なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

インスリン依存状態

2021年06月08日 | Weblog

 先月末に施設から食欲不振(摂食困難)で紹介された85歳女性は、嚥下訓練をしていたが、経口摂取は難しかった。

 感染症併発でもなく、新規の脳血管障害でもなかった。頭部CTでは以前からあった脳委縮が進行していた。結局、今回は内視鏡的胃瘻造設術を行って経管栄養とした。

 ただ糖尿病があり、血糖コントロールが難しい。インスリン強化療法が必要だった。胃瘻による経管栄養とインスリン強化療法となると、施設に戻せず、療養型病床のある病院にお願いするかもしれない。

 

 もともと当院の糖尿病外来(大学病院から糖尿病科の医師担当)に通院していた。2009年にインスリン注射が開始されたが、ヒューマログミックス25朝夕2回打ちだった。当時はミックス25・50が出て、流行った?ころかもしれない。

 インスリン注射を行っても、血糖コントロールは悪く、2019年もHbA1cが10%台で推移していた。

 2019年12月に肺炎で入院して、当時来ていた若い先生(地域医療研修の内科専攻医・自治医大義務年限)が担当した。肺炎は軽快したが経口摂取が進まず、高カロリー輸液にして、2020年1月に療養型病床のある病院へ転院していた。

 その後、経口摂取が可能になって、老人保健施設に入所になっていた。そしてまた経口摂取できず、入院したという経緯だった。今回はお楽しみ程度の経口摂取も難しそうだ。

 末梢用の点滴でも血糖が300mg/dlを越えていた。血清Cペプチドを測定すると、0.21ng/ml(<0.6)と完全にインスリン依存状態だった。

 2019年5月に血清Cペプチドが測定されていて、0.74ng/mlと低下していた。そこからさらに自己インスリンが枯渇してきたことになる。その時の抗GAD抗体は陰性で緩徐進行1型糖尿病とはいえなかった。

 単純CTなので分かりにくいが、膵臓は細々とあるようだ。

 

 今日は午後から、保健所から依頼された新型コロナ濃厚接触者のPCR検査が多数入っている。たぶん疲れて、他の仕事はあまりできなくなるだろう。

 

 

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