なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

外傷性クモ膜下出血だけではない

2022年08月17日 | Weblog

 土曜日の日直の時に、腎臓内科に入院している89歳男性のことで病棟の看護師さんから診察を依頼された。

 腎臓内科外来に糖尿病性腎症・ネフローゼ症候群で通院していた。7月28日に転倒・頭部打撲した。打撲後に反応が悪くなり、地域の基幹病院脳外科を受診した。

 頭部CTで外傷性くも膜下出血を認めた。受診したのが発症4日目で止血は完成していると判断され、経過観察となった。神経脱落症状はないとされた。8月3日に腎臓内科の予約があったので、そこで相談するようにと診療情報提供書が来ていた。

 開眼はして発語もあるが、反応は悪く、食事摂取もできないので、入院となった。入院後も食事摂取はできず、点滴を継続していた。低ナトリウム血症にもなり、点滴で補正していた。輸液が多くなり、胸水貯留と無気肺を呈して発熱があった。(血清ナトリウムはむしろ高めになった)

 点滴4本を3本にして、利尿薬の静注と抗菌薬の点滴静注を行って、日曜の宿直の腎臓内科医に指示をもらうことにした。(若い腎臓内科医2名がいるが、主治医ではない先生)

 意識が悪く、ずっと食事摂取できないため、今週の月曜に頭部CTが再検された。クモ膜下出血は吸収されているが、薄い慢性硬膜下血腫のようになっていた。

 発症時のCTでも右前頭葉に脳挫傷と判断される低濃度域があるが、それがはっきりしてきて、左前頭葉にも挫傷がある。新規の脳梗塞も出現していた。

 

 確かにこれでは意識も戻らず、食事摂取も難しい。腎臓内科医は、家族と相談して今後のことを決めると言っていた。(当院向きの患者さんではある)

 

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