なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺炎・心不全、喘息、脳梗塞

2016年01月09日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。始まって早々に90歳女性が呼吸困難・発熱で救急搬入された。救急隊からの連絡では、2-3日前から感冒様症状があって、今日から呼吸困難にという話だったので、肺炎だろうと思った。救急隊が自宅到着した時には、酸素飽和度70%台だった。酸素10L/分リザーバー付きでやっと90%だった。両側鼠径部から足にかけて浮腫が目立った。肺野全体に湿性ラ音(coarse crackles)が聴取された。頸静脈も怒張していた。

 肺炎ではなく心不全か、肺炎+心不全かと判断された。胸部X線・CTでは両側胸水貯留・心拡大があり、左右特に右肺に(肺うっ血ではなく)浸潤影があった。内科医院に高血圧症・糖尿病で通院している。後で病院に来た息子さんの話では、両下肢の浮腫は前からあって、受診した時に先生に言うようにと伝えていたそうだ。白血球数13000でCRP3だった。BNPは900と上昇していた。心房細動ではなくて、虚血性変化も目立たないが、前からある程度の心不全があり、肺炎の併発で悪化したらしい。ラシックス静注になかなか反応しなかったが、病棟に上がってから、尿が400ml排出してきた。呼吸困難で発語もなかったのが、短い言葉で話をするようになった。

 84歳女性が喘鳴で受診した。娘である病棟看護師さんが連れてきた。咳・微熱が続いて昨日内科医院を受診したが、症状が改善しない時は当院を受診するように言われていた。胸部X線の入ったCDを持たされていたが、紹介状はなかった。もともと当院の心臓血管外科外来(大学病院からの応援医師担当)に通院している。僧房弁置換術の手術と心臓ペースメーカー植え込み術を大学病院で受けていた。浮腫はなく、胸部X線(再検した)で見ても心不全の悪化ではなかった。肺炎の浸潤影もなかった。白血球数3000(普段と同じ)、CRP1.3で若干の上昇がある。BNPは70で普段と同様だった。両側肺に喘鳴が聴取された。

 気管支喘息の既往はない。気道感染を契機に喘息症状が出現したと判断された。酸素飽和度は正常だった。β刺激薬の吸入とネオフィリン・デカドロンの点滴をしたが、喘鳴は続いた。ウイルス感染とは思われるが、セフトリアキソンの点滴静注もした。喘鳴が経過するまで数日かかりそうなので、娘さんの病棟(本来は産婦人科小児科病棟)に入院とした。

 86歳男性が右半身不全麻痺で受診した。頭部CTでラクナ梗塞が散在していた。新規の脳梗塞がわからないので頭部MRIを行うと、予想した部位ではなくて、左頭頂葉のラクナ梗塞だった。その目で頭部CTを見ると、ああここかとわかるが、CTだけではわからない。病棟に上がって、てっきり付き添っていた妻と思った女性は近所の方と判明した。この患者さんは一人暮らしで、妻子はいない。兄と弟が後から病院に来るということだった。治療しても後遺症は残るので、一人暮らしではそのまま自宅退院は厳しいかもしれない。

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