として看板には良いかも知れない。
しかし、経済成長の中身に目を向けて、活性化に貢献する成長と、そうでないGDP数値の増加だけになってしまうのを、区別しなければならない。
その典型が、先に説明した「燃料電池自動車」の育成策である。
この分野のGDP増加は、富裕層だけへのお金の還元であって、社会全体への波及効果は全くない。
むしろ、【水素ステーション】の様な負のインフラの拡大で負担が増えてしまう。
経済成長に貢献し、地域社会の経済活性化に波及するのは、『再生可能電力事業』であることは、言うまでもない。
太陽光発電は一時的な投資ではあるが、20年以上もの間に発電を続けて、最終的には地域電力の担い手として、貢献し続ける。
もちろん、適切な保守、管理、修理などの仕事が地元に残り、雇用機会を確保しながら、電力を供給し続ける。
従来の様に石油や天然ガスを輸入し続けるのでは、貴重な外貨と雇用の機会を海外に持ち出し続けてしまう愚策の継続になる。
電力以外もエネルギー分野でも、新技術の開発を国策として継続的に支援をすれば、日本の将来を担える新産業に発展できる分野は、数多く存在する。
そのひとつに、このブログでも説明してきた『バイオマス由来の燃料』の開発であり、具体的には、『ジェット燃料の脱石油化』である。
詳細は10月13日~22日のかけてのブログで、十分に説明しているので、省略するとして、要点は、「国内産のバイオマス原料でのジェット燃料生産」である。
今までは、石油の様な燃料は、逆立ちしても日本国内では生産できないが、「バイオマスの栽培」による「燃料生産の技術」は、すでに研究が進んでいる。
これからの段階は、市場競争原理に任せているだけでは、世界の中での開発競争に後れをとり、事業化の先陣は、欧米企業に独占される懸念がある。
まずは、日本国内での気候条件や地理的条件に適したバイオマスで、どこよりも先に栽培技術、培養技術、燃料製造技術で、先頭を走る必要がある。
『二番手では、ダメなんですか』という{誰かの妄言}では。ダメなんです!
一番に始めて、見えない段階から苦労する「研究開発力」と、リスクを十分に検討して、[大胆に投資する起業家]を選抜するのが、国力の基盤になる。(続)