なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

転院2名

2020年01月30日 | Weblog

 せっせと転院を引き受けている。今日は2名の患者さんが転院してきた。

 

 一人は地域の基幹病院消化器内科からで、5年前からアルコール性肝硬変で通院している67歳男性だった。肝性脳症や食道静脈瘤治療(EVL)などで何度か入院していた。

 禁酒していたらしいが、昨年からまた飲酒を開始して、今月初めに肝性脳症の増悪で救急搬入された。回復は難しいと判断されたが、何とか軽快した。経口摂取も介助でできるようになったということだった。

 家族に退院の話がされたが、とうてい自宅では診れないと言われて、先週当方に連絡が来た。大変な患者さんですがよろしいですかと言われた。悪化時はDNARになっています、というので引き受けることにした。精神薬を2種類使用しても不穏があり、血清総ビリルビン10~15mgで推移している。

 今日来てみると、呼名に返答はなかった。バイタルは安定しているが、これでは食事摂取も内服もできない。

 家族はいつ急変してもおかしくないされていたので、予後についての要望はなかった。病院で診てくれればいいという雰囲気だった。最期まで当院で診ることになりそうです、と伝えた。

 家族に食事摂取が難しくなった時は(末梢の)点滴で行けるところまで診ますと伝えたが、もう食事摂取はできない状態で経過するのかもしれない。アミノレバンなどを点滴して経過をみるが、どうなるか。

 

 もう一人は71歳女性で、呼吸器センターのある専門病院から転院してきた。胸腺腫(浸潤しているので悪性)と非結核性抗酸菌症で在宅酸素を導入されていた。今回は細菌性肺炎で呼吸困難となって先方の病院に入院していた。

 高炭酸ガス血症があり、NPPVが行われた。1週間ねばって、やめると呼吸ができなくなるかもしれないと言われて中止されたが、なんとか自発呼吸でいけたそうだ。

 NPPVのマスクの形の湿疹ができていて、すごい顔になっていた。酸素飽和度が2L/分では上がらず、3L~4Lに調整した。痰が絡んで、その絡み具合で飽和度が変化する。

 今回呼ぶ人は全員呼んでくださいという危ない状態を脱したが、今後はもうNPPVもしないことになっていた。細菌性肺炎併発(誤嚥しそうな方だった)や原疾患の悪化を来した時は、酸素の調整・抗菌薬投与などを行うが、治療に反応しない時はDNARの方針としてもらった。

 リハビリをして自宅退院にと記載してあったが、家族はもう自宅でみるつもりはなかった。当院で経過をみて、ものすごくうまくいって長期に維持できるような時は療養型病床に依頼する方針にした。

 

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