なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

冠攣縮性狭心症

2020年05月16日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。昨夜は、当直医(外部の病院の先生)から肺炎の79歳男性を入院させたいと連絡が入っていた。

 午前7時半ごろに心肺停止の40歳代前半の患者さんが救急搬入されて、当直医が心肺蘇生を継続していた。すでに1時間以上継続しているが、反応はないという。家族(母親)が来るまではという家族の希望があったそうだ。

 当直医から引き継いだ。姉妹の方には心肺蘇生に反応がなく、見込みはないことを伝えた。その後、母親が到着したところで、少し心肺蘇生の様子をみてもらってから、反応しないことを告げて心肺蘇生を中止した(救急隊は1時間半行ったことになる)。

 

 この患者さんは、5年前から内科クリニックに高血圧症・糖尿病・高コレステロール血症で通院していた。喫煙もしていた(20年間)。3月に朝方胸痛が頻発するようになって、狭心症疑いで当院の循環器科に紹介されていた。

 初診時の心電図では異常がないが、その後の心電図にはV3-6とⅠ・aVLにST低下を認めた。ホルター心電図でも胸痛時に前胸部誘導にST低下があった。

 入院して心臓カテーテル検査を受けた。左前下行枝は25%、右冠動脈は50%狭窄で、PCIの対象ではなかった。冠動脈硬化+冠攣縮と診断された(造影でLMT入口部がspastic、硝酸イソソルビド投与で軽快とある)。ベニジピンとニコランジル内服で胸痛が軽快して退院している。

 外来受診時には、1日1回は胸痛でミオコールスプレーを使用するとある。禁煙してリスクとなる疾患のコントロールは改善していたが。

 昨夜は胸痛でミオコールスプレーを頻回に使用した。症状が続くので、お付き合いのある男性が自分の家に連れて行っていたそうだが、病院を受診して、専門病院に搬送すれば治療できたかもしれない。

 

  

 

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