なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

馬蹄腎の嚢胞性病変(破裂)

2018年05月22日 | Weblog

 昨日内科クリニックから91歳女性が腹水で紹介されてきた。腹部膨満があったので腹部エコーで見たところ腹水があった、という経緯だった。当院の泌尿器科で馬蹄腎の嚢胞性病変でフォローされているという。救急当番だった内科の若い先生が対応した。

 9年前の腹部CTで馬蹄腎のちょうど真ん中に嚢胞状の腫瘤があり、壁の石灰化もあった。その後のフォローでは3年前に腹部エコーが行われていたが、その後はフォローに来ていなかったらしい。泌尿器科外来は大学病院医師のバイトの枠だった。

 認知症もあり、いつから腹部膨満が始まったのか正確にはわからない。家族が気づいたのは2~3日前という。腹部CTではフォローされていた嚢胞性病変が増大して、腹側で破裂して内容液が腹腔内に広がっている。壁の石灰化があるので形がわかるが、内科の別の先生は「花瓶のような形」と表現していた。嚢胞の内容液は尿と思われる。腹部膨満があり、食事摂取は以前より低下しているが、食べられないわけではない。腹痛というより、膨満感の苦しさらしい。

 さてどうしたものか。まず腹水細胞診を採取することになったが、悪性腫瘍ではなさそうだ。といって良性としても外科的(泌尿器科的)な処置ができるかというと、年齢も考慮すると難しそうだ。

 

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