1月29日(月)に施設から79歳男性が紹介されてきた。脳梗塞後遺症で、右片麻痺・失語症がある。
今回は1月27日(土)から急に嚥下障害で経口摂取ができなくなった。地域の基幹病院の救急外来を受診したそうだ。画像検査で異常なしとされて、施設に戻ったが、症状は同じだった。
既往としては、2014年に当院外科(当時)で上行結腸癌の手術を受けている。2015年に早期胃癌の内視鏡治療(ESD)を行った(当時消化器科は2名体制)。心房細動があり、DOACをヘパリン注に切り替えて施行したが、処置翌日に脳梗塞を来した。
左中大脳動脈領域の広範な梗塞だった。地域の基幹病院に搬送されて、急性期の治療後を受けた。その後当院の回復期リハビリ病棟に戻って、4か月過ごした退院した。退院後は施設入所となった。
まず頭部CTを撮影したが、以前の画像を変わらないように見える。しかし何しろ神経症状が突発しているので、新規梗塞があるはずだった。頭部MRIを入れてと思っていると、地域の基幹病院消化器内科の先生から連絡が入った。
リハビリや療養の転院は地域医療連携室経由で診療情報提供書が来る。直接連絡が入ったということは、(ベットを空けるために)すぐに転院させたい患者さんがいるのかと思った。
27日の救急外来でこの患者さんを診察したそうだ。新規病変なしとして帰したが、その後放射線科の読影レポートで右中心前回に新規梗塞を認める、となった。先方の脳神経内科医と相談してほしいという。わかりました、と答えた。
頭部MRIでは確かに新規病変を認めた。しかし症状はおそらく固定してしまうので、経鼻胃管で当院に戻されるだけになる。家族(妻)と相談して、当院で経過をみることになった。
急性期が過ぎたら、胃瘻造設を予定することにした。ただし、胃は横胃で確実に造設できるかはわからない。また喀痰吸引を頻回に要し、経口摂取しなくても誤嚥性肺炎を来す可能性がある。
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