なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肩と肺

2016年10月23日 | Weblog

 左肩痛で整形外科に入院した74歳男性。前週に整形外科医院を受診して、肩関節の局注を受けていた。左肩発赤・腫脹・疼痛が改善しないため、当院の整形外科を受診した。発熱・炎症反応上昇があり、化膿性肩関節炎が疑われて入院した。血液培養2セットが提出された。担当は初期研修で臨床各科をまわった若い整形外科医だった(ナイスな対応)。

 肩関節部の症状は抗菌薬開始で改善した。MRIの結果は関節炎ではなくて、軟部組織の蜂窩織炎相当ということだった。ところが、入院翌日上背部痛を訴えた。翌日には血液培養の中間報告でグラム陽性球菌の報告が来た。化膿性脊椎炎疑いとしてMRIが行われたが、脊椎炎はなく、やぶにらみで右肺病変が指摘された。改めて、胸部CTで確認すると右側に液体貯留を認め、そこから葉間胸膜までつながっていた(vanishing tumorのような形態だった)。ここで内科の先生にコンサルトがきた。

 入院日の胸部X線は一見異常がないように見えたが、昨年撮影された胸部X線と比較すると、右CP angleが若干dullだった。翌日、翌々日と胸部X線で追うと、液体成分は日に日に増加して、炎症反応もいっしょに増加した。胸腔ドレナージが必要な病態(膿胸)と判断され、基幹病院の呼吸器科に依頼したところ、翌日転院で診てもらえることになった。血液培養の結果は2セットからブドウ球菌(MSSA)が検出された。

 蜂窩織炎(肩部)から膿胸ということなのか。蜂窩織炎自体は局注と関連しているのか。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« タバコはやめられない~COPD... | トップ | 内科学会生涯教育講演会 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事