なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

膀胱内の尿カテーテルが出てきた

2015年06月09日 | Weblog

 リウマチ膠原病を診ている小規模病院から電話が来た。そこの病院で看護師をしている28歳女性を紹介したいという。4日前から発熱・下痢が続き、昨日は血便も何度かあったそうだ。こちらの市内に住んでいる女性なのでということだった。既往として、10年前に胃腸炎(嘔吐・下痢・腹痛)で、5年前に虚血性腸炎で当院に入院していた。最初の入院は私が主治医で、点滴のみで軽快退院している。2回目も外来で私が診て、血便があったので消化器科で大腸検査を依頼した。内視鏡所見で虚血性腸炎と診断されて、消化器科入院となった。当時23歳だが虚血性腸炎はありうるのだろうか。自分が診た虚血性腸炎の最少年齢は42歳女性だった。

 点滴500ml1本と抗菌薬の点滴静注(なんとメロペン)を受けてからの来院だった。便培養を提出したが、細菌性だとしても菌は出そうもない。臍周囲に軽度の圧痛があった。腹部単純CTの画像がCDで紹介状といっしょに送られてきていた。ちょっと古いCTで撮り直したくなるが、被爆の問題があり、再撮影ははばかられる。特に上行結腸壁が軽度肥厚している。横行結腸から下行結腸も軽度に肥厚しているようだ。白血球数6500、CRP2.7と5日目の所見としてはそれほどではない。感染性腸炎として入院とした。水様便が頻回なので、潰瘍性大腸炎や虚血性腸炎ではなさそうだ。点滴と抗菌薬(FOM)で経過をみる。

 認知症があり、誤嚥性肺炎で入院していた87差男性が、尿閉で挿入していた尿カテーテル自分で引っ張って爪を立てて切ってしまったらしく、尿カテーテルの先端が膀胱内に残ってしまっていた。泌尿器科医に相談したが、おとなしく膀胱鏡検査を受けてくれそうにないので、処置しがたく経過をみていた。その後再挿入した尿カテーテルも自分で抜去したので(今度は全部抜いた)、1日2回の間欠導尿にしていた。今日、膀胱内に残っていた尿カテーテルの先端が、導尿のカテーテルを抜いた時にいっしょに出てきた。5~6cmあった。病棟の看護師さんから「先生、おめでとうございます」と言われた。まあ、めでたいのか。

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