なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

これは尿カテーテル留置

2022年08月16日 | Weblog

 月曜日の内科新患を食事摂取困難で93歳男性が受診した。救急要請でいいと思うが、家族がやっと連れてきた。

 新患の先生(大学病院からバイト)は忙しかったので、その日来ていた別のバイトの先生(大学総合診療科)に診察を依頼した。外来で画像検査や血液・尿検査をしていたが、午後はその先生が発熱外来担当のため、診ている暇がなかったらしい。

 夕方になって、尿路感染症で入院させてほしいと連絡がきた。救急室に診に行くと、連れてきた娘さんは知っている患者さんだった。超肥満があり、糖尿病の治療を糖尿病外来に依頼して2~3年経つ。お互いに、お久しぶりなのだった。

 

 患者さんは在宅で介護を受けているが、室内は何とか歩行できたようだ。4日前から食事摂取が困難になった。土曜日に地域の基幹病院を受診したそうだが、水分を取るようにといわれて帰宅となった(発熱がなく、本人の訴えもない)。

 当院受診時も36.8℃で、発熱外来を経ずに直接内科外来受診となっていた。血液検査で炎症反応上昇があり、尿混濁を認めた。肺炎や肝機能障害がないことから、尿路感染症とされた。

 CTを見ると、両側胸水貯留があり、低蛋白血症のためかもしれないが、心機能低下もありそうだ。著明な前立腺肥大があり、膀胱壁が肥厚している。水腎症はなかった。

 培養検査の提出がなかったので、血液培養2セットと尿培養を提出した。救急外来では尿培養提出になることが多いので、尿一般沈査検査の段階で培養提出可能な採取をしている。(当方が血液培養・尿培養というので、慣れたらしい)

 感染症があるので尿カテーテル留置はどうしようかと思ったが、おそらくふだんから残尿が多い状態なので、ドレナージとして必要だろう。

 尿カテーテルを挿入して、最初のうちはそれほど混濁がなかったが、途中から膿そのものといった尿が排出されてきた。最初の尿は膀胱内の上澄み部分で、その後に下にたまった膿が出たということだった。

 何か処置をしようとすると大暴れだった。血液培養は末梢静脈からとれず、動脈から採取した。翼状針を使用して穿刺したので、シリンジを引く係が要る。看護師3人で抑えることになり、ちょうど検体を取りに来た検査技師さんにシリンジを引いてもらった。 

 看護師さんは「あら~、ちょうどいいところに」と言っていた。細菌検査担当のやさしい技師さんで、にこにこしながらやってくれた。

 尿カテーテル留置状態を嫌がるかと思ったが、入院後に病室に診に行くと、案外なじんだようだ。

 

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