日本の沿岸で大量に栽培可能な「大型海藻類」が、将来の「バイオ燃料の原料」になる可能性に、研究開発を集中すべきである、とこのブログで書いてきた。
それに賛同してもらえることは、歓迎したいことですが、ひとつ、付け加えたおきたい懸念があります。
「大型海藻からバイオ燃料」と言うと、バイオ燃料の原料になる油脂を、海藻の体内に効率よく作りだす「品種の開発」に、進みだす研究を始めてしまう。
この研究課題は、確かに最終的には必要な課題ですが、あまりにも、時間がかかる恐れと、膨大な研究費が必要になる懸念があるテーマです。
初めに書いてきた様に、「脱石油燃料」の開発は、早急に実現しなければならなり、「実践的な開発が必要」になっている。
今から、品種改良や新品種の発見を試みる様な、何時になったら実現出来るか不透明の研究に、時間とお金をつぎ込む余裕はない段階である。
その点で、「大型海藻類からエサを抽出」する原理は、既に研究が実現している。
そのエサを『従属栄養型藻類』に与えて、バイオ燃料の原料となる油脂を体内に生成する品種(オーランチオキトリウム属の藻類)が、実在している。
あとは、この一連の工程を組み合わせて、効率的な量産体制を組みたてることにあるので、研究費や時間は、最小で済むことが特徴である。
それが理解されれば、後は民間企業が「積極的に取組む意欲」を引き出す様に、政府が「インセンティブを明確にした政策」を打ち出せばよい段階である。
そのインセンティブとなる政策としては、生産された成果物「バイオジェット燃料」を、あらかじめ『設定された価格で買取り保証する制度』である。
これは「再生可能電力の固定価格買取り制度」で、今では常識になった、「成果物に対するインセンティブ政策」として、効果的であることは実証されている。
その買取り保証価格と市場での取引価格の差額分を、公的な資金で賄うには、財源が必要になるが、それには、「ジェット燃料賦課金制度」を活用する。
この賦課金制度は、ジェット機利用者に対して、公平に負担をお願いすることで、もっとも負担感の少ない、公平性の高い財源調達方式である。
国民から税収として集めた税金を投入することは、今の様な財政赤字の体質を助長することになるので、やるべきではない。
ジェット機利用者は、日本の中では、比較的に収入にユトリのある層が大半なので、増税感や負担感が少ない層が支える仕組みである。(続)